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東京編
物件情報
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徹と橙子が恋人関係に発展して早数か月。相変わらず、どちらかの休みか、早く帰宅できた日にお家デートをするだけの付き合いを続けている。
「いい加減、越してこい」
徹は何度掛け合ったか分からない台詞を吐きだした。
時間の空いたときにいちいち連絡を入れるのも、呼ばないと来ないのも煩わしい。ずっと居ろ、家にあるものは自由に使え、とそこまではっきり言っても橙子は首を縦に振らない。
戦法を変え、説得を試みる。
徹の住むマンションの立地から、駅近でスーパーやコンビニなどの店が多く、金融基盤に交通基盤も整っている。橙子の勤務先まで乗り換えなしと通勤の便も良い。山藤物流の女子寮はセキュリティが甘過ぎる……等々、どう考えても有利な条件を羅列した。
「必要なら荷物起きの部屋を私室にしてもいい」
「掃除機の部屋!」
駄目だ。伝わらない。
徹の説得虚しく、橙子はけらけらと笑い出す。
こっそり覗いた時の衝撃は忘れられないと、涙を拭ってまで笑う。
徹が物置にしている部屋がある。といっても、荷物自体がほぼないのだから空き部屋だ。置き場所に困った掃除機を格納し、壁際にスーツを数着掛けてある。
「ワンルームでいいぐらいなのに、何で2LDK?」
単身者にはもったいない物件だと、橙子は常々思っていた。
リビングは広く収納も充実している。一階だけに日当たりには少々難ありと言えなくもないが、上階に比べたらというレベルで洗濯物はじゅうぶんに乾く。道に面したバルコニーは、前が駐車場になっていて在宅時は目隠しになる。お風呂は足が伸ばせるだけの余裕があって、追い炊き機能がついている充実ぶりだ。そして何と言っても都内中心部で最寄駅から徒歩10分となると、橙子には賃料の予想がつかない。
「オーナーとちょっとした知り合いでな。駐車場付きで破格だった」
「えええっ! 賃貸じゃないの⁉」
橙子の驚きから、彼女が同居を頑なに拒む理由の一つが見えた気がした。賃貸契約だと居住者に縛りや条件がつくこともあるからだ。
「買った」
徹にまたひとつ好都合な点が加算された。
徹が初めてここへ来たのは、とある凄惨な事件現場としてだった。仕事が終わって何年も経ってから、偶然オーナーと再会した。内装はすべてリフォーム済みだが買い手がつかないと頭を抱えていた。人の噂も七十五日といかないこともある。警官が住んでくれるならと、提示された金額はバブルが弾け暴落したレベルをも軽く凌駕していた。当時住んでいたアパートの契約更新日が近づいていたこともあり、利害が一致したのだ。
徹は事故物件であることは気にしなかった。血塗られた現場を見たが、今や全く別物だ。
第六感だとか霊感と呼ばれる類のものは持ち合わせていないからである。見えない。聞こえない。感じない。そもそも家にいない。勘は仕事に必要なものだけ働けばいい。
だいたい事件現場だからといって、全部が全部怪奇現象スポットになるわけではない。
要するに、怖がる要素はひとつも見当たらなかった。
「支払いは終わっているし、嫌ならもっと条件いいとこ探すか? 一階じゃ防犯に問題あるしな」
「待って。嫌じゃないよ。全然。ただ、その、何て言うか、一緒に暮らす前の楽しみってあるじゃん?」
「はぁ?」
「待ち合わせのわくわく感とか、お泊りのどきどきとか!」
「ない」
「えぇー」
橙子が不満をあらわに膨れてしまった。言い方を間違えたらしい空気が漂うが、徹は橙子の期待するわくわくもどきどきも不要の産物だ。
「迎え入れられるのは悪くない」
念のため、取り繕いはする。機嫌を損ねて徳はないからだ。
息を吸い込んで盛大に照れ始めたところを見ると、どうやら挽回できたらしい。
橙子の腰に回した腕に、徹は自身の体を寄せた。首筋に顔を埋め「嫌か」と囁けば、口づけている耳が熱を帯びた。
「まず第一に、人が生活するには物が無さすぎですって!」
橙子が場違いに元気な声で抗議を上げた。
「買えばいいだろ。とりあえずドライヤーが要るんだったな。あと、広いベッド」
「それより電子レンジと替えのシーツでしょ!」
徹が言うように着の身着のままで引っ越したら生活がままならない。引っ越しは労力がかかる。引っ越し業務も請け負う運送会社勤めの橙子は心得ているつもりだ。
調理器具はもちろん、調味料から箪笥などの家具まで優先順位をつけてリストアップする必要がある。
家電は寮で使っているものがあるだろうと、冷静な徹に向かっ腹が立ってくる。
「寮で使うのなくなるじゃん」
「引き払え」
徹の溜息に含まれる甘さにほだされぬよう、橙子は自分を戒める。橙子とて、できるだけ長い時間一緒に居たいのは山々だ。単純に、徹の優しさに漬け込みたくないのだ。
同居に諍いは付き物。まだ互いを丸っと理解するには至っていない。すり合わせ、妥協し合って、それから考えてもらえればいい。
「週末だけってことで、ここはひとつ」
「俺に週末は関係ない」
「うーん。じゃ、やっぱ久我島さんが帰ってくる日だけでいいよ」
「帰らないのはよっぽどだ」
「騙されませんー」
「一日、二日ぐらいだ」
「嘘だね。それに、休日は一日中寝るんでしょ。私としてもゆっくりしてもらいたいんです」
「お前が帰ってくるのは夕方以降だろ。それまで寝られりゃじゅうぶんだ」
橙子が何を言っても、徹は正攻法で返してくる。お互い忙しいからこそ、プライベートを大切にしたいだけなのに。特に徹は不規則勤務だ。たまの休日は貴重な時間に違いない。その上、ひとり暮らしが長いと私的な空間に他人が幅を利かせては億劫だろう。
「また余計なこと考えてやがるな」
「真面目に考えてます」
「あのなぁ。場所も時間も共有するのが嫌だったら、越してこいなんていうわけがないだろ」
朴念仁とて学習能力はある。橙子には直球どころか剛速球を投げこまなければ話にならないと学びつつある。
「エスパーか」
橙子の感想は徹の読みは大当たりだと決定づけた。畳みかけるなら今だ。
「そもそもプライベートに取れる時間が少ないんだ。わかれ」
「時間の有効活用? そっか。トッシーも管理者が欲しいって言ってた」
ったく、こいつは。
俊樹の名前を出されると妬み心が芽生える。徹の心中を察しない橙子は、ふむふむと頷いている。
徹は再度橙子の首筋に唇を当てて、自分に意識を向けさせた。耳まで這い上がり、
「違う」
と、耳朶を甘嚙んだ。
「もう。久我島さんわかりにくいんだから、わかれなんて無理言わないでよ」
徹は盛大に溜息を洩らし、図らずとも橙子の耳に生温い息を吹きかけることになってしまった。
びくついて反射で逃げる橙子の体を力づくで寄せる。
「仕事以外の全部、俺に寄越せ」
耳に直接送り込まれた低い囁きに、橙子の思考が拘束される。
私が弱いの知っててやってる?
徹が雰囲気づくりなんてするわけがないのだから、揶揄っているに違いない。ほだされて余韻に浸ると、揶揄ついでに溶かされてしまうことになる。
なるけれど、嫌じゃないというか、むしろ喜んでというか……。
がっつりきてくれていい。お泊りする気満々なのだからどきどき大歓迎だ。
「それと、そろそろその久我島さんってのやめろ」
「えー。考えて置きますね。引っ越しの件は」
しまった。言葉選びも雰囲気も間違えた。
橙子は自分のやらかしを呪う。
「お前な」
徹が物理的な距離を離して、ソファの背もたれに戻ってしまった。耳を掠めていた大人の色気も引っ込んでしまっている。
期待する続きがお預けになってしまった上に、堂々巡りの小言が始まるのはいただけない。橙子は片膝を抱えるようにソファに足をのせて、徹に向き合った。
「俊樹ばりに橙子って呼んでくれるようになったら善処しますね。クガジマサン?」
こいつ、マジ……。
徹は横目で橙子を睨む。
引っ越し、俊樹、名字呼び、どれも小さな嫉妬心を抱かせるとわかっているかのような口ぶりだ。意地の割合は徹に切望させるための所業に見て取れる。
現に橙子は徹を正面に真顔を貫いている。
これだから女は怖い。計算なのか天然なのかわかったものではない。
傍に置いてもらうのはこちらの方で、女王陛下にはひざまずくしかないのか。
この期に及んで、徹はそれも悪くないなどと打ち消すのだから世話がない。
抵抗なく考える自分は末期だと悟った。
「いい加減、越してこい」
徹は何度掛け合ったか分からない台詞を吐きだした。
時間の空いたときにいちいち連絡を入れるのも、呼ばないと来ないのも煩わしい。ずっと居ろ、家にあるものは自由に使え、とそこまではっきり言っても橙子は首を縦に振らない。
戦法を変え、説得を試みる。
徹の住むマンションの立地から、駅近でスーパーやコンビニなどの店が多く、金融基盤に交通基盤も整っている。橙子の勤務先まで乗り換えなしと通勤の便も良い。山藤物流の女子寮はセキュリティが甘過ぎる……等々、どう考えても有利な条件を羅列した。
「必要なら荷物起きの部屋を私室にしてもいい」
「掃除機の部屋!」
駄目だ。伝わらない。
徹の説得虚しく、橙子はけらけらと笑い出す。
こっそり覗いた時の衝撃は忘れられないと、涙を拭ってまで笑う。
徹が物置にしている部屋がある。といっても、荷物自体がほぼないのだから空き部屋だ。置き場所に困った掃除機を格納し、壁際にスーツを数着掛けてある。
「ワンルームでいいぐらいなのに、何で2LDK?」
単身者にはもったいない物件だと、橙子は常々思っていた。
リビングは広く収納も充実している。一階だけに日当たりには少々難ありと言えなくもないが、上階に比べたらというレベルで洗濯物はじゅうぶんに乾く。道に面したバルコニーは、前が駐車場になっていて在宅時は目隠しになる。お風呂は足が伸ばせるだけの余裕があって、追い炊き機能がついている充実ぶりだ。そして何と言っても都内中心部で最寄駅から徒歩10分となると、橙子には賃料の予想がつかない。
「オーナーとちょっとした知り合いでな。駐車場付きで破格だった」
「えええっ! 賃貸じゃないの⁉」
橙子の驚きから、彼女が同居を頑なに拒む理由の一つが見えた気がした。賃貸契約だと居住者に縛りや条件がつくこともあるからだ。
「買った」
徹にまたひとつ好都合な点が加算された。
徹が初めてここへ来たのは、とある凄惨な事件現場としてだった。仕事が終わって何年も経ってから、偶然オーナーと再会した。内装はすべてリフォーム済みだが買い手がつかないと頭を抱えていた。人の噂も七十五日といかないこともある。警官が住んでくれるならと、提示された金額はバブルが弾け暴落したレベルをも軽く凌駕していた。当時住んでいたアパートの契約更新日が近づいていたこともあり、利害が一致したのだ。
徹は事故物件であることは気にしなかった。血塗られた現場を見たが、今や全く別物だ。
第六感だとか霊感と呼ばれる類のものは持ち合わせていないからである。見えない。聞こえない。感じない。そもそも家にいない。勘は仕事に必要なものだけ働けばいい。
だいたい事件現場だからといって、全部が全部怪奇現象スポットになるわけではない。
要するに、怖がる要素はひとつも見当たらなかった。
「支払いは終わっているし、嫌ならもっと条件いいとこ探すか? 一階じゃ防犯に問題あるしな」
「待って。嫌じゃないよ。全然。ただ、その、何て言うか、一緒に暮らす前の楽しみってあるじゃん?」
「はぁ?」
「待ち合わせのわくわく感とか、お泊りのどきどきとか!」
「ない」
「えぇー」
橙子が不満をあらわに膨れてしまった。言い方を間違えたらしい空気が漂うが、徹は橙子の期待するわくわくもどきどきも不要の産物だ。
「迎え入れられるのは悪くない」
念のため、取り繕いはする。機嫌を損ねて徳はないからだ。
息を吸い込んで盛大に照れ始めたところを見ると、どうやら挽回できたらしい。
橙子の腰に回した腕に、徹は自身の体を寄せた。首筋に顔を埋め「嫌か」と囁けば、口づけている耳が熱を帯びた。
「まず第一に、人が生活するには物が無さすぎですって!」
橙子が場違いに元気な声で抗議を上げた。
「買えばいいだろ。とりあえずドライヤーが要るんだったな。あと、広いベッド」
「それより電子レンジと替えのシーツでしょ!」
徹が言うように着の身着のままで引っ越したら生活がままならない。引っ越しは労力がかかる。引っ越し業務も請け負う運送会社勤めの橙子は心得ているつもりだ。
調理器具はもちろん、調味料から箪笥などの家具まで優先順位をつけてリストアップする必要がある。
家電は寮で使っているものがあるだろうと、冷静な徹に向かっ腹が立ってくる。
「寮で使うのなくなるじゃん」
「引き払え」
徹の溜息に含まれる甘さにほだされぬよう、橙子は自分を戒める。橙子とて、できるだけ長い時間一緒に居たいのは山々だ。単純に、徹の優しさに漬け込みたくないのだ。
同居に諍いは付き物。まだ互いを丸っと理解するには至っていない。すり合わせ、妥協し合って、それから考えてもらえればいい。
「週末だけってことで、ここはひとつ」
「俺に週末は関係ない」
「うーん。じゃ、やっぱ久我島さんが帰ってくる日だけでいいよ」
「帰らないのはよっぽどだ」
「騙されませんー」
「一日、二日ぐらいだ」
「嘘だね。それに、休日は一日中寝るんでしょ。私としてもゆっくりしてもらいたいんです」
「お前が帰ってくるのは夕方以降だろ。それまで寝られりゃじゅうぶんだ」
橙子が何を言っても、徹は正攻法で返してくる。お互い忙しいからこそ、プライベートを大切にしたいだけなのに。特に徹は不規則勤務だ。たまの休日は貴重な時間に違いない。その上、ひとり暮らしが長いと私的な空間に他人が幅を利かせては億劫だろう。
「また余計なこと考えてやがるな」
「真面目に考えてます」
「あのなぁ。場所も時間も共有するのが嫌だったら、越してこいなんていうわけがないだろ」
朴念仁とて学習能力はある。橙子には直球どころか剛速球を投げこまなければ話にならないと学びつつある。
「エスパーか」
橙子の感想は徹の読みは大当たりだと決定づけた。畳みかけるなら今だ。
「そもそもプライベートに取れる時間が少ないんだ。わかれ」
「時間の有効活用? そっか。トッシーも管理者が欲しいって言ってた」
ったく、こいつは。
俊樹の名前を出されると妬み心が芽生える。徹の心中を察しない橙子は、ふむふむと頷いている。
徹は再度橙子の首筋に唇を当てて、自分に意識を向けさせた。耳まで這い上がり、
「違う」
と、耳朶を甘嚙んだ。
「もう。久我島さんわかりにくいんだから、わかれなんて無理言わないでよ」
徹は盛大に溜息を洩らし、図らずとも橙子の耳に生温い息を吹きかけることになってしまった。
びくついて反射で逃げる橙子の体を力づくで寄せる。
「仕事以外の全部、俺に寄越せ」
耳に直接送り込まれた低い囁きに、橙子の思考が拘束される。
私が弱いの知っててやってる?
徹が雰囲気づくりなんてするわけがないのだから、揶揄っているに違いない。ほだされて余韻に浸ると、揶揄ついでに溶かされてしまうことになる。
なるけれど、嫌じゃないというか、むしろ喜んでというか……。
がっつりきてくれていい。お泊りする気満々なのだからどきどき大歓迎だ。
「それと、そろそろその久我島さんってのやめろ」
「えー。考えて置きますね。引っ越しの件は」
しまった。言葉選びも雰囲気も間違えた。
橙子は自分のやらかしを呪う。
「お前な」
徹が物理的な距離を離して、ソファの背もたれに戻ってしまった。耳を掠めていた大人の色気も引っ込んでしまっている。
期待する続きがお預けになってしまった上に、堂々巡りの小言が始まるのはいただけない。橙子は片膝を抱えるようにソファに足をのせて、徹に向き合った。
「俊樹ばりに橙子って呼んでくれるようになったら善処しますね。クガジマサン?」
こいつ、マジ……。
徹は横目で橙子を睨む。
引っ越し、俊樹、名字呼び、どれも小さな嫉妬心を抱かせるとわかっているかのような口ぶりだ。意地の割合は徹に切望させるための所業に見て取れる。
現に橙子は徹を正面に真顔を貫いている。
これだから女は怖い。計算なのか天然なのかわかったものではない。
傍に置いてもらうのはこちらの方で、女王陛下にはひざまずくしかないのか。
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