満月にお願いをしてはいけない

コユメ

文字の大きさ
3 / 13

居場所

しおりを挟む
付いて行った先はボロい4階建てのマンションだった。
つかマンションであってんのかこれ?

「何かボロいな」

俺の言葉に聖が

「ハル!失礼だよ!すいません」

「ん?ああ良いよ本当の事だし、それに住んでるの私だけだしね」

こんだけボロいと

「立ち退きか?」

「違うよ、元は私の祖父の持ち物だったんだけど私が相続したんだ。私の部屋は一番上だよ」

外壁はボロボロだったけど中は綺麗にリフォームされて居た。
聖が階段を見上げて

「あの、もしかして階段なんですか?」

「そうだよ!がんばろうね!」

と男は慣れた様子で上がって行ってしまった。
俺はゲンナリしながら

「マジか…帰りたくなって来た。」

言うと聖が呆れた顔で

「その姿じゃ無理だよ」

「うるせー!分かってる!言ってみただけだ」

「なら良いけど?ほらハル置いて行くよ」

さっさと行ってしまった。
俺も聖の後に階段を上った。

「ゼェゼェ!」

「大丈夫ハル?凄く辛そうだけど?このぐらいの運動で?」

「うるせー!お前と一緒にすんな!それにこの体になってからすげー体が重いんだぞ!」

「へー?やっぱ男と女って違うんだ!ビックリだね!あんなに喧嘩する体力があるのに女の子になった途端ここまで体力無いなんて面白いね!」

聖を睨むとしまった!と顔をしたが文句を言う体力も無ねー!
男に戻ったら覚えてろよと心の中で呟いていると、いつの間にか4階に着いて居た。

「おー。ようやく来たね」

「……」

無言で返すと男が苦笑しながら

「慣れれば平気になるよ」

何で俺がと男を睨むと

「さあ私の部屋はこっち、そっちの部屋は空き部屋」

と言いポケットから鍵を取り出して鍵を開けて

「どうぞ?」

「うわ!ここ思ったより広いですねー!」

中に入ると思ったより広かった。
男が言うには元々このフロアには4つの部屋があったが狭かったから2部屋にして部屋を広くしたらしい
部屋のソファに座ると男は俺を見て

「改めてお礼を、助けてくれてありがとう。あ、そうだ自己紹介が、まだだったね私は丹下善行フォトグラファーやってるんだ。それで良かったら君達の名前教えて貰えるかな?」

聖を見ると頷き

「僕は芹沢聖です。ハル?」

聖は目で俺も自己紹介をしろと目で訴えて来た俺は渋々

「はぁ…俺は月城遥」

「成る程、よろしくね芹沢君にハル君だね!」

何で俺だけ名前なんだ!

「おい!何で俺だけ違うんだよ!」

文句を言うと丹下は

「そんな事よりさっきの事なんだけど…」

「!」

「本当に全部見てたんですね」

2人とも俺を無視して喋り始めやがった。

「ああ!本当ビックリしたよ!いきなり満月が雲から出てきたと思ったら!天使が舞い降りて来たのかと!綺麗だったなー!撮りたかった!」

俺は丹下の胸ぐらを掴み

「忘れろ!」

言うと聖が

「もー止めなよハル!そんな事しても何も解決しないだろ」

イラッと聖を睨み

「そもそも聖のせいだろうが!」

「え?そうだっけ?」

すっとぼけようとする聖に文句を言おうとすると男が

「一体何があったか聞いても良いかな?私に出来る事だったら協力するよ?」

俺は丹下を疑わしそうな顔で

「何が目的だ」

丹下は首を傾げ

「うーん、まぁ助けて貰ったお礼もあるんだけど…それに多少の下心があるんだ」

その言葉に聖の目が鋭くなった。

「丹下さん僕達未成年ですからね?」

「それは分かってるつもりだよ芹沢君」

「そうですか…それは何ですかって聞いても?確か丹下さんフォトグラファーって言ってましたよね?」

「もう分かってるんじゃないか、そうだよハル君、君には私の写真の被写体になって欲しい」

「はぁ?嫌に決まってるだろ」

「だ、そうですよ?丹下さん」

「まぁ、それはオイオイ話して行こうか!」

「おい!ちゃんと人の話を聞け!」

「それより君は、もっと大事な事があるだろ?今後それをどうするの?」

大事な事?なんだそれはと聖を見ると

「そうだよ!ハル!今後満月が来る度に女の子になるんだよ!それをどうやって隠すの!」

「ん?ああ、そんなの家に居ればいいだろう」

「百合さんにバレるけど?良いの?」

「!」

聖の言葉に詰まっていると

「だったら、ここはどうかな?まぁ別にこの部屋じゃなくてもこのフロアにもう1つ部屋があっただろ?その部屋を君達にあげるよ?悪い話じゃ無いだろう?」

どうと言われても…

「悪くは無いが…」

「それで?その見返りはハルのモデルですか?」

「ダメかな?モデル料も勿論払うよ」

俺としてはモデルなんてやりたくない!でも母さんに俺が女になったなんて絶対にばれたく無い!どうしたらと葛藤してると肩に手が置かれ

「ハル!モデル頑張ろうか!」

ふざけんな!コイツ寝返りやがった!
ベチっと聖の頭を叩いた。

俺達の居場所が出来た。






しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

父が再婚しました

Ruhuna
ファンタジー
母が亡くなって1ヶ月後に 父が再婚しました

さようなら婚約者

あんど もあ
ファンタジー
アンジュは、五年間虐げられた婚約者から婚約破棄を告げられる。翌日、カバン一つを持って五年住んだ婚約者の家を去るアンジュ。一方、婚約者は…。

王女殿下のモラトリアム

あとさん♪
恋愛
「君は彼の気持ちを弄んで、どういうつもりなんだ?!この悪女が!」 突然、怒鳴られたの。 見知らぬ男子生徒から。 それが余りにも突然で反応できなかったの。 この方、まさかと思うけど、わたくしに言ってるの? わたくし、アンネローゼ・フォン・ローリンゲン。花も恥じらう16歳。この国の王女よ。 先日、学園内で突然無礼者に絡まれたの。 お義姉様が仰るに、学園には色んな人が来るから、何が起こるか分からないんですって! 婚約者も居ない、この先どうなるのか未定の王女などつまらないと思っていたけれど、それ以来、俄然楽しみが増したわ♪ お義姉様が仰るにはピンクブロンドのライバルが現れるそうなのだけど。 え? 違うの? ライバルって縦ロールなの? 世間というものは、なかなか複雑で一筋縄ではいかない物なのですね。 わたくしの婚約者も学園で捕まえる事が出来るかしら? この話は、自分は平凡な人間だと思っている王女が、自分のしたい事や好きな人を見つける迄のお話。 ※設定はゆるんゆるん ※ざまぁは無いけど、水戸○門的なモノはある。 ※明るいラブコメが書きたくて。 ※シャティエル王国シリーズ3作目! ※過去拙作『相互理解は難しい(略)』の12年後、 『王宮勤めにも色々ありまして』の10年後の話になります。 上記未読でも話は分かるとは思いますが、お読みいただくともっと面白いかも。 ※ちょいちょい修正が入ると思います。誤字撲滅! ※小説家になろうにも投稿しました。

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

俺の伯爵家大掃除

satomi
ファンタジー
伯爵夫人が亡くなり、後妻が連れ子を連れて伯爵家に来た。俺、コーは連れ子も可愛い弟として受け入れていた。しかし、伯爵が亡くなると後妻が大きい顔をするようになった。さらに俺も虐げられるようになったし、可愛がっていた連れ子すら大きな顔をするようになった。 弟は本当に俺と血がつながっているのだろうか?など、学園で同学年にいらっしゃる殿下に相談してみると… というお話です。

異世界ファンタジー的短編まとめ

よもぎ
ファンタジー
異世界のファンタジー的短編のまとめです

どうぞ、おかまいなく

こだま。
恋愛
婚約者が他の女性と付き合っていたのを目撃してしまった。 婚約者が好きだった主人公の話。

ズルいズルいっていつも言うけれど、意味を知っていて?

ユウキ
恋愛
今夜は、一組の婚約者の発表が行われるために夜会が開催された。 贅を凝らしているが、上品な誂え、淑やかで慎ましい令嬢と、見目麗しい子息の披露目に、次代の安寧と、羨望の眼差しを向ける。 発表も無事終わり、和やかに進行する夜会の最中、甲高い大声が響いた。 「なんでー!ズルいズルイですわぁぁぁ!お姉様ばっかりずるいですわぁぁぁぁぁ!!」

処理中です...