人命救助で命を落として異世界転生、助けたはずの女の子が僕を追いかけて異世界にやってきたんだけど……

小桃

文字の大きさ
47 / 132
第三章 覚醒編

第46話 愛するが故に

しおりを挟む
▽ペトラside▽
 私は癒の加護と属魔職エレメンターの職能を授かった時点で、一般職フリッターとは違いエリートと言われる部類だから、才能には自信があったけど、女としての自信は全くなかった。

 本来なら才女である私なら、貴族とはいかなくても富裕層の男達にしてみれば、手に入れたいと思うはずなのに、全く相手にされることはなかったの。その理由は、そばかす混じりの顔に線のように細い目と低い鼻、それだけならよかったのだけど、ボリュームが全くない貧相な体をしていれば、誰にも相手にされないのも頷ける。実際にパーティーを組む進撃のメンバーからも相手にされることはなかった……。

 まぁ、言い寄られたところで『体だけの関係』ならお断りだけどね。私は『一途な女』だから生涯を共にする人以外に関係を持つ気はない。魅力のない女が何を言っていると思われるかも知れないけど、これだけは絶対に譲れない。だって、私の両親はとても愛し合っていていて仲睦まじい夫婦で、そんな家庭を持つのが私の目標だから。

 そんな男日照りが続いていた私にも、ついに春が訪れた! 崖から飛び降りて激流に飲み込まれ溺れていた私を、パーティーメンバーではないギレンが助けてくれた。お礼の言葉を伝えると、濡れたせいで服が透けているのを気にしたのか? 顔を背けながら「当然のことをしただけだ」と応えた。シグルド達と違って、私のことを女として意識してくれていると思った瞬間、ギレンに対して恋心を抱いてしまったの。

 それからの道中はギレンに対して積極的に声をかけるも、視線を合わせずに返事をして照れているところが母性をくすぐられ、さらにギレンに夢中になった。

 そんな時に依頼内容のことを聞かれ「教えられない」と応えると、返ってきた返事に耳を疑った。

「一緒になっても仕事のことを教えてくれないのか?」

 一緒って夫婦ってこと? 言葉を聞いた瞬間、私の頭は真っ白になった。すぐに聞き返すと私の待ち望んだ以上の返事が返ってきた。

「そう思ってるんだが、俺の片想いだったようだな」

 両思いだと判ると、私も両親のような家庭を築けると歓喜して、身も心も私の全てを愛するギレンに捧げようと思い、それとなく誘ってみると、私を受け入れ愛してくれた。

 そのあと、ギレンも同じ令嬢を探していたことを教えてくれたけど、その依頼内容は令嬢の暗殺だった。しかも任務に失敗すると命が奪われる契約印が刻まれていた。そんな状況なのにギレンは私の身を案じてくれた……。

「伯爵家からの依頼を拒めば、ペトラの身に危険が及ぶことになる。お前のためならこの命は惜しくない。俺は暗殺を諦めお前の幸せを祈ることにする」

 この人は絶対に失いたくない。私は ギレンを愛するが故に、進撃のみんなを裏切ることになっても、ギレンと2人で生きる道を選択したの。

「ねぇ、2人で生きるために令嬢を暗殺して、どこかへ逃げない?」
「追われる身になるんだぞ?」
「ギレンとならどんな困難も平気だよ」
「ペトラ……、済まねぇな。俺もお前となら……ありがとう」

 この先にどんな困難が待ち構えていても、ギレンとなら生きていけると思ったのだった。

しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

私の推し(兄)が私のパンツを盗んでました!?

ミクリ21
恋愛
お兄ちゃん! それ私のパンツだから!?

服を脱いで妹に食べられにいく兄

スローン
恋愛
貞操観念ってのが逆転してる世界らしいです。

俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。

true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。 それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。 これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。 日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。 彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。 ※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。 ※内部進行完結済みです。毎日連載です。

お兄ちゃんはお兄ちゃんだけど、お兄ちゃんなのにお兄ちゃんじゃない!?

すずなり。
恋愛
幼いころ、母に施設に預けられた鈴(すず)。 お母さん「病気を治して迎えにくるから待ってて?」 その母は・・迎えにくることは無かった。 代わりに迎えに来た『父』と『兄』。 私の引き取り先は『本当の家』だった。 お父さん「鈴の家だよ?」 鈴「私・・一緒に暮らしていいんでしょうか・・。」 新しい家で始まる生活。 でも私は・・・お母さんの病気の遺伝子を受け継いでる・・・。 鈴「うぁ・・・・。」 兄「鈴!?」 倒れることが多くなっていく日々・・・。 そんな中でも『恋』は私の都合なんて考えてくれない。 『もう・・妹にみれない・・・。』 『お兄ちゃん・・・。』 「お前のこと、施設にいたころから好きだった・・・!」 「ーーーーっ!」 ※本編には病名や治療法、薬などいろいろ出てきますが、全て想像の世界のお話です。現実世界とは一切関係ありません。 ※コメントや感想などは受け付けることはできません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 ※孤児、脱字などチェックはしてますが漏れもあります。ご容赦ください。 ※表現不足なども重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけたら幸いです。(それはもう『へぇー・・』ぐらいに。)

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

まずはお嫁さんからお願いします。

桜庭かなめ
恋愛
 高校3年生の長瀬和真のクラスには、有栖川優奈という女子生徒がいる。優奈は成績優秀で容姿端麗、温厚な性格と誰にでも敬語で話すことから、学年や性別を問わず人気を集めている。和真は優奈とはこの2年間で挨拶や、バイト先のドーナッツ屋で接客する程度の関わりだった。  4月の終わり頃。バイト中に店舗の入口前の掃除をしているとき、和真は老齢の男性のスマホを見つける。その男性は優奈の祖父であり、日本有数の企業グループである有栖川グループの会長・有栖川総一郎だった。  総一郎は自分のスマホを見つけてくれた和真をとても気に入り、孫娘の優奈とクラスメイトであること、優奈も和真も18歳であることから優奈との結婚を申し出る。  いきなりの結婚打診に和真は困惑する。ただ、有栖川家の説得や、優奈が和真の印象が良く「結婚していい」「いつかは両親や祖父母のような好き合える夫婦になりたい」と思っていることを知り、和真は結婚を受け入れる。  デート、学校生活、新居での2人での新婚生活などを経て、和真と優奈の距離が近づいていく。交際なしで結婚した高校生の男女が、好き合える夫婦になるまでの温かくて甘いラブコメディ!  ※特別編6が完結しました!(2025.11.25)  ※小説家になろうとカクヨムでも公開しています。  ※お気に入り登録、感想をお待ちしております。

手が届かないはずの高嶺の花が幼馴染の俺にだけベタベタしてきて、あと少しで我慢も限界かもしれない

みずがめ
恋愛
 宮坂葵は可愛くて気立てが良くて社長令嬢で……あと俺の幼馴染だ。  葵は学内でも屈指の人気を誇る女子。けれど彼女に告白をする男子は数える程度しかいなかった。  なぜか? 彼女が高嶺の花すぎたからである。  その美貌と肩書に誰もが気後れしてしまう。葵に告白する数少ない勇者も、ことごとく散っていった。  そんな誰もが憧れる美少女は、今日も俺と二人きりで無防備な姿をさらしていた。  幼馴染だからって、とっくに体つきは大人へと成長しているのだ。彼女がいつまでも子供気分で困っているのは俺ばかりだった。いつかはわからせなければならないだろう。  ……本当にわからせられるのは俺の方だということを、この時点ではまだわかっちゃいなかったのだ。

処理中です...