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協力
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「おはようございます」
とノートパソコンを抱えた久米田がやって来た。
「おや?いらっしゃい久米田君、もう出来たの?」
と聞いたのに久米田は部屋に入ってくるなり周りを見渡して
「何だ居ないのか…」
とガックリと肩を落としてソファに座り持ってきたノートパソコンを開いて
「丹下さん、これなんですけど…」
すると
「腹減ったー!丹下今日の飯は?」
「こんにちわー」
中に入るとノートパソコンを見てる2人と目が合った。
「何してるんだ?」
聞くと久米田が嫌そうな顔で
「何でお前来てるんだ?帰れ!」
「はぁ?」
喧嘩越しに言われムカっとしたが聖が俺の前に出て
「ハイハイ!分かった!分かったから、ちょっと待ってねー!それで丹下さんどうしたんですかそれ?」
睨み合ってる俺と久米田を無視して話を進めようとするのを丹下が苦笑いをしながら
「あ~、うんデザイン画が出来たんだよ。見る?」
「はぁ?興味ねーよ!」
「んだと!こら!」
「何だ文句あんのか?チビ!」
「お前!年上に向かってチビだと!正座しろ!このガキ!」
すると
「ちょっと2人共仲良く!仲良くしようよ!ね?」
丹下が必死に止めようとするけど
「「うるーせ!」」
「ああ…うー…」
困っているのを聖が見かねて
「もう…ハルいい加減にしなよ?僕怒るよ?」
「……。」
「返事は?」
「…チッ!」
イライラとソファに座りテーブルの上に合ったお菓子をボリボリと食べ始めた。
「もう…久米田さんもハルに喧嘩越しに話すの止めて下さい」
「何でお前にそんな事言われないと行けないんだよ!」
聖が笑ってない目でニッコリと笑って
「はぁ?…丹下さん?」
これは不味いと思った丹下が
「…久米田君これ以上問題起こすのなら君に頼むのを止める事になるよ?」
「はぁ?何言ってるんですか?先輩!また有ること無い事言われても良いんですか!」
「んー?…実は、どうこう言われても別にどうも良いんだよね」
「……え?」
「あれは、どうしても私が撮りたいと思ったから撮った。他人がどうこう言おうが別にどうでも良いんだよ久米田君」
「でも…それだと先輩の仕事が」
「別に言いたいのなら言わせておけば良い、本来あの写真は何処にも出す気は無かったんだ」
「……だったら何で僕に話が?」
「それは…」
「それは?」
ガタンと立ち上がり
「綺麗な服を着た姿が見て見たかっただけ!」
沈黙の後呆気に取られていたが
「はぁ?お前な!俺が何の為に!」
ハッとしてソファに座ると聖がニヤニヤと
「そうだよね?丹下さんの事心配してたもんね?ハルは」
「え?そうなの?だから協力してくれたの?本当!えー?嬉しい!ありがとうね!そっかー!」
「は?ち、違うわ!」
「本当にね、このままだと丹下仕事に影響出ると困るから協力してやらねーと!とか言ってたもんね!」
「は?言ってねーよ!」
「え~?本当!そっか!ありがとうね、だったら余計に無理させるのは私の本分じゃないんだよね…」
悩み始めた丹下に久米田が
「やらせて下さい!」
「え?」
「この通りです。おい!お前!」
呼ばれて久米田を見ると久米田は俺に頭を下げて
「この通りだ。すまん!ガキとか言って悪かった。でもお前も悪いんだからな!僕が気にしてる事を」
「そうだよね…ハル?そもそもハルだって」
聖の説教が始まるのを
「分かった!分かったよ!俺も悪かった!謝る!謝ればいいんだろう!すいませんでした!」
聖の説教に被せるように言うと聖が
「もう…」
と呆れた顔でため息を付いた。
久米田は丹下に
「先輩!どうかこの仕事僕に最後迄やらせて下さい!御願いします。」
「う~ん…やるの?」
「はい!頑張らせて下さい!」
「もう喧嘩越しにならない?」
「大丈夫です!…多分!最後までやらせて下さいお願いします!」
「分かったよ、それじゃあ皆で頑張ろうね!」
「俺もか?」
「そうだよ皆でやるよハル君!」
「丹下さんの為なんだから頑張ろうねハル?」
念押され
「チッ!分かってる」
「それでは、これを見てください!」
と久米田はノートパソコンを開きデザイン画を見せて来た。
画面にはいくつものパターンが画面に映し出されていて、昨日の今日でこのデザインの量は凄い!
流石プロと驚いていると丹下が画面を見ながら
「う~ん?これはちょっと違うかな?」
と画面に指摘している久米田も
「何処がダメでしたか?」
「ここ、おかしくない?」
「あー!そうですね!ではこれはどうですか?」
と2人で話してる
俺と聖は顔を見合せて
俺達は頷き合い前線から撤退した。
俺はテーブルの上に有った本を手に取て
「見て!見て!これ今推しの最新刊!あ~読むの楽しみ!」
と言っていた本だ。
面白いのかと最初のページ開いたまでは良かった。
「……」
あっと云う間に読み進めていると
「これ!いい!」
聖の声にビックリして顔を上げると
「ハル見てよ!」
とデザイン画を見せて来る
「わからん」
と言うと
「凄い流石人気のデザイナー綺麗!」
人の話を聞いてない聖に
「わからん」
もう一度云うと
「そう言わず見てごらんよ?流石久米田君だねー!」
どれだけ綺麗な服だろうが俺が、それを着なきゃ行けないのを知ってる癖にと丹下を睨むと
「こら!丹下さんに当たらない!」
聖に窘められ俺は無言で読んでいた本を持って部屋から出ていった。
「……」
それを見た聖が呆れた顔で
「本当もう…」
と言うと丹下が心配そうに
「ハル君怒っちゃったかな?」
聖が首を振りながら
「大丈夫ですよ、あれはただ拗ねてるだけなんでお腹空いたら戻って来ますよ」
「それならいいけど…そう言えばハル君…私の本持って行かなかった?」
「あー…気のせいですよ」
「なぁ!そんな事より、どうだ?どれが良いですか?」
ソワソワと久米田に聞かれ聖は首を捻りながら
「う~ん、どれも綺麗なんですが、どれもピンと来ないんですよね?どう思います?」
「そうなんだよね…どれも似合うんだけど…なんだろうね」
首を捻ってる2人に久米田はソファに倒れ込む様に座り顔を手で覆いながら
「あー!ヤッパリ!だと思ったんですよね!僕もどうしたら良いのかサッパリ分かんなくて…」
ノートパソコンを覗き込みながら
「どれも似合うと思いますけど…」
「どれも似合ったらダメなんだよ!唯一無二じゃなきゃ!こんな所で妥協したら!僕の仕事はそんな物か?」
丹下がマジマジと久米田を見て
「…元々久米田君この仕事そこまでやる気無かったのに、どうしたの?」
久米田はガタンと立ち上がり
「…初めてあのモデルを、この目で見て思ったんです…この人に似合う服はどんなのが良いのか?って…色々考えて実際にデザインしても、僕の服があのモデルに食われてしまう!あのモデルの為の服を考えないと」
何かを堪えるように下を向く久米田に
「う~んそっか…あんまり無理はしないようにね?」
そう丹下に言われ無言で頷くたが、自分が今まで、どうやってデザインしていたのか分からないこんな事初めてだ。
いつもだったら何も考えて無くてもデザインは浮かんだ。
それなのに今はどうだ?
悩んでも悩んでも答えが出ない
仕事にも身が入らないし周りからも
「お前やる気ある?」
と言われれ時間も無く焦っていた。
そんな時心配した丹下さんから
「久米田君もし良かったらここの下の部屋使う?」
「良いんですか」
とその一言に僕は飛び付いた。
最近は仕事が終わるなり家に帰りデザインを起こして出来たら丹下の所に見せに来ていたのだが、そのせいで寝不足が続いていたから渡りに船だった。
丹下さんに案内されたのはここの下の階だった。
僕はそれから仕事が終わると直ぐにここに戻って来て作業に取り掛かった。
ここは静かで落ち着くが…難点としてはエレベーターが無い事だろう、疲れて帰ってきて更に階段で体力を削る
「疲れた…早く…」
今日も重い足を引きずりながら階段を上がっているとグニャリと視界が歪んだ。
「!」
手すりに掴み何とか耐えて居ると後ろから
「おい?何してんだ?」
振り返ると生意気なあのガキが居た。
「…何でも無い」
無視をして何とか起き上がろうとするが足が動かない視界も何だか暗く狭く見えない
「…ハァハァ」
息も苦しい
「おいお前顔色悪いぞ?」
僕の腕を掴む奴の手を払い
「…う、うるせーあっちいけ…」
ぐらぐらする…
「バタン!」
目の前で倒れた久米田の体を支えながら
「コイツの部屋ってここか?」
最近丹下が嬉しそうに
「久米田君ここで仕事する事になったから仲良くしてあげてね」
と言われたが「ふうん?」ぐらいにか気にしてなかったが久米田の部屋に入って言葉を失った。
部屋に入るなり大量のデザイン画がそこかしこに散らばっていた。
「何だこりゃ?」
よく見ると全ての紙に大きな✕が書かれている
構わず入り久米田をベッドに寝かせ丹下と聖を呼び出すと
「あーヤッパリ無理してたんだね」
と持って来た体温計で熱を計り
「8度5分か結構あるね」
「疲労ですかね」
「だろうね…ここ何も無いから色々取って来るよ」
と丹下が出ていくと聖も
「じぁ僕も手伝いますよ、ハルは?」
「…俺はここに居る」
そう言うと聖はうんと頷き
「それじゃ行ってくるよ」
と出て行った。
俺は取り敢えず冷やす物とキッチンに行くと放置された皿やコップがシンクに散乱していた。
「うわ!きったねーな!」
しょうがない洗うかと洗剤を手に片付け始めた。
大量の食器を片付けて振り返ると少し空いたドアが見えた。
近付いて中を見ると、どうやら久米田はここで作業をしているようで、おびただしい数のデザイン画が散らかっていた。
それら全てに「月湖」の文字が
「うえ、何枚書いてんだコイツ…」
落ちて居るデザイン画を拾い机に置いて静かに部屋から出た。
戻ってきた聖と丹下が
「どう?」
俺は曖昧に
「ああ、寝てる」
と言うと
「そう」
「そうだ、ご飯作ったからここに置いとくね」
とキッチン置いて丹下が
「久米田君は本当に真面目だね、そう思わないハル君?」
「…何が言いたい?俺が悪いのか?」
「別にそうじゃないよ?だけどそう思ったのは何故?」
小さい子供に言い聞かせるような言い方に
「…分かった。ちゃんとやる、ちゃんと協力する」
すると聖と丹下が嬉しそうに
「本当に?」
「ここはどうする?」
「俺がやる」
「そう?だったら僕達は戻るけど何か合ったら呼ぶんだよ?ハル」
「分かった。」
「それじゃ起きたらご飯食べさせて」
と2人が部屋から出て行った。
俺は久米田の所に戻り聖が持って来たジェルシートを久米田のおでこに貼って
「早く良くなれよ」
と作業場から持って来た椅子に座った。
とノートパソコンを抱えた久米田がやって来た。
「おや?いらっしゃい久米田君、もう出来たの?」
と聞いたのに久米田は部屋に入ってくるなり周りを見渡して
「何だ居ないのか…」
とガックリと肩を落としてソファに座り持ってきたノートパソコンを開いて
「丹下さん、これなんですけど…」
すると
「腹減ったー!丹下今日の飯は?」
「こんにちわー」
中に入るとノートパソコンを見てる2人と目が合った。
「何してるんだ?」
聞くと久米田が嫌そうな顔で
「何でお前来てるんだ?帰れ!」
「はぁ?」
喧嘩越しに言われムカっとしたが聖が俺の前に出て
「ハイハイ!分かった!分かったから、ちょっと待ってねー!それで丹下さんどうしたんですかそれ?」
睨み合ってる俺と久米田を無視して話を進めようとするのを丹下が苦笑いをしながら
「あ~、うんデザイン画が出来たんだよ。見る?」
「はぁ?興味ねーよ!」
「んだと!こら!」
「何だ文句あんのか?チビ!」
「お前!年上に向かってチビだと!正座しろ!このガキ!」
すると
「ちょっと2人共仲良く!仲良くしようよ!ね?」
丹下が必死に止めようとするけど
「「うるーせ!」」
「ああ…うー…」
困っているのを聖が見かねて
「もう…ハルいい加減にしなよ?僕怒るよ?」
「……。」
「返事は?」
「…チッ!」
イライラとソファに座りテーブルの上に合ったお菓子をボリボリと食べ始めた。
「もう…久米田さんもハルに喧嘩越しに話すの止めて下さい」
「何でお前にそんな事言われないと行けないんだよ!」
聖が笑ってない目でニッコリと笑って
「はぁ?…丹下さん?」
これは不味いと思った丹下が
「…久米田君これ以上問題起こすのなら君に頼むのを止める事になるよ?」
「はぁ?何言ってるんですか?先輩!また有ること無い事言われても良いんですか!」
「んー?…実は、どうこう言われても別にどうも良いんだよね」
「……え?」
「あれは、どうしても私が撮りたいと思ったから撮った。他人がどうこう言おうが別にどうでも良いんだよ久米田君」
「でも…それだと先輩の仕事が」
「別に言いたいのなら言わせておけば良い、本来あの写真は何処にも出す気は無かったんだ」
「……だったら何で僕に話が?」
「それは…」
「それは?」
ガタンと立ち上がり
「綺麗な服を着た姿が見て見たかっただけ!」
沈黙の後呆気に取られていたが
「はぁ?お前な!俺が何の為に!」
ハッとしてソファに座ると聖がニヤニヤと
「そうだよね?丹下さんの事心配してたもんね?ハルは」
「え?そうなの?だから協力してくれたの?本当!えー?嬉しい!ありがとうね!そっかー!」
「は?ち、違うわ!」
「本当にね、このままだと丹下仕事に影響出ると困るから協力してやらねーと!とか言ってたもんね!」
「は?言ってねーよ!」
「え~?本当!そっか!ありがとうね、だったら余計に無理させるのは私の本分じゃないんだよね…」
悩み始めた丹下に久米田が
「やらせて下さい!」
「え?」
「この通りです。おい!お前!」
呼ばれて久米田を見ると久米田は俺に頭を下げて
「この通りだ。すまん!ガキとか言って悪かった。でもお前も悪いんだからな!僕が気にしてる事を」
「そうだよね…ハル?そもそもハルだって」
聖の説教が始まるのを
「分かった!分かったよ!俺も悪かった!謝る!謝ればいいんだろう!すいませんでした!」
聖の説教に被せるように言うと聖が
「もう…」
と呆れた顔でため息を付いた。
久米田は丹下に
「先輩!どうかこの仕事僕に最後迄やらせて下さい!御願いします。」
「う~ん…やるの?」
「はい!頑張らせて下さい!」
「もう喧嘩越しにならない?」
「大丈夫です!…多分!最後までやらせて下さいお願いします!」
「分かったよ、それじゃあ皆で頑張ろうね!」
「俺もか?」
「そうだよ皆でやるよハル君!」
「丹下さんの為なんだから頑張ろうねハル?」
念押され
「チッ!分かってる」
「それでは、これを見てください!」
と久米田はノートパソコンを開きデザイン画を見せて来た。
画面にはいくつものパターンが画面に映し出されていて、昨日の今日でこのデザインの量は凄い!
流石プロと驚いていると丹下が画面を見ながら
「う~ん?これはちょっと違うかな?」
と画面に指摘している久米田も
「何処がダメでしたか?」
「ここ、おかしくない?」
「あー!そうですね!ではこれはどうですか?」
と2人で話してる
俺と聖は顔を見合せて
俺達は頷き合い前線から撤退した。
俺はテーブルの上に有った本を手に取て
「見て!見て!これ今推しの最新刊!あ~読むの楽しみ!」
と言っていた本だ。
面白いのかと最初のページ開いたまでは良かった。
「……」
あっと云う間に読み進めていると
「これ!いい!」
聖の声にビックリして顔を上げると
「ハル見てよ!」
とデザイン画を見せて来る
「わからん」
と言うと
「凄い流石人気のデザイナー綺麗!」
人の話を聞いてない聖に
「わからん」
もう一度云うと
「そう言わず見てごらんよ?流石久米田君だねー!」
どれだけ綺麗な服だろうが俺が、それを着なきゃ行けないのを知ってる癖にと丹下を睨むと
「こら!丹下さんに当たらない!」
聖に窘められ俺は無言で読んでいた本を持って部屋から出ていった。
「……」
それを見た聖が呆れた顔で
「本当もう…」
と言うと丹下が心配そうに
「ハル君怒っちゃったかな?」
聖が首を振りながら
「大丈夫ですよ、あれはただ拗ねてるだけなんでお腹空いたら戻って来ますよ」
「それならいいけど…そう言えばハル君…私の本持って行かなかった?」
「あー…気のせいですよ」
「なぁ!そんな事より、どうだ?どれが良いですか?」
ソワソワと久米田に聞かれ聖は首を捻りながら
「う~ん、どれも綺麗なんですが、どれもピンと来ないんですよね?どう思います?」
「そうなんだよね…どれも似合うんだけど…なんだろうね」
首を捻ってる2人に久米田はソファに倒れ込む様に座り顔を手で覆いながら
「あー!ヤッパリ!だと思ったんですよね!僕もどうしたら良いのかサッパリ分かんなくて…」
ノートパソコンを覗き込みながら
「どれも似合うと思いますけど…」
「どれも似合ったらダメなんだよ!唯一無二じゃなきゃ!こんな所で妥協したら!僕の仕事はそんな物か?」
丹下がマジマジと久米田を見て
「…元々久米田君この仕事そこまでやる気無かったのに、どうしたの?」
久米田はガタンと立ち上がり
「…初めてあのモデルを、この目で見て思ったんです…この人に似合う服はどんなのが良いのか?って…色々考えて実際にデザインしても、僕の服があのモデルに食われてしまう!あのモデルの為の服を考えないと」
何かを堪えるように下を向く久米田に
「う~んそっか…あんまり無理はしないようにね?」
そう丹下に言われ無言で頷くたが、自分が今まで、どうやってデザインしていたのか分からないこんな事初めてだ。
いつもだったら何も考えて無くてもデザインは浮かんだ。
それなのに今はどうだ?
悩んでも悩んでも答えが出ない
仕事にも身が入らないし周りからも
「お前やる気ある?」
と言われれ時間も無く焦っていた。
そんな時心配した丹下さんから
「久米田君もし良かったらここの下の部屋使う?」
「良いんですか」
とその一言に僕は飛び付いた。
最近は仕事が終わるなり家に帰りデザインを起こして出来たら丹下の所に見せに来ていたのだが、そのせいで寝不足が続いていたから渡りに船だった。
丹下さんに案内されたのはここの下の階だった。
僕はそれから仕事が終わると直ぐにここに戻って来て作業に取り掛かった。
ここは静かで落ち着くが…難点としてはエレベーターが無い事だろう、疲れて帰ってきて更に階段で体力を削る
「疲れた…早く…」
今日も重い足を引きずりながら階段を上がっているとグニャリと視界が歪んだ。
「!」
手すりに掴み何とか耐えて居ると後ろから
「おい?何してんだ?」
振り返ると生意気なあのガキが居た。
「…何でも無い」
無視をして何とか起き上がろうとするが足が動かない視界も何だか暗く狭く見えない
「…ハァハァ」
息も苦しい
「おいお前顔色悪いぞ?」
僕の腕を掴む奴の手を払い
「…う、うるせーあっちいけ…」
ぐらぐらする…
「バタン!」
目の前で倒れた久米田の体を支えながら
「コイツの部屋ってここか?」
最近丹下が嬉しそうに
「久米田君ここで仕事する事になったから仲良くしてあげてね」
と言われたが「ふうん?」ぐらいにか気にしてなかったが久米田の部屋に入って言葉を失った。
部屋に入るなり大量のデザイン画がそこかしこに散らばっていた。
「何だこりゃ?」
よく見ると全ての紙に大きな✕が書かれている
構わず入り久米田をベッドに寝かせ丹下と聖を呼び出すと
「あーヤッパリ無理してたんだね」
と持って来た体温計で熱を計り
「8度5分か結構あるね」
「疲労ですかね」
「だろうね…ここ何も無いから色々取って来るよ」
と丹下が出ていくと聖も
「じぁ僕も手伝いますよ、ハルは?」
「…俺はここに居る」
そう言うと聖はうんと頷き
「それじゃ行ってくるよ」
と出て行った。
俺は取り敢えず冷やす物とキッチンに行くと放置された皿やコップがシンクに散乱していた。
「うわ!きったねーな!」
しょうがない洗うかと洗剤を手に片付け始めた。
大量の食器を片付けて振り返ると少し空いたドアが見えた。
近付いて中を見ると、どうやら久米田はここで作業をしているようで、おびただしい数のデザイン画が散らかっていた。
それら全てに「月湖」の文字が
「うえ、何枚書いてんだコイツ…」
落ちて居るデザイン画を拾い机に置いて静かに部屋から出た。
戻ってきた聖と丹下が
「どう?」
俺は曖昧に
「ああ、寝てる」
と言うと
「そう」
「そうだ、ご飯作ったからここに置いとくね」
とキッチン置いて丹下が
「久米田君は本当に真面目だね、そう思わないハル君?」
「…何が言いたい?俺が悪いのか?」
「別にそうじゃないよ?だけどそう思ったのは何故?」
小さい子供に言い聞かせるような言い方に
「…分かった。ちゃんとやる、ちゃんと協力する」
すると聖と丹下が嬉しそうに
「本当に?」
「ここはどうする?」
「俺がやる」
「そう?だったら僕達は戻るけど何か合ったら呼ぶんだよ?ハル」
「分かった。」
「それじゃ起きたらご飯食べさせて」
と2人が部屋から出て行った。
俺は久米田の所に戻り聖が持って来たジェルシートを久米田のおでこに貼って
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