囚われの踊り手は闇に舞う

徒然

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33 再教育の舞台にて 4

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 神崎が腰を突き出し、レイの頭を押さえつけて根元まで押し込むと同時に、弥生の鞭が振り下ろされる。レイの口からごぼりと媚薬が溢れると、弥生が罰だと言って手枷を後ろ手に繋いだ。神崎は真上から突き刺すように腰を使い、強引に根元まで咥えさせる。根元にレイの唇を感じるのに、竿には刺激がなく、先端だけが粘膜に締め付けられる。
 ――不思議な、感じだ……。
 身体を支えることができなくなったレイは、神崎の動くままに揺らされる。背中に走る痛みに喉を締めると、神崎がそこを突き破る勢いで差し込んだ。
 少しずつ、飲み込んだ媚薬が回り始めた。勃起を禁じられたペニスが、キリキリと痛む。それすら快楽に塗り替えられる。
「レイ……っ」
 神崎が喉の奥で腰を震わせ射精する。弥生が同時に鞭を振り抜いた瞬間。
 ――だめ、だ……、イく……!
 愛撫もないまま、レイが深く達した。

「鞭とフェラだけでイったね?」
 弥生が鞭の後に爪を立てると、レイがびくっと震える。神崎がペニスを引き抜きながら、口内にも精液を注いだ。
 壁には、媚薬と精液に濡れた神崎のペニスと、唇をわななかせて目を蕩けさせたレイが映し出されている。弥生が鞭をカメラに持ち替え、レイの口内を映し出した。
「オニイサンの精液、美味しい?」
 透明だった媚薬は、精液と混ざって白く濁る。んく、と音を立てながら少しずつ減っていくのを映しながら弥生は神崎を見て笑う。
「オニイサンもなかなか鬼畜だね。相当奥まで行ったでしょ、それ」
 まだ重力に逆らって勃つペニスを指しながら、カメラを固定して神崎に水を渡す。
「飲んでて」
 苦しそうに精液を飲み込むレイを見つめつつ、神崎は一気にグラスを傾け、飲み込む。手の甲で口を拭うと、弥生に向き直る。
「開口具を外してやりたいんだが、構わないか?」
 弥生は、んー、と考える素振りをする。
「レイ、うっかりオニイサンの名前呼びそうだから、言葉を封じるか、口を塞いでおきたいんだよね」
 弥生はレイの目の前で、神崎のペニスをつついた。
「それにこんなにドロドロのまま。……僕がお掃除してあげようか?」
 べろりと出した舌先を、舐めるように動かす弥生。その言葉に、仕草に、神崎より先に反応したのはレイだった。レイは口内の精液を飲みながら、開口具を噛んで鳴らす。
 ――触るな。ケンは……私のだ。
 それは、他人に執着を見せなかったレイの、初めての独占欲。レイに睨まれた弥生は肩を竦め、神崎のペニスから指を離す。
「へぇ。……男娼のあんたが、そんな目をするんだ?あんたの身体で、ほかの男が触れていない場所なんかないのに?」
 弥生はレイの顎を取り、顔を覗き込む。レイは何かを言おうとしても、ごぼりと精液を鳴らすばかりだ。
「ただの男娼がお客様を独り占めしたいだなんて、許されると思ってる?」
 それは、レイを貶めながら神崎に言い聞かせているようだと、神崎には感じられた。ぐ、と拳を握りながら、弥生とレイに近寄る。
「オニイサンと、見ているお客様に教えてあげないとね?レイは何をされても悦ぶ、ど淫乱のマゾだって」
 目を眇める弥生を、神崎が掴んでレイから引き剥がす。弥生は神崎をじっと見、ニヤリと笑う。
「ヤヒロ、馬を持ってきて。レイはそれまで、オニイサンのペニスを咥えてて」

 弥生がレイを軽く突き飛ばす。神崎がレイを受け止めたとき、ペニスが開口具に触れた。そのまま引き寄せると、支えるすべのないレイがペニスを深く飲み込んだ。
 背後では、弥生がディルドを選んでいる。何度か持ち替え、これだと頷いたのは、小柄な弥生の手に余りそうな、太くごつごつしたものだった。
 それと同時に、ヤヒロが台車を押して来た。弥生が馬と呼んだとおり、馬の背のような形の器具だ。それをヤヒロが手際よく設置すると、弥生はそれの中ほどにディルドを取り付け、引っ張って強度を見る。ヤヒロからスイッチを受け取ると、神崎に向き直る。
「ほら、これ、オニイサンのと似てるでしょ。さ、レイをこれの上に座らせて」
 弥生はローションを惜しげもなく垂らしながら神崎を呼ぶ。神崎が気遣うようにレイを見ると、レイは瞬きで了承を伝えた。

 神崎がレイを抱き上げ、レイの脚を開いて神崎の脇に挟む。臀部から腰を包むように支えると、やっと精液を飲み終えたレイが神崎の首筋に擦り寄った。
 神崎も笑って髪に頬を寄せながら、弥生の元へ向かう。
「降ろして」
 弥生に言われ、レイに小声で断りを入れたあと、レイの後孔に歪な形のディルドをひたりと当てる。
「っあ、あぁああ……っ」
 そのままゆっくり座らせると、後孔をごりごりと擦られたレイが悲鳴のように喘ぐ。
「オニイサン。一から十までで好きな数字を二つ教えて。ああ、同じ数字でもいいよ、これの動きを決めるためだから」
 弥生がぽんと馬を叩き、後ろ手に拘束されたままのレイの手枷の鎖を、馬の後方にある鉄輪に留めた。
 何が良いかと再び訊かれ、咄嗟に六と九だと答える。
「はは、シックスナインだ。オニイサンのエッチ」
 弥生は馬の高さを調整し、神崎をレイの前に立たせる。はだけたままのガウンから露出したペニスが、レイの目の前に晒された。
「レイがバランスを崩すと危ないから、オニイサンが支えてね?」
 神崎のガウンを開いて背中でひとまとめにしたあと、帯で緩く結ぶ。
 神崎は少しの躊躇いのあと、弥生に顔を向ける。
「開口具を外してやってくれ。俺がレイの口を塞いで支える」
 喘ぐレイを撫でながら告げると、ヤヒロが強めの媚薬を弥生に渡す。
「いいねぇ。肝が据わってて。分かった。オニイサンはこれ飲んで待っててね」
 神崎はそれを受け取ると、一気にグラスを傾けて飲み干す。相当薬が強いのか、それともそういう薬なのか、神崎のペニスがずくずくと疼き始めた。
 ――こ、れは。思ったより、やばいな。
 弥生がレイの口から開口具を外すと、レイは弥生に微笑み、神崎を見つめて口を開け、舌を出す。
「貴方のペニスで、喉の奥まで塞いでくださいますか?」
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