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8.場所探し
しおりを挟む次の日の放課後。
この日は珍しく私が先だった。
たぶん、初めて…かな?
気持ちがはっきりして、気が楽になったことも大きかったかもしれない(笑)
しばらくすると駿二が階段を上がってきた。
「おっ!礼が先なんて珍しいな。明日は雨かもな(笑)」
「もうっ!明日も晴れるもん!」
そんな話をしながら駿二は階段に座った。
私は今日も立ったまま。
「礼も座ったら?」
「んー、座りたいとこだけど、お尻冷えて寒いからいーや。」
「確かに寒いな。どっか暖かいとこ移動するか。どっか考えた?」
「考えてないけどさ、どこもなくない?東さんは考えた?」
「いや、考えてないよ。」
そう言って二人して笑った。
なぜなら、私たちの住んでいるところはかなり田舎。
暖かくて座ってゆっくり話せるところなんて、たぶんない。
「うーん、室内ってことなら図書館とか?」
「図書館か。何時までだろう?」
「私もわかんないけど、たぶん7時くらいまでは開いてるんじゃないかな?」
「とりあえず行ってみるか!」
学校から図書館までは歩いて20分くらいの距離。
寒くて私は鼻を真っ赤にしながら歩いた。
図書館に着くと駿二に「鼻真っ赤(笑)」と笑われた。
でもそんなやりとりも楽しかった。
あっという間に時間が過ぎ、なんと図書館の閉館時間は6時だった。
「早っ!もう閉まるんか。」
「だよね。私もこんな早いと思わなかった。」
「これじゃ礼が寒い思いして図書館に来ただけだな(笑)」
「ほんとだよ。他にどっかあればいいけど、やっぱ学校しかないかなぁ。」
「…礼が嫌じゃなければ、今度から俺んち来る?」
「え?」
「俺んち学校からすぐだから。」
「いいの?」
「いいよ。その方が俺もゆっくりできるし♪」
家という選択肢に緊張したけど、誘ってくれたことは素直に嬉しかった。
翌日知ることになるけれど、駿二の家は本当に学校から近くてびっくりした。
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