アオのセカイ

コユメ

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今日も雨の音で目が覚めた。
まだ辺りは暗く静まり返っている。
起きようとして昨日サクヤに言われた言葉を思い出した。

「そっか‥今日はゆっくりでいいんだっけ」

習慣とは恐ろしいものだと思いながら、また目を閉じると、窓を叩く雨の音に此処での生活も今日で最後だと思うと長かったような短ったような複雑な気持だった。
しばらく雨音を聞いていたが一向に眠気は来ず仕方無く起きる事にした。
ベットから起きどうしょうかと少し悩んでいると、ふいに窓の外を見て
そうだとベットから降りベットサイドに置かれている椅子を引きずり窓際に置いて椅子に座り目をつぶりしばらく雨の音を聴いていた。

‥‥こんなにゆっくりするの久しぶりだ。
こちらに来てから色々あったし気持を整理するには丁度良かった。
こちらの世界に来た時は絶望で一杯だったのに
この頃その気持ちは大分小さくなっていた。
それは、ここが自分の産まれた本来の世界だからなんだろうか?
それとももう戻れない諦めなんだろうか?わからないけど‥‥。
でも‥‥未だあちらの世界に戻りたい気持ちもある、でもそれは未練とかじゃなくて、きちんと最後に別れを言えなかった後悔があるから
もうどうしょうもないって分かってるけど最後に友達に会いたかった。
そして「ありがとう」と伝えたかった。
それすら言えなかった後悔が苦しくて、どうしようもなかった。
後悔を消し去るよに深く息をはくと不意に膝に重みを感じた。
慌てて目を開けると下から覗き込む様に小さい子供が居た。

「え?」

あまりのビックリで声も出させずにいると、その子供は自分と目が合うとニコニコと笑いながら

「ねえねぇ、次は何処に行くの?」

「え?」

訳が分からずにいると子供は嬉しそうに

「ソラはねー?お空が見えるとこがいいなぁ!」

まるで、この子も一緒について来るような口ぶりだけど、一座にも此処でも、こんな子供は見た事が無い。
こんな綺麗な空色の瞳と髪は見た事のが無い、それぐらい忘れられない容姿しをしていた。
ソラと名乗る子供は何も答えない自分に不思議そうに

「どうしたの?青?」

と当たり前の事のように自分の名前を呼んだ。
この子は自分を知ってる
なんで?

「貴方は‥」

誰?と聞こうと口を開いた。
すると

「トントン。」

ドアをノックする音にハッと目が覚めた。ビックリして起き上がるとそこはベットだった。

「え?あれは、夢?だったの?」

訳がわからなかった。
あんなリアルだったのに。
それに、あの子供の重みも感触も残っていた。

「青?、起きている?」

サクヤだった。
慌ててベットから降り

「ハイ、今起きました。」

「そう、良く眠れたのね、朝食の用意が出来たから食堂にいらっしゃい」

その言葉に

「直ぐに行きます。」

答えるとサクヤは

「大丈夫よ、ゆっくりでいいわよ皆もまだだから」

言うなり行ってしまった。
一人になり準備をしよう服を着替えて、髪を整えようとベットサイドに有る椅子に座ろうとして、椅子が無い事に気が付いた。
あれ?いつもここにあったのに‥おかしいな動かしてなんて‥ふいにギクリと、さっきの夢を思い出した。
まさかあれは、夢だったはずと恐る恐る窓際を見ると、そこには椅子があった。
その椅子は外を見るように置かれていた。
確か自分が夢の中で置いた位置だった。
ゾッとした。

「嘘でしょ?あれは‥夢じゃないの?」

しばらく動けずにいるとドアをまたノックされた。ビクッと答えられずにいると

「オイ、まだ寝ているのか?」

クロだった。
慌ててドアを開けて外に出るとクロはジッと自分を見つめ真剣な顔で

「どうした?何かあったのか?」

慌てて首を振り

「ううん、何でも無い、それよりご飯たべるんでしょ」

「ああ」

とクロはそれ以上は何も言わなかった。
そしてクロと一緒に食堂に向かった。
食堂ではサクヤと子供達が一足早く朝食を食べていた。

「おはようございます。」

と言うとサクヤが挨拶を返してくれた。
クロと席に座ると

「おーす。あれ座長達は?」

振り返るとククとココが眠たそうな顔で辺りを見渡して言うと。
サクヤが

「座長とスオウは用事があるから先に食べたのよ」

ふうん、と気のない言葉で席に着くと、遅れてライアスとサラサがやって来た。
そして皆と一緒にご飯を食べていると、サクヤがポンと手を叩き

「そうだわ、今日の予定を伝えるわね、朝食を食べたら、各々部屋の荷物をまとめて馬車に入れて、準備でき次第出発になるから、忘れ物だけはしないようにね?」

サクヤの言葉に皆それぞれ頷き、朝食が終わると自分も馬車に荷物を積み込んだ。
荷物と言ってもたいした物なんて無いけど‥部屋のすみに置かれたリュックを見て、ここに捨てていこうかと思ったが、そうもいかず仕方無く馬車の奥に紛れこませた。
皆は慣れたもので、あっと言う間に全て積み終わった。
そして座長が大声で

「じゃ、行くよ!」

と言うと一台目の馬車に座長達家族が乗り込み。
2台目の馬車には双子とライアスとサラサが乗り込んだ。
ふと自分とクロはどうしたら?と悩んでいると、馬車からククが

「何してんだよ?二人共早く乗れよ出発出来ないだろ! 」

慌てて馬車に乗り込むと流石に、この人数と荷物で狭い奥に行こうものなら、奥の方でサラサがこっちを睨んでいる、仕方無く出入口に座る事にした。
そしてクロは私の近くに座った。
馬車から外を見ると何人かの人達が見送りに来ていた。その中にはフユリとリューイもいた。
フユリは村長代理として座長に挨拶をしていた。

「座長この度は迷惑をお掛けして、そしてご厚意を頂き本当にありがとうございます」

「ああ、いいんだよ別に、こっちにも利益あったし、それにお客あっての私等なんだし今更だよ」

「そう言って頂けると、ありがたいです」

「そうかいそれなら良かったよ、さて、そろそろ出発するよ!」

座長が言うとスオウが馬車を出発させた。

「次にお見えになるのを、お待ちしております。」

フユリが頭を下げると村人達も手を振って見送ってくれた。
それを見ていると、いつの間にかリューイが馬車に寄り掛かる様に自分を見ていた。

「何?びっくりした。」

聞くと真剣な顔で

「何か困った事があったら俺に相談しろ。出来る事なら何でもしてやる、いいな?青」

その言葉に思わず頷くとリューイはニヤリと笑い

「後、嫁の貰い手が無かったら俺が貰ってやっても良いぞ?」

それを言うなり、いつの間にか居たフユリに頭を叩かれた。
サスイは頭をおさえながらリューイを睨み

「いてーな!」

文句を言うと

「うるさい」

と一喝し、こっちを振り返りニッコリと笑い

「こいつの馬鹿な言葉は忘れて結構ですので、でもこの馬鹿がさっき言った言葉は本当です。もし何かお困りが有るのでしたら私達は貴方を全力でお助けしますから。」

フユリの目は真剣だった。
だから

「ありがとうございます、何かあったらお願いします。」

言うとフユリはゴホンとわざとらしい咳をして、目を反らしながら

「あ、あの、まあ僕でもいいですよ?」

フユリの言葉の意味が分からず首を傾げると、リューイが吹き出した。
意味が分からない。
悩んでいるとククがしびれを切らし

「もう良いだろ、このままじゃ座長達の馬車と距離が出るからもう出すぞ!」

言うなり2台目の馬車が動き出した。
フユリとリューイに手を振り

「それじゃ、ありがとう!」


それをクロは後ろからジッと見ていたが私は気がつかなかった。

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