大好きな君へ。【優香と結夏】25歳の今

四色美美

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橋を越えて・優香

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 朝起きて、光明真言と地蔵菩薩真言を唱える。隼人君の霊を救う最後の日だから特に念入りだった。それが終わったら隼の胸に隼人君の名前が書かれている札を仕舞う予定だ。
それが済んだら又写経を始める。
誰にも迷惑を掛けたくないから、事前に女将さんから文机を借りた。


硯をを文机の上に置き、心を込めてすり上げる。
墨の色は慶弔で変わる。
慶びは黒く、哀しみは薄くするのが常識だそうだ。


隼人君のために隼と用意した半紙。
でもそれは付いていた見本より短かった。


写経用紙が何処で手に入れられるなんて解るはずもない。
だからそれで良いことにしたんだ。
心を込めることが結夏さんと隼人君の成仏に繋がると思ったからだ。




 経題。
仏説摩訶般若波羅蜜多心経(仏さまによって完成された大いなる智慧の世界の真髄を説かれたお経)と言う意味がある。

第一節。
観自在菩薩
行深般若波羅蜜多時
照見五蘊皆空
度一切苦厄
から始まり般若心経で終わる全二百七十八文字。
私は一字一字心を込めて書く。
それは勿論自分を満足させるために他ならない。
それで少しでも心の負担を取り除きたいのだ。




 手前を一行空けて、仏説摩訶般若波羅蜜多心経と記した。
観自在菩薩から始まり、菩堤薩婆訶と記した後で一行空けて般若心経で締め括った。


残りのマスに名前を書き込み終了させる。

そうやって、やっと形にしていったのだった。




 『若いに偉いわね』
女将さんはそう言ってくれた。
でも誉められたくてやっている訳ではない。


私の心を軽くするための愚かな行為なのだ。


私はただ隼に愛してもらいたいだけだった。
そのために結夏さんの思い出を隼の中に封印させなければいけなかったのだ。


結夏さんのことで苦しむ隼を見たくなかった。
なんて嘘だ。
私はただ隼に私のことだけ考えてほしかったんだ。

結夏さんから大事な隼を取り上げたかっただけなのかも知れない。
一生懸命お祈りしても何だか嘘っぽい。


下心を隠して料理した出発前夜。
私は自分からキスをしていた。

あの時気付いた。
私の本音に……


私は隼を手に入れるために秩父札所へ巡礼に行こうとしているのだと。

本当に本当にバカなヤツだったのだ。


結夏さんの大事な隼を独り占めしたくて……
本当は此処にいるだけなのかも知れない……


(私は本当に、隼人君を救いたいから隼と此処に居るのだろうか?)

私はまだ迷路の中にいた。




 「女将さん。お気遣いいただき本当にありがとうございました甘えついでに又おにぎり作っていただけますか?」


「勿論良いわよ。ってもう出来ているわ」
女将さんは笑いながら言った。




 私達女将さんのおにぎりを手に三日目の巡礼へと出発した。
何故だか解らないけど、連休前の天候が嘘のように晴れの日が続いていた。


昨日行けなかった十二番野坂寺。
二十六番札所に近いことから一緒に回ろうとしたけれど、観光案内所が開く時間までが勿体ないからってことだった。でもその前に秩父駅に行きコインロッカーに荷物を預けることにした。


ホントだな。
八時に納経所が開くのになんで自転車を貸してくれる観光案内所が九時からなんだろう?

隼の言う通り、巡礼者を軽くみているとしか考えられなかった。


秩父駅から線路側を歩くと御花畑駅近くに着く。
そのから比較的近い場所に野坂寺がある。


札所十二番は花の寺だと聞く。
蹲の中には蓮が咲いていた。


山門には閻魔様と阿修羅像。
これがそうなのかは解らないけど、苦痛に満ちた顔が三つあった。


「おん、あろりきゃ、そわか」
山門に挨拶をしてから中に入り、聖観音様のご真言を唱えた。




 野坂寺で納経などを済ませてから、又レンタサイクルを借りた。

隼は相変わらず七段ギアだ。
私が幾ら電動アシスト自転車の方が楽だからと勧めても聞く耳さえ持ち合わせていないようだった。


隼は代金のことを考えていたのだった。
電動アシスト自転車は普通の自転車の倍だったからだった。




 西部秩父駅前から北方面へ向かう。
秩父市役所の駐車場の脇を通り抜け、交差点を左に曲がると線路があった。


線路を越えて左にみえるのが初日に降りた御花畑駅だった。


その道を真っ直ぐに行くと、信号があった。
その先は昨日見た今宮神社だった。


私は又此処により、購入したペットボトルに龍神水を汲んだ。

元来た道を上がり、信号を左に折れる。

その道は本町交差点で国道299と繋がっていた。


其処を右に折れると左に側に秩父神社がある。
国道299は札所九番入口などを通り、曼珠沙華で有名な日高市の巾着田へに向かう車で特にこの時期は混雑が予想されているようだ。




 その交差点を真っ直ぐに行くと相生町と書かれた二股交差点があった。


左の道を行くと、秩父橋の信号があった。


「どうする?」


「寄ってみる?」

二人は暗黙のうちに旧秩父方面へと向かった。




 そして一気に旧秩父橋入口までペダルを漕いだ。


自転車を押しながら旧秩父橋を渡る。


その橋の下には橋桁だけ残されていた。


秩父橋と旧秩父橋。
二つを見比べながらその下を見る。

その川原は断崖絶壁へと繋がっていた。




 秩父橋から続く坂道を必死にペダルを漕ぐ隼。

でも私は楽々だった。


(ざまあみなさい隼。流石電動アシスト自転車でしょう。私の言うこと聞かなかったからよ)

私は隼に勝ったような気になっていた。


(ごめんね隼)

ても本当は解っていた。
隼一人だけなら野宿だって出来るのに、私が居るから宿屋を取ってくれたってことも。
それなのに私は、何て罪作りなのだろうか?


坂を上がりきった所で隼を待つ。
途中にあった可愛い花を思いながら……




 次の交差点を左に折れる。


案内板通りに行くと札所札所二十番岩之上堂が現れた。


「おん、あろりきゃ、そわか」
又聖観音のご真言だった。

観音堂は秩父札所の中では最古で、驚いたことに個人の所有物なのだそうだ。


江戸時代には橋はなく、川を越えてから崖を這い上がったようだ。


旧秩父橋から川を見た時、その崖の高さに目を見はった。

彼処を必死に登るお遍路達。

その御苦労を思いはかっていた。




 二十一番観音寺は通りに建っていた。


「おん、あろりきゃ、そわか」

所作の後で聖観音様のご真言を唱えた。


一般住宅と見間違えるような簡素な造りのお堂だった。


私達は一旦通り過ぎてしまっていた。
気付いたのは二十二番の案内板によってだった。


急いで元来た道を逆戻りした。


ほどなく現れた二十一番の駐車場。


信号も無ければ、横断歩道さえも無かった。

それはあの巡礼橋を渡った後に現れた金昌寺への交差点に似ていた。


(事故でも起きたらどうするの? 責任は誰が……)
ふと、そんなことを思った。


私が子供の頃のことだ。

信号機の設置を嘆願書に纏め警察署に提出したことだ。


『死亡事故でも起きれば一発で出来ますが……』

窓口の人がそう言ったそうだ。

勿論猛反撃した。


『それでは遅いんだ!!』


『其処に住む人の命なんか何とも思っていないのか!!』

其処にいた人全員が激怒して、反発の声を上げた。

でもその声は届かなかったそうだ。

結局信号機が設置されたのは、警察官の言った死亡事故の後だったのだ。


(此処もそうなのかな?)

私は警察が人の命を軽くみているような気がしてならなかった。


信号機などの申請は役所ではなく、警察署に提出するらしい。
死亡事故が起きたら信号機を付けてやる。

そんなこと言っていないで早く安全に巡礼者が渡れる横断歩道から作ってほしいと思った。




 私達は慌てて引き返した、二十二番の案内板のある脇道を右に入った。

其処には札所十番にあったような仏が立っていた。

その通りを暫く行くと山門らしき物が目に入った。

札所二十二番堂子堂の仁王門だった。


「わあ、可愛い!」
私は仁王門に向かって走って行った。


その門の中にはあどけない顔をした仁王様がいた。


「堂子堂か……何だかピッタリの名前だね」


「そうね。みんなこんなユーモラスな仁王様だったらお寺参りも怖くないにね」


「あれっ、怖かったの?」

隼の言葉に頷いた。


「仁王様を怖くないって思う人いると思う?」
語尾を上げて言う私に隼は笑った。




 札所二十二番堂子堂。
それぞれの可愛らしい仁王様に一礼ずつしてから中へと進んだ。


「おん、あろりきゃ、そわか」
所作の後は聖観音様のご真言。
少しずつ流暢になった気がしていた。
境内にはトゲ抜き地蔵や身代わり観音などもあった。
私は隼の苦しみがを取り除かれることをひたすら願い続けていた。




 二十三番音楽寺は、秩父公園橋から真っ直ぐに行った場所にあるはずだった。


でもその道は秩父ミューズパークに続いていた。


つづら折りの勾配のきつい坂道だった。

この時ばかりは、電動アシスト自転車を無理強いしなかった自分を責めていた。


私が楽々昇る後ろで隼の姿が遠くなる。
隼は必死に立ち漕ぎで勝負しようと思いっきり歯を食い縛っている。

解っているから尚更辛かった。




 駐車場は広くて立派だった。

輪袈裟などを外してトイレに寄ってから、坂の上にあるらしい音楽寺を目指した。


「おん、あろりきゃ、そわか」
聖観音のご真言を唱える。


回向文まで読経した後お礼を言い、梵鐘の脇に立った。


帰り際に鐘を打つことは縁起が悪いとされる。
だからただ……
それを見つめていた。


明治十七年十一月一日。
風布地方や吉田の椋神社で蜂起した困民党。

その夜一気に高利貸しの家を襲撃し、音楽寺の脇にある小鹿坂峠を抜けて梵鐘を打ち鳴らしたと言う。


自由民権運動の始まりとされる秩父事件だ。


その梵鐘の近くに秩父事件無名戦士の墓があった。


《われらは秩父困民党 暴徒と呼ばれ 暴動といわれることを拒否しない》

と刻印されていた。


秩父困民党として此処に集結したのは約千人だと聞く。

そっとその墓を見ると、亡くなった方々の冥福をひたすら祈る隼の姿が其処にあった。




 十三仏の案内板があったので足を延ばしてみることにした。


丁度その時脇の家の方が車で上ってきた。


「すいません。小鹿坂峠はバイクで越えられますか?」


(隼、もしかしたらバイクで来る気なの?)

そう私には、次はバイクで来たいと言っているように聞こえたのだ。

でも残念ながら其処はバイクでは無理だと言うことだった。


秩父困民党が越えて来た小鹿坂峠は、今もなお厳しい道なのだろうと思った。




 納経所で御朱印いただいた後、幾つつかのカーブを越えて秩父公園橋へと向かう信号に出ていた。


その交差点を右に行く。


二十四番法泉寺。
左久良橋を越えて更に行った場所にあった。


駐車場の反対側にお休み処を備えた売店があった。
私達はその奥のスペースに自転車を置かせてもらうことにした。


百十七段ある急な階段を数えながら一気に昇る。
山門に一礼してから下を見て、札所十一番を思い出した。


「やれば出来るね」
思わず私は言った。
でも隼は何が何だか解らないようで、盛んに首を傾げていた。




 「おん、あろりきゃ、そわか」
聖観音のご真言だった。


観音堂は木立に囲まれており、其処を渡ってくる風が心地良かった。


納経を済ませ、同じ階段を又数えながら降りる。
すると百十六段になっていた。
階段と言う物は上段は数えないそうで、正式な数は百十六段だと言うことだそうだ。




 二十五番久昌寺は巴橋の信号を右に折れた坂の上にあった。
駐車場に自転車を止め、朱塗りの仁王門それぞれに一礼する。
その先の坂の上にこじんまりとした本堂があった。


「おん、あろりきゃ、そわか」
此処も聖観音のご真言だった。


納経場まではかなりの道程がある。
でも其処は沼の脇にあり色々の花を愛でながら歩けるので人気のある札所だそうだ。


納経所の傍には曼珠沙華が咲いていた。
更に奥に沼があり、古代蓮が咲いていた。


納経を済ませてから其処へと行ってみることにした。




 此処でタイムアップだった。
時計を見ると、四時近くになっていたのだ。


「もう返しに行かないといけないね」


「えっ、もうそんな時間?」


「確か五時までに自転車を返さなければいけないんだったわね? だったら早く行きましょうよ」
私は立ち上がった。




 今日は三連休の最後の夜だ。だから一旦帰らなければいけない。



「次は二十三日から二日間だね」
隼が言った。


「その予定ですね。ごめんなさい、私が一緒に来たばかりに……」
私が頷いたら隼が抱き締めてくれた。


「ありがとう隼。でもこんなことしていられないよ。今夜テレビを見られるかな? ほら札所の方に秩父巡礼の旅番組が今日あるって言っていでしょ?」


「そうだった。よし急ぐよ」
隼は力強くペダルを踏んだ。





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