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52.あっちゃんから聞く話
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次の日はあっちゃんたちと遊ぶ約束をしていた。
(あっちゃん含め地元の友達数人は、私と同じ地方に進学中だった。)
少し腰が重かったけれど、元々楽しみにしていたし気分を換えて楽しもうと出掛けた。
あっちゃんの家に七~八人は集まっただろうか。
それだけ集まると、もちろん全員で話すこともあるけど、数人でそれぞれに話すこともあった。
色々話していると、あっちゃんが私のそばに来た。
「ねぇ礼ちゃん!昨日駿くんと会ってたんでしょ?どうだった?」
「あ、うん。駿二に聞いた?」
「ちょっと前にお兄たちと会ったときに駿くんもいたから、どうなってんのかなって根掘り葉掘り聞いちゃった!」
(あっちゃん兄と駿二兄は友達です)
「昨日のことは聞いてない?」
「メールで聞こうとしたら『礼に聞け』って教えてくれなくて…」
「そっか。うーん、どこから話したらいいかな…最初から聞く?それとも結末だけ聞く?」
「最初から!」
私は隠すことなく一部始終をあっちゃんに話した。
「そうかぁ。キスしたのかぁ。礼ちゃんはされてどう思った?」
「ん~…違和感はなかったよ。受け入れちゃってたし。でもその後の話がね…」
「礼ちゃん。ここだけのとっておきの話、教えてあげる♪実はね、私もお兄に聞いたんだけど、駿くんお兄たちとカラオケに行った時に礼ちゃんのこと歌ってたみたいだよ!」
「え?…どういうこと?」
「ミスチルの『君が好き』って曲あるじゃん?歌詞の“君”のところを“礼”にして歌ってたんだって!お兄が動画撮ってて私も見せてもらったんだけど、マジだった!」
※アーティスト名、曲名はフェイク入れてます。そんな感じの歌詞だと思ってください。
「うそ…」
「礼ちゃんと別れてから、お酒飲むとやっぱ礼ちゃんが良かったってよく言ってたみたいだよ。駿くんお兄たちには弱いから何でも話しちゃうというか、喋らされるみたい(笑)」
「じゃあなんであんなこと言ったんだろ。駿二の考えてる事がわかんない。」
「その“気になる人がいる”っていうのも本当かもしれないけど、礼ちゃんのことが好きっていうのも本当なんだろうね。駿くん不器用だなぁ。気になる程度なら礼ちゃんに言わなきゃいいのにね。」
「でもやっぱり気になる程度でもそういう人がいるなら付き合えないよ。このまま付き合ったってまた前の繰り返しになる。もう傷つきたくない。」
「そっか。私は駿くんと礼ちゃんお似合いだし大好きだからどうにかしたいけど、間には入らない方がいいかな?」
「うん、とりあえず自分でやってみる。それでダメなら駿二とはそれまでだったってことかな。いろいろ聞いてくれてありがとね。話したら少し整理もついたし、すっきりした。」
「うんうん。話ならいつでも聞くよ。一人で悩まないで。」
「ありがとう。」
腰は重かったけど、やっぱり行ってよかった。
あっちゃんに聞いてもらってよかった。
それ以来、この曲を聴くたびに駿二を思い出す。
駿二も私を思い出すのだろうか。
もしかしたら歌ったことすら忘れているのかもしれないけれど。
(あっちゃん含め地元の友達数人は、私と同じ地方に進学中だった。)
少し腰が重かったけれど、元々楽しみにしていたし気分を換えて楽しもうと出掛けた。
あっちゃんの家に七~八人は集まっただろうか。
それだけ集まると、もちろん全員で話すこともあるけど、数人でそれぞれに話すこともあった。
色々話していると、あっちゃんが私のそばに来た。
「ねぇ礼ちゃん!昨日駿くんと会ってたんでしょ?どうだった?」
「あ、うん。駿二に聞いた?」
「ちょっと前にお兄たちと会ったときに駿くんもいたから、どうなってんのかなって根掘り葉掘り聞いちゃった!」
(あっちゃん兄と駿二兄は友達です)
「昨日のことは聞いてない?」
「メールで聞こうとしたら『礼に聞け』って教えてくれなくて…」
「そっか。うーん、どこから話したらいいかな…最初から聞く?それとも結末だけ聞く?」
「最初から!」
私は隠すことなく一部始終をあっちゃんに話した。
「そうかぁ。キスしたのかぁ。礼ちゃんはされてどう思った?」
「ん~…違和感はなかったよ。受け入れちゃってたし。でもその後の話がね…」
「礼ちゃん。ここだけのとっておきの話、教えてあげる♪実はね、私もお兄に聞いたんだけど、駿くんお兄たちとカラオケに行った時に礼ちゃんのこと歌ってたみたいだよ!」
「え?…どういうこと?」
「ミスチルの『君が好き』って曲あるじゃん?歌詞の“君”のところを“礼”にして歌ってたんだって!お兄が動画撮ってて私も見せてもらったんだけど、マジだった!」
※アーティスト名、曲名はフェイク入れてます。そんな感じの歌詞だと思ってください。
「うそ…」
「礼ちゃんと別れてから、お酒飲むとやっぱ礼ちゃんが良かったってよく言ってたみたいだよ。駿くんお兄たちには弱いから何でも話しちゃうというか、喋らされるみたい(笑)」
「じゃあなんであんなこと言ったんだろ。駿二の考えてる事がわかんない。」
「その“気になる人がいる”っていうのも本当かもしれないけど、礼ちゃんのことが好きっていうのも本当なんだろうね。駿くん不器用だなぁ。気になる程度なら礼ちゃんに言わなきゃいいのにね。」
「でもやっぱり気になる程度でもそういう人がいるなら付き合えないよ。このまま付き合ったってまた前の繰り返しになる。もう傷つきたくない。」
「そっか。私は駿くんと礼ちゃんお似合いだし大好きだからどうにかしたいけど、間には入らない方がいいかな?」
「うん、とりあえず自分でやってみる。それでダメなら駿二とはそれまでだったってことかな。いろいろ聞いてくれてありがとね。話したら少し整理もついたし、すっきりした。」
「うんうん。話ならいつでも聞くよ。一人で悩まないで。」
「ありがとう。」
腰は重かったけど、やっぱり行ってよかった。
あっちゃんに聞いてもらってよかった。
それ以来、この曲を聴くたびに駿二を思い出す。
駿二も私を思い出すのだろうか。
もしかしたら歌ったことすら忘れているのかもしれないけれど。
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