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第二のマリア誕生
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博士は成美とその作品を愛していた。
でも成美の芸術作品は、時にはマスコミの格好の標的となる。
エスパー気取り、モンスター。人類を破滅に導く宇宙人。面白可笑しく茶化す文面に博士は震えた。
そして、躍起になってそれらを否定して回った。
博士は全力でそれらの記事を阻止しようとした。
成美をその手で守ろうとしていたのだ。
でも、それは成美を困惑させた。
博士の立場が悪くなる。
成美はそう感じていたのだった。
感覚的には解っていた。
愛すること、大好きな人を思いやること。
そう、成美も激しく博士を愛していたのだ。
でも、自分のせいで傷付く博士を見ていられなかった。
相互扶助したくて、七転八倒して苦んだ。
その道は前途多難。
未来は前途遼袁だと思われた。
だから成美は自ら身を退いたのだった。
そうとも知らず、成美と結婚するために博士は科学の勉強に没頭した。
成美を守るために、もっと力を付けたいと博士は思っていたからだった。
その結果、天才科学者ともてはやされるまでになった。
でも気付いた時には成美には既に旦那と子供がいた。
博士には成美が解らなかった。
自分を愛していながら、他の男の子供を宿した成美の真意が。
幸せそうに映る成美を見るにつけ、疑いの目を向けてしまう博士。
そして、心の中のある思いに気付く。
成美を抱きたかった。
子供を授かりたかった。
それが出来ない今だからこそ、博士はある考えを実行しようとしていたのだった。
自分の分身は、成美との子供以外考えられなかったのだ。
何度も諦めてようとした。
それでも駄目だった。
そして、何故成美じゃなくてはならないのかに辿り着く。
博士は天才芸術家との間の子供がどうしても欲しかったのだった。
二人の子供なら、きっと天下を取れるような大物になるに違いないと思ったからだった。
野心溢れる自分らしい答えだった。
博士の妄想は次第に拡大して行く。
そしてついに、子供が産まれたら渡すと約束してオカルト教団の力を仰いだのだった。
その教団のトップこそ、望月一馬だったのだった。
体外受精で超天才を作る。
この非常識な計画を、一馬は即答で快諾する。
将来の日本を託せる存在が欲しかったからだった。
勿論、優秀な人材確保は既になされていた。
でもその話には裏があった。
教団の幹部に医学博士佐伯真実がいたからだった。
『丁度体外受精卵による代理出産の実験をしたいと思っていたところだった』
真実はそう言っのからだった。
プラスアルファとして、一馬の考える有事の時に博士が協力してくれるかも知れないと思ったのたのだ。
一馬はそれに目を付けだのだった。
それはまさに渡りに船だったのだ。
その昔、試験管ベイビーと言われていた。それはその頃からの夢だったのだ。
体外受精卵は、その卵の持ち主が育てる。
それが当たり前だった。
でもアメリカでは、代理母の出産も認められていた。
日本の非常識は、世界の常識に変わりつつあったのだ。
養護施設を隠れ蓑にしたオカルト教団。
そんな噂が出始めた頃。
何か打つ手はないかと模索していた一馬。
そんな折に、博士が申し出をしたのだった。
自然科学に於ける有名学者を取り込めると判断した一馬だった。
望月一馬・佐伯真実・氷室博士。
三人は、国立大学の同期生だった。
一馬は天文学。
真実は医学。
博士は自然科学。
三人はそれぞれの道を究めながら、己の信念の下に活動していたのだった。
博士は一馬に正式に分身作りの依頼をする。
でもそれは、人妻となっても尚、成美が恋しくて堪らなかったからだった。
博士は成美のためだけに生きてきたと言っても過言ではなかった。
それほどまでに、愛していた。
形は違っていたかも知れない。
それでも心の底から、一途に愛を捧げてきた。
時にはマスコミに叩かれる成美を、庇い続けてきた。
だから成美が自分以外の男性を選ぶこんにちわとなど、端っから念頭になかったのだ。
だから余計に落ち込んだのだった。
自分との子供を作ってほしかった。
それが叶わない今、遣れるのは一馬率いるオカルト教壇以外考えられなかったのだ。
でも博士は本当の目的は話さなかった。
ただこれからの日本の医療に欠かせない技術になるからとだけ言ったのだった。
でも真実は博士の気持ちを知っていた。
だから引き受けたのだった。
でもそれが、自分自身を苦しめる結果になることを真実は知らずにいたのだった。
寒い冬の日だった。
その日ギャラリーでは、小松成美の個展が開かれていた。
相変わらずの人気だった。
でも成美は少しも傲っていなかった。
何時も冷静に世の中を見て、描きたい物を描く。それがスタイルだった。
ファンを装った女性が近付いてきた。
彼女は握手を求めた。
気さくな成美は気軽にこれに応じた。
その時。
成美は倒れだのだった。
それは通り魔だと後に報じられた。
でも真相はずっと解らなかったのだ。
勿論成美が知る術はなかったのだ。
成美が目を覚ましたのは、病院のベッドの上だった。
『此処は何処? 私は何の病気なの?』
看護師に尋ねた。
病院だと言う事は解っていた。
成美は何が行ったのか全く覚えていなかった。
『産婦人科ですよ』
看護師は言った。
『体が冷え切ったようですね。特に子宮が……』
そう言われで考えると、成美には思い当たる節があった。
彼女は体のある異変に気付いていたのだ。
だから、自分で勝手に子宮筋腫だと決め付けていたのだった。
その時成美の子宮は確実に病気だったのだ。
病気のはずだったのだ。
何度も何度も繰り返される検査。
成美はすっかり医師を信じてしまっていた。
自分は子宮筋腫ではなく、癌だったと思い込んでいったのだった。
実はこの時の検査には、体外受精の準備段階の薬が使用されていたのだった。
それは排卵を抑えるための薬だった。
排卵をされてしまったら元も子もない。
先ずはそれから、其処から始まったのだった。神をも冒涜するような実験が……。
子宮癌を完治させようと決意した成美に迷いはなかった。
医師の指示通り、まさにその身を任せてしまったのだった。
体外受精を行えるえる卵を得るには約一カ月半程度かかる計算だった。
そのために家族にも成美の子宮に癌が見つかったと説明することとした。
抗癌剤だと称して性腺刺激ホルモン放出ホルモンアナログを服用させ、性腺刺激ホルモンを放出する脳内にある下垂体の作用を麻痺させた。
ダウンレギュレーションを起こさせ排卵を防ぎ、卵包を成長させるためだった。
続いて月経ゴナドトロピンの注射を9日連続で行い、最後にヒト絨毛ゴナドトロピンを注射し排卵を誘発した。
氷室博士教授は、代理母となる女性の本当の正体を明かさなかった。
親族には、内縁の妻だと言っていた。
でも有事対策頭脳集団にはひた隠しにしたのだった。
受精卵が定着したら普通の産婦人科に通わせるためと、自分の正体がバレることを恐れたからだった。
博士は本当に超天才を産み出したかったのだ。
だから、アメリカからの留学生・マリア・ローズ。
その人だと言うことにしたのだった。
シャーレの中で、小松成美の卵と氷室博士教授の精子が掛け合わされる。
博士はきっと狂喜乱舞したに違いない。
本来なら、それだけが目的だったはず。
でも子宮癌と言った手前、手術は強行された。
卵巣および子宮摘出手術は、癌巣滅亡のためだと信じて疑わない家族によって大成功を収めたのだった。
それが普通の癌治療ではないことを、成美は気付いていた。
それでも成美は口を閉じる。
何かの勘違いかも知れないと思っていたからだった。
その頃はまだ日本における体外受精卵による代理出産は水面下の話で、まだ一般には余り知られていなかったのだ。
それでも体外受精卵を取るだけでは物足りなくなった博士。
他人の子供をもう二度と宿してほしくないと思い、子宮を含む女性の機能全てを摘出させてしまったのだ。
正に邪悪の愛。
そのものだった。
子宮癌だと告げていたのが功をせいして、家族は感謝さえした。
こうしてこの犯罪行為は、誰にも気付かれないままに進行した。
代理母として選ばれたのは、教授の教え子・若林結子(わかばやしゆうこ)。
つまり俺の母だった。
母は、教授を愛していた。
だから代理母を快く引き受けたのだった。
マリア・ローズは本当に居た。
でもそれは名義を借りただけだったのだ。
代理母になるための条件。
①教授の命令を第一に考え実行出来ること。
②ヴァージンであること。
汚れを知らない乙女。
正真正銘の処女だったからこそ、代理母に選ばれたのだった。
それはこの国の将来を託すべき人物の母を、第二のマリアとするためだった。
でも予想外の事態が起こった。
代理母に定着した受精卵は分裂を繰り返し、双子となったのだった。
俺と眞樹は、本物の双子だった。
だから誕生日が一緒だったのだ。
有事対策頭脳集団の望月一馬はその事実を知らず、眞樹だけを受け取った。
眞樹にはありとあらゆる英才教育が与えられ、オカルト教団を背負って立つ超天才が誕生したのだった。
でもこれにも裏があった。
俺と眞樹の脳を調べ、出来の悪いとされた眞樹を渡していたのだ。
父のもう一つの実験。
能力にたけた子供に何も教育を与えなくても天才になれるのか?
反対に、普通の子供を秀才に育てられるのか?
俺と眞樹は正に父の身勝手な実験材料だったのだ。
この事実を眞樹が知ったのは、双子だと悟った時だったと言う。
だから尚更猛勉強をして、全国のトップの座を射止めたのだった。
博士がこのような画策さえしなけれは、俺達は双子のままでいられたのか?
それとも既にこの世の住民では無くなっていたのか?
俺の運命は造られもてあそばれただけなのか?
答えはきっと一生解らない。
でも今確実に生きている。
俺は生きていて良かったと思っている。
何故なら例え代理母でも母に出逢えたからだ。
若林結子と言う俺の母に出逢えたからだ。
俺の愛する、たった一人の母に。
でも成美の芸術作品は、時にはマスコミの格好の標的となる。
エスパー気取り、モンスター。人類を破滅に導く宇宙人。面白可笑しく茶化す文面に博士は震えた。
そして、躍起になってそれらを否定して回った。
博士は全力でそれらの記事を阻止しようとした。
成美をその手で守ろうとしていたのだ。
でも、それは成美を困惑させた。
博士の立場が悪くなる。
成美はそう感じていたのだった。
感覚的には解っていた。
愛すること、大好きな人を思いやること。
そう、成美も激しく博士を愛していたのだ。
でも、自分のせいで傷付く博士を見ていられなかった。
相互扶助したくて、七転八倒して苦んだ。
その道は前途多難。
未来は前途遼袁だと思われた。
だから成美は自ら身を退いたのだった。
そうとも知らず、成美と結婚するために博士は科学の勉強に没頭した。
成美を守るために、もっと力を付けたいと博士は思っていたからだった。
その結果、天才科学者ともてはやされるまでになった。
でも気付いた時には成美には既に旦那と子供がいた。
博士には成美が解らなかった。
自分を愛していながら、他の男の子供を宿した成美の真意が。
幸せそうに映る成美を見るにつけ、疑いの目を向けてしまう博士。
そして、心の中のある思いに気付く。
成美を抱きたかった。
子供を授かりたかった。
それが出来ない今だからこそ、博士はある考えを実行しようとしていたのだった。
自分の分身は、成美との子供以外考えられなかったのだ。
何度も諦めてようとした。
それでも駄目だった。
そして、何故成美じゃなくてはならないのかに辿り着く。
博士は天才芸術家との間の子供がどうしても欲しかったのだった。
二人の子供なら、きっと天下を取れるような大物になるに違いないと思ったからだった。
野心溢れる自分らしい答えだった。
博士の妄想は次第に拡大して行く。
そしてついに、子供が産まれたら渡すと約束してオカルト教団の力を仰いだのだった。
その教団のトップこそ、望月一馬だったのだった。
体外受精で超天才を作る。
この非常識な計画を、一馬は即答で快諾する。
将来の日本を託せる存在が欲しかったからだった。
勿論、優秀な人材確保は既になされていた。
でもその話には裏があった。
教団の幹部に医学博士佐伯真実がいたからだった。
『丁度体外受精卵による代理出産の実験をしたいと思っていたところだった』
真実はそう言っのからだった。
プラスアルファとして、一馬の考える有事の時に博士が協力してくれるかも知れないと思ったのたのだ。
一馬はそれに目を付けだのだった。
それはまさに渡りに船だったのだ。
その昔、試験管ベイビーと言われていた。それはその頃からの夢だったのだ。
体外受精卵は、その卵の持ち主が育てる。
それが当たり前だった。
でもアメリカでは、代理母の出産も認められていた。
日本の非常識は、世界の常識に変わりつつあったのだ。
養護施設を隠れ蓑にしたオカルト教団。
そんな噂が出始めた頃。
何か打つ手はないかと模索していた一馬。
そんな折に、博士が申し出をしたのだった。
自然科学に於ける有名学者を取り込めると判断した一馬だった。
望月一馬・佐伯真実・氷室博士。
三人は、国立大学の同期生だった。
一馬は天文学。
真実は医学。
博士は自然科学。
三人はそれぞれの道を究めながら、己の信念の下に活動していたのだった。
博士は一馬に正式に分身作りの依頼をする。
でもそれは、人妻となっても尚、成美が恋しくて堪らなかったからだった。
博士は成美のためだけに生きてきたと言っても過言ではなかった。
それほどまでに、愛していた。
形は違っていたかも知れない。
それでも心の底から、一途に愛を捧げてきた。
時にはマスコミに叩かれる成美を、庇い続けてきた。
だから成美が自分以外の男性を選ぶこんにちわとなど、端っから念頭になかったのだ。
だから余計に落ち込んだのだった。
自分との子供を作ってほしかった。
それが叶わない今、遣れるのは一馬率いるオカルト教壇以外考えられなかったのだ。
でも博士は本当の目的は話さなかった。
ただこれからの日本の医療に欠かせない技術になるからとだけ言ったのだった。
でも真実は博士の気持ちを知っていた。
だから引き受けたのだった。
でもそれが、自分自身を苦しめる結果になることを真実は知らずにいたのだった。
寒い冬の日だった。
その日ギャラリーでは、小松成美の個展が開かれていた。
相変わらずの人気だった。
でも成美は少しも傲っていなかった。
何時も冷静に世の中を見て、描きたい物を描く。それがスタイルだった。
ファンを装った女性が近付いてきた。
彼女は握手を求めた。
気さくな成美は気軽にこれに応じた。
その時。
成美は倒れだのだった。
それは通り魔だと後に報じられた。
でも真相はずっと解らなかったのだ。
勿論成美が知る術はなかったのだ。
成美が目を覚ましたのは、病院のベッドの上だった。
『此処は何処? 私は何の病気なの?』
看護師に尋ねた。
病院だと言う事は解っていた。
成美は何が行ったのか全く覚えていなかった。
『産婦人科ですよ』
看護師は言った。
『体が冷え切ったようですね。特に子宮が……』
そう言われで考えると、成美には思い当たる節があった。
彼女は体のある異変に気付いていたのだ。
だから、自分で勝手に子宮筋腫だと決め付けていたのだった。
その時成美の子宮は確実に病気だったのだ。
病気のはずだったのだ。
何度も何度も繰り返される検査。
成美はすっかり医師を信じてしまっていた。
自分は子宮筋腫ではなく、癌だったと思い込んでいったのだった。
実はこの時の検査には、体外受精の準備段階の薬が使用されていたのだった。
それは排卵を抑えるための薬だった。
排卵をされてしまったら元も子もない。
先ずはそれから、其処から始まったのだった。神をも冒涜するような実験が……。
子宮癌を完治させようと決意した成美に迷いはなかった。
医師の指示通り、まさにその身を任せてしまったのだった。
体外受精を行えるえる卵を得るには約一カ月半程度かかる計算だった。
そのために家族にも成美の子宮に癌が見つかったと説明することとした。
抗癌剤だと称して性腺刺激ホルモン放出ホルモンアナログを服用させ、性腺刺激ホルモンを放出する脳内にある下垂体の作用を麻痺させた。
ダウンレギュレーションを起こさせ排卵を防ぎ、卵包を成長させるためだった。
続いて月経ゴナドトロピンの注射を9日連続で行い、最後にヒト絨毛ゴナドトロピンを注射し排卵を誘発した。
氷室博士教授は、代理母となる女性の本当の正体を明かさなかった。
親族には、内縁の妻だと言っていた。
でも有事対策頭脳集団にはひた隠しにしたのだった。
受精卵が定着したら普通の産婦人科に通わせるためと、自分の正体がバレることを恐れたからだった。
博士は本当に超天才を産み出したかったのだ。
だから、アメリカからの留学生・マリア・ローズ。
その人だと言うことにしたのだった。
シャーレの中で、小松成美の卵と氷室博士教授の精子が掛け合わされる。
博士はきっと狂喜乱舞したに違いない。
本来なら、それだけが目的だったはず。
でも子宮癌と言った手前、手術は強行された。
卵巣および子宮摘出手術は、癌巣滅亡のためだと信じて疑わない家族によって大成功を収めたのだった。
それが普通の癌治療ではないことを、成美は気付いていた。
それでも成美は口を閉じる。
何かの勘違いかも知れないと思っていたからだった。
その頃はまだ日本における体外受精卵による代理出産は水面下の話で、まだ一般には余り知られていなかったのだ。
それでも体外受精卵を取るだけでは物足りなくなった博士。
他人の子供をもう二度と宿してほしくないと思い、子宮を含む女性の機能全てを摘出させてしまったのだ。
正に邪悪の愛。
そのものだった。
子宮癌だと告げていたのが功をせいして、家族は感謝さえした。
こうしてこの犯罪行為は、誰にも気付かれないままに進行した。
代理母として選ばれたのは、教授の教え子・若林結子(わかばやしゆうこ)。
つまり俺の母だった。
母は、教授を愛していた。
だから代理母を快く引き受けたのだった。
マリア・ローズは本当に居た。
でもそれは名義を借りただけだったのだ。
代理母になるための条件。
①教授の命令を第一に考え実行出来ること。
②ヴァージンであること。
汚れを知らない乙女。
正真正銘の処女だったからこそ、代理母に選ばれたのだった。
それはこの国の将来を託すべき人物の母を、第二のマリアとするためだった。
でも予想外の事態が起こった。
代理母に定着した受精卵は分裂を繰り返し、双子となったのだった。
俺と眞樹は、本物の双子だった。
だから誕生日が一緒だったのだ。
有事対策頭脳集団の望月一馬はその事実を知らず、眞樹だけを受け取った。
眞樹にはありとあらゆる英才教育が与えられ、オカルト教団を背負って立つ超天才が誕生したのだった。
でもこれにも裏があった。
俺と眞樹の脳を調べ、出来の悪いとされた眞樹を渡していたのだ。
父のもう一つの実験。
能力にたけた子供に何も教育を与えなくても天才になれるのか?
反対に、普通の子供を秀才に育てられるのか?
俺と眞樹は正に父の身勝手な実験材料だったのだ。
この事実を眞樹が知ったのは、双子だと悟った時だったと言う。
だから尚更猛勉強をして、全国のトップの座を射止めたのだった。
博士がこのような画策さえしなけれは、俺達は双子のままでいられたのか?
それとも既にこの世の住民では無くなっていたのか?
俺の運命は造られもてあそばれただけなのか?
答えはきっと一生解らない。
でも今確実に生きている。
俺は生きていて良かったと思っている。
何故なら例え代理母でも母に出逢えたからだ。
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俺の愛する、たった一人の母に。
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