激レア種族に転生してみた（笑）

異世界転生 学園編

第51話 全てにおいて規格外

　アナの魔力測定が終わって、アナが席に戻ってくるタイミングで私は立ち上がる。

「さぁ、主として良いところ見せないとね」
「「そのお力を奴らに提示してやりましょう」」

　私が3人の従者に声をかけると、声を揃えて返事してきた。それなりの魔力が出るとは思うけど、3人の測定結果でお腹いっぱいになってるんじゃ？　なんて思っていた。
「3人の魔力を見てるから、もう驚くことはないと思うけどね」
「「ご冗談！」」
「じゃあ、行ってくるよ」

　私はゆっくりと教壇へ進むと、教室中からもの凄い視線を感じた。1つの嫌な視線を除けば取るに足らないモノだけど、リオネル君の『ギラギラ』した視線だけは、なんとかして欲しいものだと思った。

　みんなが注目をする中、私が魔力測定機に触れる前から輝きを放ち出した。既に測定機が反応しているようだけど、私は気にせずに手を添えた瞬間。

『パキンッ！』

　魔力を測る為の水晶が砕け散った。3人の従者が魔力測定をした為に傷でも付いていたのかな？　かなり高価な物かと思い謝ろうとすると、ウィンディ先生が青褪めた表情で口を開いた。

「えっと……、アリスちゃんの魔力が測定機の限界を超えちゃってたみたいね。測定不能だから999,999Pってことにしておくね……」
「なんか、壊しちゃってごめんなさい」
「良いのよ。さぁ魔力測定は済んだし、演習場でみんなの魔力操作を見せてもらうわよ」
「「はい」」

　演習場に着くと、ウィンディ先生はマリアンヌさんの言葉を信じて、簡単な説明を省いて魔力操作の授業を始めだした。

「みんなの魔力操作を見せてね。基礎的な球体ではなくてこんな感じのものでも良いよ」

　そう言うとウィンディ先生は、魔力の硬貨を20枚具現化すると、規則正しい速度で8の字に動かした。

「えっ……、硬貨を具現化？　しかもあの数を……、そんな複雑に動かしている」

　マリアンヌさんは、ウィンディ先生の魔力操作を見て驚いたようだ。その様子を見て不思議そうな表情で話しかける。

「どうしたの？　球状の具現化なんて基礎中の基礎だから、みんなできるんだよね？」
「すみません。私にはそんな複雑なものは無理です」
「そうなの？　他のみんなも同じかな？」
「「はい……」」

　他のクラスメイトが悔しそうに返事をしている中、私と従者は普段通りの魔力操作を、ウィンディ先生に確認をしてもらう。
「えっと、こんな感じでも良いですか？」

　私は魔力で短剣50本を具現化して、『クルクル』と回転させながら8の字の動き、従者達は先生と同じ硬貨20枚を具現化して8の字に動かした。

「あぅ、アリスちゃんのは私も出来ないよ。4人は完全に魔力操作が出来てるから、今日の授業は自習で良いよ」
「「はい」」

　そんな訳で私達は離れた場所で自習をして、他のクラスメイト達はお昼休憩を挟んで夕方までの間、ウィンディ先生からの厳しい指導の下に、魔力操作の基礎を叩き込まれていた。

　まぁ、魔力操作なんてコツさえ掴めば、後は遊び感覚で出来ちゃうから頑張ってほしいかな。

　こうして2日目の授業が終わって、クラスメイト達は英傑学園から帰宅の途に着いたのだった。