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おまけ2(続いたらしい)
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体勢がきつすぎると、詩乃さんが俺の腕から抜け出てしまった。抱きしめすぎてたのは、ごめん。
「聞きたいことってそれだけ?」
黙りこむ俺をじっと見つめて、ふと力を抜いたのがわかった。
たぶん俺の心配が消えたのを確認したのだと思う。
「私からひとつだけ。聞いてくれる?」
それはもう、なんなりと。
こくこくと頷いて同意する。
「仕事中によけいなこと考えないでね」
集中しなさいと、人差し指を突き付けられた。
「さすがに出動時じゃないって」
「訓練でもダメでしょ」
ジト目な詩乃さんを脳内シャッターをきって記憶する。この顔を思い出せば、つまらん書類仕事もはかどるってもんだ。なんなら持久力を要する筋トレなんて、詩乃さんのことを考えた方が効率がいい。あっと言う間に目標回数を達成してしまう。
「大丈夫。真面目にやってるって」
「ま、それはいいとして。この先も気になることがあったらすぐ言ってね。コミュニケーション不足ですれ違いたくないし」
「俺らすれ違ってないじゃん」
「今はまだ、ね」
真顔を見せられると血圧がひゅっと下がる。突然の真顔やめて欲しい。マジで心臓に悪い。
「あの宇多たちでさえ喧嘩するんだもん」
「喧嘩したって仲直りすればいい。すれ違ったって、宇多さんたちみたいに取り戻せるよ、絶対」
「絶対?」
「うん。絶対」
「そっか。絶対か」
当たり前じゃん。
俺たちの関係がはじまってまだ一年も経っていないのは事実。実績はこれから積み上げていくところだ。
結婚前提で交際を申し込んで、詩乃さんを通過点だなんて考えもしなかった。一時的なお遊びで終わるなんてありえない。
「俺は、絶対大丈夫だって確信ある」
「根拠なさすぎ」
「あるよ。だって愛が永遠に増え続けてる。宇宙みたいなもんよ?」
「だとしても、中身は変化するものでしょ」
言うまでもないって感じで言い放って、詩乃さんはストレッチを始めてしまった。
まだ会話の途中だというのに「そろそろお風呂入れるから先どうぞ~」と呑気なものだ。
最近気づいたんだけど、詩乃さんって、もしかしなくても、かなりマイペースだ。
「暑苦しいかもだけど、俺の『詩乃さん大好き』は死んでも止まらんよ」
「うーん? そのうち、もうちょい落ち着くでしょ」
お互いに、って。そう言うのなら、もっと浮ついたとこ見せてくれてもいいのだが?
俺は、本気で、今すぐにでも結婚したい。詩乃さんの全部に責任を持って在りたい。自然と湧いた気持ちで、生活やら将来やら考えてより強くなる。
「久しぶりに手伝う。ストレッチ」
「今日はいいや。それより、ほら、早くお風呂」
急き立てられても、この場に留まった。俺の気持ちをダイレクトにぶつけるか、迷う。
数秒後、業を煮やした詩乃さんが立ち上がった。タオルとか洗面用具を準備をしてくれたようだ。
「逸登君」
「……」
「動いて」
詩乃さんが時計をチラ見した。宇多さんの訪問という不慮の出来事があったぶん時間をくってしまった。
だからって子どもじゃないんだからどーってことない。明日はふたりとも休みなんだしさ。
「ストレッチするなら風呂上がりのほうがいいよ」
「いつもはそうしてる」
結婚について話すのは、今じゃない。優しい詩乃さんのことだから、たぶん押せば押し切れる。
そんなの意味がない。俺の気持ちを押し付けるだけになってしまう。
詩乃さんのペースは尊重しつつ、でもマイペースは引き上げたい。
「ふう」
詩乃さんは右のふくらはぎを伸ばして一呼吸いれた。
俺に、まだいるのか、という視線を寄越して「早く行きなさーい」と叱る。
かわいい。
こんな怒り方なら、もっと怒ってもいいし、なんならずっと叱られていたい。
一生懸命ストレッチする詩乃さんもかわいい。動きに慣れたらしく日課分をこなす体に柔軟性が増している。長い脚に科やかさがプラスされた気がする。
真面目に続けてるのすごい。日課にするって意外と難しいからさ。
「そういうとこもめっちゃ好き」
「まだ言うか」
右足に次いで左足を伸ばしがてら、息苦しそうに睨んできた。もしかしたら「まだ居たか」と言ったのかもしれない。
名残惜しいけど、一旦離れるしかない。順番待ちの詩乃さんのためにも。
「んじゃ、先にお借りするね」
「どうぞ。ごゆっくりぃ」
言葉尻を継いで「ふうううっ」と長く吐かれた息が、大変色っぽくてたまんない。
夜は長い。
試験で二の次にされた俺の執念を存分に味わってもらう気満々マン。
気になることは都度解消するんでしょ。
詩乃さんからの申し出だもん、俺がきかないわけがない。
加減できるかな? できそうにないな。でも、しないとな。
風呂に入る前なのに、少しだけ体温が上昇した。
「聞きたいことってそれだけ?」
黙りこむ俺をじっと見つめて、ふと力を抜いたのがわかった。
たぶん俺の心配が消えたのを確認したのだと思う。
「私からひとつだけ。聞いてくれる?」
それはもう、なんなりと。
こくこくと頷いて同意する。
「仕事中によけいなこと考えないでね」
集中しなさいと、人差し指を突き付けられた。
「さすがに出動時じゃないって」
「訓練でもダメでしょ」
ジト目な詩乃さんを脳内シャッターをきって記憶する。この顔を思い出せば、つまらん書類仕事もはかどるってもんだ。なんなら持久力を要する筋トレなんて、詩乃さんのことを考えた方が効率がいい。あっと言う間に目標回数を達成してしまう。
「大丈夫。真面目にやってるって」
「ま、それはいいとして。この先も気になることがあったらすぐ言ってね。コミュニケーション不足ですれ違いたくないし」
「俺らすれ違ってないじゃん」
「今はまだ、ね」
真顔を見せられると血圧がひゅっと下がる。突然の真顔やめて欲しい。マジで心臓に悪い。
「あの宇多たちでさえ喧嘩するんだもん」
「喧嘩したって仲直りすればいい。すれ違ったって、宇多さんたちみたいに取り戻せるよ、絶対」
「絶対?」
「うん。絶対」
「そっか。絶対か」
当たり前じゃん。
俺たちの関係がはじまってまだ一年も経っていないのは事実。実績はこれから積み上げていくところだ。
結婚前提で交際を申し込んで、詩乃さんを通過点だなんて考えもしなかった。一時的なお遊びで終わるなんてありえない。
「俺は、絶対大丈夫だって確信ある」
「根拠なさすぎ」
「あるよ。だって愛が永遠に増え続けてる。宇宙みたいなもんよ?」
「だとしても、中身は変化するものでしょ」
言うまでもないって感じで言い放って、詩乃さんはストレッチを始めてしまった。
まだ会話の途中だというのに「そろそろお風呂入れるから先どうぞ~」と呑気なものだ。
最近気づいたんだけど、詩乃さんって、もしかしなくても、かなりマイペースだ。
「暑苦しいかもだけど、俺の『詩乃さん大好き』は死んでも止まらんよ」
「うーん? そのうち、もうちょい落ち着くでしょ」
お互いに、って。そう言うのなら、もっと浮ついたとこ見せてくれてもいいのだが?
俺は、本気で、今すぐにでも結婚したい。詩乃さんの全部に責任を持って在りたい。自然と湧いた気持ちで、生活やら将来やら考えてより強くなる。
「久しぶりに手伝う。ストレッチ」
「今日はいいや。それより、ほら、早くお風呂」
急き立てられても、この場に留まった。俺の気持ちをダイレクトにぶつけるか、迷う。
数秒後、業を煮やした詩乃さんが立ち上がった。タオルとか洗面用具を準備をしてくれたようだ。
「逸登君」
「……」
「動いて」
詩乃さんが時計をチラ見した。宇多さんの訪問という不慮の出来事があったぶん時間をくってしまった。
だからって子どもじゃないんだからどーってことない。明日はふたりとも休みなんだしさ。
「ストレッチするなら風呂上がりのほうがいいよ」
「いつもはそうしてる」
結婚について話すのは、今じゃない。優しい詩乃さんのことだから、たぶん押せば押し切れる。
そんなの意味がない。俺の気持ちを押し付けるだけになってしまう。
詩乃さんのペースは尊重しつつ、でもマイペースは引き上げたい。
「ふう」
詩乃さんは右のふくらはぎを伸ばして一呼吸いれた。
俺に、まだいるのか、という視線を寄越して「早く行きなさーい」と叱る。
かわいい。
こんな怒り方なら、もっと怒ってもいいし、なんならずっと叱られていたい。
一生懸命ストレッチする詩乃さんもかわいい。動きに慣れたらしく日課分をこなす体に柔軟性が増している。長い脚に科やかさがプラスされた気がする。
真面目に続けてるのすごい。日課にするって意外と難しいからさ。
「そういうとこもめっちゃ好き」
「まだ言うか」
右足に次いで左足を伸ばしがてら、息苦しそうに睨んできた。もしかしたら「まだ居たか」と言ったのかもしれない。
名残惜しいけど、一旦離れるしかない。順番待ちの詩乃さんのためにも。
「んじゃ、先にお借りするね」
「どうぞ。ごゆっくりぃ」
言葉尻を継いで「ふうううっ」と長く吐かれた息が、大変色っぽくてたまんない。
夜は長い。
試験で二の次にされた俺の執念を存分に味わってもらう気満々マン。
気になることは都度解消するんでしょ。
詩乃さんからの申し出だもん、俺がきかないわけがない。
加減できるかな? できそうにないな。でも、しないとな。
風呂に入る前なのに、少しだけ体温が上昇した。
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