“彼”

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21.春休み②

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それからの春休みは、だいたいどちらかの家で会っていた。

駿二はあまり私の家には来たくないみたいだったけど。
イチャイチャしにくいらしい。笑
そんな駿二に私から迫っては困らせて楽しんでいた。


そんな日々もあっという間に過ぎ、駿二が行ってしまう日が明日となった。

駿二の家で、何をしたとか何を話したとか全然覚えていないけれど、帰り際の会話だけは今も覚えている。


「今日は泣かなかったな。礼は絶対泣くと思ったのに。」

「最近毎回泣いてたもんね。でも今日は泣かないよ。」

「そうか…」

「泣いて欲しかった?」

「いや、そうじゃないけど…」

「寂しい?」

「そうだな。なんか急に寂しいと思ったな。」

「私はずっと寂しいと思ってたよ。」

「…ほんとは俺、礼に指輪あげたかったんだよ。」

「そうなの?」

「俺のだって証になるし、礼を安心させたかったから。」

「そっか。」

「今度俺がこっちに帰ってきたら一緒に買いに行こうか。」

「そんないいよ~。私なら指輪がなくても大丈夫!」

「俺は礼に着けてて欲しいんだけどな。」

「うーん、じゃあ行く機会があったらね!」


そして、「浮気はしちゃダメだよ」とか「たまには電話もしてね」とか色々約束をした後「GWには帰ってくるから」と言ってバイバイした。



でもその後、駿二に指輪を買ってもらうことは一度もなかった。





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