うつ病のウシ

ushiraku

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長続きしない病

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 おれはどうにも飽きっぽく、長続きしない。
 これは、病気どうこうではなく、生まれ持った性格なんだと思う。

 アルファポリスにも、過去に二作品小説を投稿した。
 「とあるウシのマイスペック研究日誌」と「スライムスピーカーとうつ病の私」だ。
 正直、この2本については、もう更新することがないと思う。
 なぜなら、設定の時点で詰んだからだ。

 アイデアというのは、思いついた瞬間は嬉しいし楽しい。
 しかも、それらのアイデアがまだ世に出てないとなると、なおさらだ。
 だけど、突飛すぎるアイデアというのは、実現させようとするとなかなか骨が折れる。
 というのも、話の整合性があわないからだ。

 マイスペックの方でいうと、その能力に開花したとして、その後どうするの?と言われると詰む。

 スライムスピーカーでいうと、なぜスライムなの?と聞かれると詰む。

 両者ともに、最初から設定が脱線しすぎてダメだったのだ。

 じゃあ、本作はどうなんだろう?と考えた。
 本作は「うつ病のウシの日常を書くだけ」という、それだけの話だ。
 誰の役にも立たないし、読まなくても誰も死ぬことはない。
 ただ単なる、書き手の発散の場とも言える。

 でも、小説なんて……というよりコンテンツなんて、それでいいのだと思う。
 作り手がやりたいことをして、受け手が見るかどうかを決める。面白いとおもうかそうでないかを決める。
 シンプルな話なのだ。

 しかし、おれはついつい「受け手を楽しませなければいけない。ストーリー構成をちゃんとしないといけない」と思ってしまっていた。役に立つものでないといけないと思っていた。

 だけど、それだと『焦らない。追い詰めない。マイペース』という思想から外れてしまう。
 ストレス発散のためにやり始めたことに対して、ストレスを感じてしまうという悪循環になってしまう。

 なので、本作は書き手であるおれの書きたいように書いて、ネタがなくなったり意欲がなくなったら、その時はそれで仕方ないのかなと思う。

 アニメや漫画を見ると「ああー、これくらいだったら、おれでも書けそう」とか勘違いしてしまう。
 しかし、実際に書こうとすると、自分には無理だということがハッキリとわかる。

 小説も同じ。
 「こういう設定書きてー、まだ世にないアイデアだし、サクッと書くか!」というノリでやると、失敗してしまう。
 実体験ずみだ。

 自分には、何か隠された特別な力があるんじゃないか。
 世に出てないだけで、すごい力があるんじゃないか。
 うつ病になったからこそ目覚める、すごい個性があるんじゃないかと思ってしまう。

 でも、現実にはそんなものはなくて。
 あるのは今の自分だけ。それだけなのだ。



 昨日は夜更かしをした。
 寝つきは悪くなかったし、お酒とかも飲んでなかった。

 なのに、おねしょをしてしまった。
 それも、盛大にびしょびしょのやつをだ。
 今からその下着とかズボンとかを洗わなくてはならない。

 そう。
 自分は特に何かの才能に優れた存在なのではなく、アラサーにもなっておねしょするウシでしかなかったのだ。
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