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49.ドライブ②
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30分経ったか経たないか。
私は大きな深呼吸をしてからメールした。
『準備出来たよ。』
『了解!俺も今出ようと思ってたとこ。今から行くな。』
『じゃあ出て待ってるね。気をつけて。』
駿二の家から私の家までは車で大体10分程度。
玄関の鏡でもう一度全身をチェックして、そろそろ来るかなという頃に家を出た。
が、まだ来てないだろうと油断していたら、もうすでに近くの駐車場まで来て待ってくれていた。
「ごめん!来るの早かったね!」
「そうか?とりあえず乗って。峠の方にでも行ってみよ。あそこなら車も信号もほとんどないから練習になると思う。」
久しぶりに会う駿二は、付き合っていた頃と全然変わっていなかった。
こういう時はこういう言い方するよなとか、最初に惹かれた笑顔もそのまんま。
私はなんだか安心した。
もちろん久しぶりに会う緊張感もあった。
でも会ってしまったら、それを上回るほどのお互いがお互いにわかってしまう安心感と懐かしさ。
また好きになるには十分過ぎた。
運転の方はというと…
ペーパードライバーの私はもうびっくりするほど下手くそで、何度「代わって~!」と叫んだことか。
「それじゃ練習にならんだろ」と一蹴されつつ、なんとか無事に練習は終わった。
「少し話してから帰るか」と駿二から言ってくれ、私の家の近くの公園の駐車場に車を停めた。
「疲れたぁ~!」
「そんな疲れるほどしてないだろ(笑)」
「慣れないことしたからね!やっぱ私は助手席がいいや♪」
「もう礼はそれでいいと思う(笑)…そろそろ夏休みも終わるな。」
「そうだねぇ。あっという間だ。」
「礼さえ良かったら、向こう戻ってもまた遊ばん?」
「え?」
「今日楽しかったし、俺はまた遊びたいなと思うんだけど。」
「私も楽しかったよ。駿二がいいならまた遊ぶ?」
「俺から誘ってんだからいいに決まってんじゃん!俺んちだと兄貴がいるから、礼んちの方に行きたいんだけどいい?」
「うちまで電車で一時間くらいかかるんじゃない?どっか中間とかでもいいよ?」
「いや、ゆっくり話したいし、礼んち行ったらダメ?」
「ダメじゃないけど…」
「じゃあ一応そういうことで。楽しみにしとく♪」
私たちは県こそ違うけれど、同じ地方の大学に進学していた。
というのも、まだ付き合っている時に選んでいた大学だったから。
別れたからと言ってわざわざ変更する気もなかったし、元々私もその土地に行ってみたいという思いもあった。
別れてからは、まさかその土地で駿二と会うことになるとは思いもせず。
当時志望校を変更しなかった私にグッジョブ!
私は大きな深呼吸をしてからメールした。
『準備出来たよ。』
『了解!俺も今出ようと思ってたとこ。今から行くな。』
『じゃあ出て待ってるね。気をつけて。』
駿二の家から私の家までは車で大体10分程度。
玄関の鏡でもう一度全身をチェックして、そろそろ来るかなという頃に家を出た。
が、まだ来てないだろうと油断していたら、もうすでに近くの駐車場まで来て待ってくれていた。
「ごめん!来るの早かったね!」
「そうか?とりあえず乗って。峠の方にでも行ってみよ。あそこなら車も信号もほとんどないから練習になると思う。」
久しぶりに会う駿二は、付き合っていた頃と全然変わっていなかった。
こういう時はこういう言い方するよなとか、最初に惹かれた笑顔もそのまんま。
私はなんだか安心した。
もちろん久しぶりに会う緊張感もあった。
でも会ってしまったら、それを上回るほどのお互いがお互いにわかってしまう安心感と懐かしさ。
また好きになるには十分過ぎた。
運転の方はというと…
ペーパードライバーの私はもうびっくりするほど下手くそで、何度「代わって~!」と叫んだことか。
「それじゃ練習にならんだろ」と一蹴されつつ、なんとか無事に練習は終わった。
「少し話してから帰るか」と駿二から言ってくれ、私の家の近くの公園の駐車場に車を停めた。
「疲れたぁ~!」
「そんな疲れるほどしてないだろ(笑)」
「慣れないことしたからね!やっぱ私は助手席がいいや♪」
「もう礼はそれでいいと思う(笑)…そろそろ夏休みも終わるな。」
「そうだねぇ。あっという間だ。」
「礼さえ良かったら、向こう戻ってもまた遊ばん?」
「え?」
「今日楽しかったし、俺はまた遊びたいなと思うんだけど。」
「私も楽しかったよ。駿二がいいならまた遊ぶ?」
「俺から誘ってんだからいいに決まってんじゃん!俺んちだと兄貴がいるから、礼んちの方に行きたいんだけどいい?」
「うちまで電車で一時間くらいかかるんじゃない?どっか中間とかでもいいよ?」
「いや、ゆっくり話したいし、礼んち行ったらダメ?」
「ダメじゃないけど…」
「じゃあ一応そういうことで。楽しみにしとく♪」
私たちは県こそ違うけれど、同じ地方の大学に進学していた。
というのも、まだ付き合っている時に選んでいた大学だったから。
別れたからと言ってわざわざ変更する気もなかったし、元々私もその土地に行ってみたいという思いもあった。
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