朝陽に眠る街

アサヒオウギ

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― 序章 ―

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江戸・吉原。

朝陽と眠る、夜の街。

浅草寺参りの折など、足を延ばす者も後を絶たぬ。





客にならずとも、仲之町なかのちょう大通りでは

咲き誇る折々の季節の花があり愛でられ、

張見世はりみせに居並ぶ遊女たちを冷やかすこともできる。





けれど、この街はまた別の顔も持つ。

うら若き娘たち、それぞれが事情にて

この吉原の大門おおもんをくぐったが最後、

苦界くがいの中に堕ち現世には二度と戻れぬという。





さて、今日もまた幼き娘がひとり、

女衒ぜげんに連れられ衣紋坂えもんざかを下りゆく。

この娘、この江戸は吉原

朝陽に眠る街でどう生き抜くのであろうか。



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