3 / 8
ハガキ一枚のマインドチェンジ
しおりを挟む
家族と絶縁(離縁)して、もう10年が経つ。
ウシ家の話は別の機会にするとして、とにもかくにも、おれには家族がいない。
また、恋人も妻もいない。
なので、お盆や年末年始を誰かとともに過ごすことがない。
大切なひと時を、年の変わり目を、もう10年も一人で過ごしている。
今年の年末年始も、相変わらずの孤独な生活だ。
年末から年始にかけての6日間、おれは外にも出ていない。
いや、昨日(1月1日)はコンビニに出かけたか。
2022年の最初に会話した相手は、セブンイレブンの店員さんだった。
しかも、男…ハズレだ。
1月2日の今日、さすがに運動不足すぎると思い、散歩に行ってきた。
しかし、家のドアを開けて早々、ローマインドになる出来事があった。
エレベーターホールにタバコが投げ捨てられていて、おまけに火が消えてない状態だった。
タバコの煙が室内に入る苛立ちと、火事になる危険にヒヤッとした。
もう散歩に行くのすら嫌になって、そのまま家の中に戻ろうと思った。
だけど、せっかく着替えたし、外の空気を吸いたかったので、一歩踏み出すことにした。
外は寒い。
冬だから当たり前か。
ポケットには、120円の小銭を入れている。
散歩に出るご褒美として、何か飲み物を買うためだ。
自販機を5か所ほど回ってみたが、お目当てのココアやカフェラテ系は140円くらいする。
120円で買えるのは、せいぜい「ほうじ茶」くらいだ。
ここでもまた、ローマインドになった。
歩数的に1000歩も歩いてないところで、足が痛み出した。
そのため、来た道を迂回して戻ることにした。
普段通らない道にある自販機に、足を進めた。
あてにしていなかったが、なんと、ミルクティーが120円で売られていた。
すぐさま小銭を投入し、ミルクティーを買った。
アルミ缶越しに、ミルクティーの熱が伝わってくる。
ぐいっとひと口飲むと、喉元から胸元までホッと温かくなった。
途中休憩しながらも、自宅に戻ってきた。
郵便受けを見ると、数枚の封書とハガキが入っていた。
3枚あったハガキのうち、1枚はセールスレター(ダイレクトメール)だった。
でも、残りの2枚は年賀状だった。
そのうちの一枚は、10年前から年賀状でだけやりとりをしている元同僚だ。
おれがダブルマインドになって退職した職場の、元同僚。
一年に一度の、ハガキ一枚の関係性。
でも、このハガキ一枚のご縁が、とてもありがたいと感じている。
今日散歩に行く時、おれはローマインドだった。
でも、ハガキ一枚で、おれの心はハイマインドになった。
マインドチェンジは、ほんのちょっとしたことで起こるのだ。
ウシ家の話は別の機会にするとして、とにもかくにも、おれには家族がいない。
また、恋人も妻もいない。
なので、お盆や年末年始を誰かとともに過ごすことがない。
大切なひと時を、年の変わり目を、もう10年も一人で過ごしている。
今年の年末年始も、相変わらずの孤独な生活だ。
年末から年始にかけての6日間、おれは外にも出ていない。
いや、昨日(1月1日)はコンビニに出かけたか。
2022年の最初に会話した相手は、セブンイレブンの店員さんだった。
しかも、男…ハズレだ。
1月2日の今日、さすがに運動不足すぎると思い、散歩に行ってきた。
しかし、家のドアを開けて早々、ローマインドになる出来事があった。
エレベーターホールにタバコが投げ捨てられていて、おまけに火が消えてない状態だった。
タバコの煙が室内に入る苛立ちと、火事になる危険にヒヤッとした。
もう散歩に行くのすら嫌になって、そのまま家の中に戻ろうと思った。
だけど、せっかく着替えたし、外の空気を吸いたかったので、一歩踏み出すことにした。
外は寒い。
冬だから当たり前か。
ポケットには、120円の小銭を入れている。
散歩に出るご褒美として、何か飲み物を買うためだ。
自販機を5か所ほど回ってみたが、お目当てのココアやカフェラテ系は140円くらいする。
120円で買えるのは、せいぜい「ほうじ茶」くらいだ。
ここでもまた、ローマインドになった。
歩数的に1000歩も歩いてないところで、足が痛み出した。
そのため、来た道を迂回して戻ることにした。
普段通らない道にある自販機に、足を進めた。
あてにしていなかったが、なんと、ミルクティーが120円で売られていた。
すぐさま小銭を投入し、ミルクティーを買った。
アルミ缶越しに、ミルクティーの熱が伝わってくる。
ぐいっとひと口飲むと、喉元から胸元までホッと温かくなった。
途中休憩しながらも、自宅に戻ってきた。
郵便受けを見ると、数枚の封書とハガキが入っていた。
3枚あったハガキのうち、1枚はセールスレター(ダイレクトメール)だった。
でも、残りの2枚は年賀状だった。
そのうちの一枚は、10年前から年賀状でだけやりとりをしている元同僚だ。
おれがダブルマインドになって退職した職場の、元同僚。
一年に一度の、ハガキ一枚の関係性。
でも、このハガキ一枚のご縁が、とてもありがたいと感じている。
今日散歩に行く時、おれはローマインドだった。
でも、ハガキ一枚で、おれの心はハイマインドになった。
マインドチェンジは、ほんのちょっとしたことで起こるのだ。
0
あなたにおすすめの小説
後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~
菱沼あゆ
キャラ文芸
突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。
洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。
天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。
洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。
中華後宮ラブコメディ。
裏切りの代償
中岡 始
キャラ文芸
かつて夫と共に立ち上げたベンチャー企業「ネクサスラボ」。奏は結婚を機に経営の第一線を退き、専業主婦として家庭を支えてきた。しかし、平穏だった生活は夫・尚紀の裏切りによって一変する。彼の部下であり不倫相手の優美が、会社を混乱に陥れつつあったのだ。
尚紀の冷たい態度と優美の挑発に苦しむ中、奏は再び経営者としての力を取り戻す決意をする。裏切りの証拠を集め、かつての仲間や信頼できる協力者たちと連携しながら、会社を立て直すための計画を進める奏。だが、それは尚紀と優美の野望を徹底的に打ち砕く覚悟でもあった。
取締役会での対決、揺れる社内外の信頼、そして壊れた夫婦の絆の果てに待つのは――。
自分の誇りと未来を取り戻すため、すべてを賭けて挑む奏の闘い。復讐の果てに見える新たな希望と、繊細な人間ドラマが交錯する物語がここに。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
私のドレスを奪った異母妹に、もう大事なものは奪わせない
文野多咲
恋愛
優月(ゆづき)が自宅屋敷に帰ると、異母妹が優月のウェディングドレスを試着していた。その日縫い上がったばかりで、優月もまだ袖を通していなかった。
使用人たちが「まるで、異母妹のためにあつらえたドレスのよう」と褒め称えており、優月の婚約者まで「異母妹の方が似合う」と褒めている。
優月が異母妹に「どうして勝手に着たの?」と訊けば「ちょっと着てみただけよ」と言う。
婚約者は「異母妹なんだから、ちょっとくらいいじゃないか」と言う。
「ちょっとじゃないわ。私はドレスを盗られたも同じよ!」と言えば、父の後妻は「悪気があったわけじゃないのに、心が狭い」と優月の頬をぶった。
優月は父親に婚約解消を願い出た。婚約者は父親が決めた相手で、優月にはもう彼を信頼できない。
父親に事情を説明すると、「大げさだなあ」と取り合わず、「優月は異母妹に嫉妬しているだけだ、婚約者には異母妹を褒めないように言っておく」と言われる。
嫉妬じゃないのに、どうしてわかってくれないの?
優月は父親をも信頼できなくなる。
婚約者は優月を手に入れるために、優月を襲おうとした。絶体絶命の優月の前に現れたのは、叔父だった。
【完結】あなたに知られたくなかった
ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。
5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。
そんなセレナに起きた奇跡とは?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる