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対銃騎士隊編
44 指輪
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買い物を終えた二人は街を散策していた。ここは国の南側に位置する街で、七番隊の管轄に属する街だ。
靴は一足しか買わなかったけど、衣服はレインに勧められるまま少し多めに買ってしまった。ヴィクトリアはその場で新しく購入した服に着替えていた。身に着けた以外の品物は店の者が宿まで届けてくれるそうだ。
ヴィクトリアは街をゆっくり見て回りたくなり、商品と一緒に馬も宿屋まで戻してもらうように頼んでから、レインと一緒に様々な店が連なる通りを歩いていた。
ヴィクトリアが人間の街に降りてきたのは、夜間に行う「狩り」に同行した時のみだ。昼間に来るのはこれが初めてだ。
商店街には服屋はもちろん、雑貨屋、花屋、軽食屋など色々ある。目に映る全てが新鮮で、街を歩くだけでなかなかに楽しい。
もし自分が人間として生まれていたら、レインとこうやっていつでも、何度でも、街を一緒に歩くことができたのだろうか。
そんなことを考えてしまった。
「靴は合わないんじゃしょうがないけど、もう少しわがまま言ってもよかったのに」
「充分すぎるくらい買ってもらったわ」
お金を返せる目処が立つかもわからないのに、過剰にほいほいと購入するわけにもいかなかった。
「ヴィクトリアはしっかりした堅実なお嫁さんになりそうだね」
(お嫁さん……)
自分はそういう存在にはなれないと思っていた。ほんの少し前までは自由に誰かを好きになることも告白することも制限された状態で、自分が選んだ相手と番になるなんて夢のまた夢だと思っていた。
でも、人生何が起こるかわからないものだ。目の前に現れた番になってくれるかもしれない相手が、まさか人間だとも思わなかった。
手を伸ばせば望みが叶って幸せになれるかもしれない。自分だけの最愛の人と寄り添って一緒に生きていけるかもしれない。レインと番になれるかはまだわからないが、最初から何もかもを諦める必要はなくて、色んな可能性があるのだと思えば胸が熱くなってくる。
「やっぱりヴィクトリアは俺の奴隷になるのは嫌?」
レインがヴィクトリアの思考を読んだかのように話題を振ってくる。食事中にも一度確認された話だ。
「嫌。絶対に嫌。奴隷になるくらいならいっそ誰とも番にならない方がいい。一人でも自分らしく生きていった方がいい」
「すごく大切にすると言っても?」
「レインだって、例えば私の奴隷になれとか言われても嫌でしょう?」
レインが足を止めた。
「な、に……」
「レイン?」
ヴィクトリアは首を捻り訝しげに声をかけた。
「俺が奴隷で、君がご主人様、だと……?」
目を見開いたレインはヴィクトリアを凝視しながら、何事かを考えている。
「ちょっとそそられるかも…… 女王様に――」
ヴィクトリアはレインの発言を途中で遮るようにわーっと声を上げた。
「ごめんなさいおかしなことを聞いた私が馬鹿だったわ! お願いだからそれ以上は何も言わないで! 聞かなかったことにしておくから!」
(なに女王様って!)
「絶対に似合う。そういう服を着せたい」
ヴィクトリアはレインを睨んだ。
「変な事考えてるでしょ! 変態発言は一切禁止よ!」
(そういう服ってどういう服よ!)
レインの反応にヴィクトリアはかなり引き気味だった。
「ごめんごめん、冗談だよ」
ヴィクトリアが繋いだ手を離そうとするので、レインが慌てて繋ぎ直す。
ヴィクトリアは機嫌を悪くしてしまい、レインが何を話しかけても無言対応になってしまった。
困ったレインは周囲を見渡して、とあるお店に目を止めた。
「ちょっと入ってみようか」
レインに促されて入ったのは、貴金属や宝石が売っているお店だ。
「お詫びに何か買ってあげるよ」
ヴィクトリアは驚く。ここで売っているのは服よりも高価なものばかりだ。
「え、でも、またお金を使わせるのは悪いわ」
「いいから」
レインはヴィクトリアの手を引いて意気揚々と商品を見定め始める。
ネックレス、腕輪、指輪…… 透明なケースに入れられたキラキラした商品を、店員に断って次から次へとヴィクトリアに装着させては笑顔で眺め、その度にすごく綺麗だとか全部似合うとか恥ずかしいほどに褒めちぎってくる。
先程の服屋でも全く同じ現象が起こっていた。最初は下心ありでヴィクトリアによく思われたくて言っているのだろうかと思ったが、本人は至って心から楽しそうにしている。
(服を買う時にも思ったけど、もしかしてレインは誰かを着飾らせるのが好きなのかしら……?)
「……ヴィクトリア、お揃いで指輪を着けないか?」
しっかりとした造りの銀色の指輪をはめて眺めていると、不意にそんな言葉をかけられた。
人間社会では、揃いの指輪はお互いが恋人同士であることを示す。装着する指で意味は変わってくるが、婚姻または婚約の証でもある。
ヴィクトリアは微妙な表情になった。
「そういうのは、きちんと恋人同士になってからにしましょうか」
「ヴィクトリア、俺の気持ちはわかっているだろう? 君の気持ちだって俺はわかってる。君は焦らしの天才なのか?」
「時間がほしいと伝えたはずよ。私はあなたの気持ちだけで充分よ。本当に恋人同士になれた時には買ってもらうようにするから」
「確かに返事はすぐじゃなくてもいいとは言ったけど、それは君を安心させるためで……」
レインは、はあ、とため息を吐いた。
「ヴィクトリアは難しく考えすぎなんだよ。何とかなる。俺が何とかするから…… 俺はこれ以上ないくらい君が好きなんだよ。君以外の人は考えられない。俺は証がほしいんだ。明確な約束を取り付けないと君がいなくなってしまうようで不安が拭いきれない。俺の恋人になってくれないか? 先のことはじっくり考えよう。俺はもうずっと君だけなんだ。君と離れることなんて考えられないんだ。君の唯一の伴侶になりたい」
真っ直ぐな告白に胸が高鳴る。はっきり好きだと言ってくれた男性は父親以外ではレインが初めてだった。涙が出るくらい嬉しい。
「レイン、ありがとう。そう言ってもらえてとても嬉しい。私も、あなたが好きよ。あなたと番になりたい」
(告げた。告げてしまった。もう後戻りはできない)
レインの顔がぱっと明るくなり、見る間にとても嬉しそうな表情へと変わっていく。しかし……
「でも、ごめんなさい…… もう少しだけ時間がほしいの……」
指輪でなくても何か別の物を買ってあげたいと言われたけれど、強く固辞し、結局何も買わないまま店を後にした。
告白をまた保留にしてしまって、レインが怒っているのではないかと思ったが、ヴィクトリアからも気持ちを伝えたことが功を奏したのか、むしろ機嫌が良さそうだった。
レインは慈しむような優しい表情を浮かべていて、ヴィクトリアの手を握りこんだまま離さなかった。
レインの気持ちが痛いくらいに伝わってくる。こんなに思ってもらえることがとても嬉しい。
レインが密着するようにヴィクトリアの腰に手を回した。レインの匂いにうっとりとしてヴィクトリアも身体を寄せる。
「ヴィクトリア」
呼ばれて顔を上げる。レインがヴィクトリアの唇に軽く触れるだけの口付けをした。
その瞬間、遠くからかなり強い視線を感じた。
はっとしてレインから身体を離したヴィクトリアは周囲の気配を探ってみるが、すぐ近くの人たちが驚いたように二人を見ているだけで、遠くからの視線は既に消えていた。
「は、恥ずかしいからやめて」
レインがしてやったりというような顔で笑っている。
「俺はヴィクトリアといつでもキスしたい」
「こんな人の目があるところではやめて」
ヴィクトリアも文句を言いつつレインに笑顔を向けていた。
ただ、一瞬だけ感じて消えてしまった視線がどうにも気になった。周囲ではまだヴィクトリアとレインを見ている人がいるというのに、その視線はほんの一瞬だけですぐに消えてしまったから、違和感が強い。
ヴィクトリアは浮かれた気持ちを静め、レインと歩きながらしばらく周囲を警戒してみたが、その後は特におかしな気配は感じなかった。
(何だろう…… 気のせい、だったのかしら……?)
靴は一足しか買わなかったけど、衣服はレインに勧められるまま少し多めに買ってしまった。ヴィクトリアはその場で新しく購入した服に着替えていた。身に着けた以外の品物は店の者が宿まで届けてくれるそうだ。
ヴィクトリアは街をゆっくり見て回りたくなり、商品と一緒に馬も宿屋まで戻してもらうように頼んでから、レインと一緒に様々な店が連なる通りを歩いていた。
ヴィクトリアが人間の街に降りてきたのは、夜間に行う「狩り」に同行した時のみだ。昼間に来るのはこれが初めてだ。
商店街には服屋はもちろん、雑貨屋、花屋、軽食屋など色々ある。目に映る全てが新鮮で、街を歩くだけでなかなかに楽しい。
もし自分が人間として生まれていたら、レインとこうやっていつでも、何度でも、街を一緒に歩くことができたのだろうか。
そんなことを考えてしまった。
「靴は合わないんじゃしょうがないけど、もう少しわがまま言ってもよかったのに」
「充分すぎるくらい買ってもらったわ」
お金を返せる目処が立つかもわからないのに、過剰にほいほいと購入するわけにもいかなかった。
「ヴィクトリアはしっかりした堅実なお嫁さんになりそうだね」
(お嫁さん……)
自分はそういう存在にはなれないと思っていた。ほんの少し前までは自由に誰かを好きになることも告白することも制限された状態で、自分が選んだ相手と番になるなんて夢のまた夢だと思っていた。
でも、人生何が起こるかわからないものだ。目の前に現れた番になってくれるかもしれない相手が、まさか人間だとも思わなかった。
手を伸ばせば望みが叶って幸せになれるかもしれない。自分だけの最愛の人と寄り添って一緒に生きていけるかもしれない。レインと番になれるかはまだわからないが、最初から何もかもを諦める必要はなくて、色んな可能性があるのだと思えば胸が熱くなってくる。
「やっぱりヴィクトリアは俺の奴隷になるのは嫌?」
レインがヴィクトリアの思考を読んだかのように話題を振ってくる。食事中にも一度確認された話だ。
「嫌。絶対に嫌。奴隷になるくらいならいっそ誰とも番にならない方がいい。一人でも自分らしく生きていった方がいい」
「すごく大切にすると言っても?」
「レインだって、例えば私の奴隷になれとか言われても嫌でしょう?」
レインが足を止めた。
「な、に……」
「レイン?」
ヴィクトリアは首を捻り訝しげに声をかけた。
「俺が奴隷で、君がご主人様、だと……?」
目を見開いたレインはヴィクトリアを凝視しながら、何事かを考えている。
「ちょっとそそられるかも…… 女王様に――」
ヴィクトリアはレインの発言を途中で遮るようにわーっと声を上げた。
「ごめんなさいおかしなことを聞いた私が馬鹿だったわ! お願いだからそれ以上は何も言わないで! 聞かなかったことにしておくから!」
(なに女王様って!)
「絶対に似合う。そういう服を着せたい」
ヴィクトリアはレインを睨んだ。
「変な事考えてるでしょ! 変態発言は一切禁止よ!」
(そういう服ってどういう服よ!)
レインの反応にヴィクトリアはかなり引き気味だった。
「ごめんごめん、冗談だよ」
ヴィクトリアが繋いだ手を離そうとするので、レインが慌てて繋ぎ直す。
ヴィクトリアは機嫌を悪くしてしまい、レインが何を話しかけても無言対応になってしまった。
困ったレインは周囲を見渡して、とあるお店に目を止めた。
「ちょっと入ってみようか」
レインに促されて入ったのは、貴金属や宝石が売っているお店だ。
「お詫びに何か買ってあげるよ」
ヴィクトリアは驚く。ここで売っているのは服よりも高価なものばかりだ。
「え、でも、またお金を使わせるのは悪いわ」
「いいから」
レインはヴィクトリアの手を引いて意気揚々と商品を見定め始める。
ネックレス、腕輪、指輪…… 透明なケースに入れられたキラキラした商品を、店員に断って次から次へとヴィクトリアに装着させては笑顔で眺め、その度にすごく綺麗だとか全部似合うとか恥ずかしいほどに褒めちぎってくる。
先程の服屋でも全く同じ現象が起こっていた。最初は下心ありでヴィクトリアによく思われたくて言っているのだろうかと思ったが、本人は至って心から楽しそうにしている。
(服を買う時にも思ったけど、もしかしてレインは誰かを着飾らせるのが好きなのかしら……?)
「……ヴィクトリア、お揃いで指輪を着けないか?」
しっかりとした造りの銀色の指輪をはめて眺めていると、不意にそんな言葉をかけられた。
人間社会では、揃いの指輪はお互いが恋人同士であることを示す。装着する指で意味は変わってくるが、婚姻または婚約の証でもある。
ヴィクトリアは微妙な表情になった。
「そういうのは、きちんと恋人同士になってからにしましょうか」
「ヴィクトリア、俺の気持ちはわかっているだろう? 君の気持ちだって俺はわかってる。君は焦らしの天才なのか?」
「時間がほしいと伝えたはずよ。私はあなたの気持ちだけで充分よ。本当に恋人同士になれた時には買ってもらうようにするから」
「確かに返事はすぐじゃなくてもいいとは言ったけど、それは君を安心させるためで……」
レインは、はあ、とため息を吐いた。
「ヴィクトリアは難しく考えすぎなんだよ。何とかなる。俺が何とかするから…… 俺はこれ以上ないくらい君が好きなんだよ。君以外の人は考えられない。俺は証がほしいんだ。明確な約束を取り付けないと君がいなくなってしまうようで不安が拭いきれない。俺の恋人になってくれないか? 先のことはじっくり考えよう。俺はもうずっと君だけなんだ。君と離れることなんて考えられないんだ。君の唯一の伴侶になりたい」
真っ直ぐな告白に胸が高鳴る。はっきり好きだと言ってくれた男性は父親以外ではレインが初めてだった。涙が出るくらい嬉しい。
「レイン、ありがとう。そう言ってもらえてとても嬉しい。私も、あなたが好きよ。あなたと番になりたい」
(告げた。告げてしまった。もう後戻りはできない)
レインの顔がぱっと明るくなり、見る間にとても嬉しそうな表情へと変わっていく。しかし……
「でも、ごめんなさい…… もう少しだけ時間がほしいの……」
指輪でなくても何か別の物を買ってあげたいと言われたけれど、強く固辞し、結局何も買わないまま店を後にした。
告白をまた保留にしてしまって、レインが怒っているのではないかと思ったが、ヴィクトリアからも気持ちを伝えたことが功を奏したのか、むしろ機嫌が良さそうだった。
レインは慈しむような優しい表情を浮かべていて、ヴィクトリアの手を握りこんだまま離さなかった。
レインの気持ちが痛いくらいに伝わってくる。こんなに思ってもらえることがとても嬉しい。
レインが密着するようにヴィクトリアの腰に手を回した。レインの匂いにうっとりとしてヴィクトリアも身体を寄せる。
「ヴィクトリア」
呼ばれて顔を上げる。レインがヴィクトリアの唇に軽く触れるだけの口付けをした。
その瞬間、遠くからかなり強い視線を感じた。
はっとしてレインから身体を離したヴィクトリアは周囲の気配を探ってみるが、すぐ近くの人たちが驚いたように二人を見ているだけで、遠くからの視線は既に消えていた。
「は、恥ずかしいからやめて」
レインがしてやったりというような顔で笑っている。
「俺はヴィクトリアといつでもキスしたい」
「こんな人の目があるところではやめて」
ヴィクトリアも文句を言いつつレインに笑顔を向けていた。
ただ、一瞬だけ感じて消えてしまった視線がどうにも気になった。周囲ではまだヴィクトリアとレインを見ている人がいるというのに、その視線はほんの一瞬だけですぐに消えてしまったから、違和感が強い。
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