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学園2年目
ダンジョン再生計画5.初期計画実行
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「馬って、山も登れるんだね」
「鹿だって山の中に住んでるだろ?」
研究室の引っ越しから3日後。
俺たちダンジョン再生チームは、ロープやらネットやらツルハシやらを持って山に登ることにした。
とにかく石をどかそう、話はそれからだ…と全員の意見が一致したからだ。
重たい荷物をどうやって運ぶか考えていたところ、ウィン兄とディー兄がやってきて、馬で運んでくれるというのでご厚意に甘えることにした。
馬、ほんとすごい、えらい。
久々にサンダーアームかきかきをしてやる。
「来てくれてありがとうな~」わしゃわしゃ
【ルー、突然来なくなって心配した】
「ごめんな、色々あって」わしゃわしゃ
【ウィンとディーも落ち込んでた】
「そうか…心配かけちゃったな」わしゃわしゃ
【もー、ちゃんと毎週来なきゃだめじゃない!】
「うん、またみんなに会いに行くね」
ケンタウレア先生が不思議そうな顔をして聞いてきた。
「お前、誰と喋ってるんだ?」
「あ、馬です」
「馬ぁ?」
ウィン兄とディー兄が説明してくれる。
あれから練習して、今ではだいぶ馬と話せるようになったらしい。
「なんじゃそりゃ…雷属性、やばいな」
「やっぱ俺も欲しいな~」
「あれは…殿下の許可がいるもんで」
「あれが「ちょっとサンダーアーム」か…僕にもできるようになるかな…」
早朝から頑張って登って、お腹がすいた。
そろそろ飯にするか、と先生が言って、山の中腹あたりで一休み。
お昼はパンとベーコンを挟んだサンドイッチ。
これも久々だな…
「ちょっとファイヤー」パチパチ…こんがり。
「こいつは、1パーティーに1人必要だな」
「「あげませんよ」」
「なあ、ちょっとファイヤーとフレイムって、どう違うんだ?」
「炎の温度の差ですね、同じくらいの火の大きさに見えますけど、フレイムは炎の温度が低いんで…あんまり美味しくできないんです」
「味に拘った結果が新しい魔法とは…」
「いや新しくはないです、単なる出力の差で」
「出力?」
「えーとですね…」
魔法と魔力の関係について色々話をしながらお昼を食べて、山登りを再開。
しばらく歩くと…くだんの場所に到着した。
----------
「でかいな…」
「ロープで引けますかね?」
「そもそも、ロープかけられますかね?」
想像以上にデカい。
俺とウィン兄とディー兄が両手を広げて石の周りにくっついても手と手が届かない。
簡単に言うと巨石。
「何とか削っていくしかないな」
「そうですね…あ、火で炙ってから冷やしたら、
ちょっとやりやすくなりませんかね?」
「お、魔法か?」
「そうです、火魔法で温めてから氷結…あっ!
そうだ、カイト君!ちょっと手伝ってよ」
「お、おう…?でも、俺…風だぞ?」
いいからいいから。
「風…どこまで使える?」
「ウインド、くらい」
「いいね!じゃあ、俺にタイミング合わせて。
この石に放つ、いくよ!」
1人じゃ無理でも、2人なら…
ヘザー先輩のアイデアを、ちょっと拝借。
「行くよ!せーの!強火ファイヤー!」ゴウッ!
「ウインド!」ヒュゴウッ!!
火に、風を送れば、火の温度が上がる!
「何だこりゃ!?」
「新しい魔法!?」
火の色が黄色から白へ変わる。いける!
「限界!」「了解、離れて!」
石が熱々のうちに…
「氷結!」パキパキ…ブワっ!
大量の蒸気が一気に吹き出し、俺とカイト君が吹き飛ぶ。
ウィン兄とディー兄が俺を受け止めてくれる。
「あ、ありがと…2人とも」
「何かやる気だなと思って、近くにいて良かった」
「ちょっとはいいとこ見せないとね」
「カイト君は…、さすがだなぁ…」
俺とは対照的に、華麗に受け身をとった彼に驚いていると、視界の右と左から、同時に何かが飛び出た。
ドンッ…!
「ふえっ!?」
一瞬閉じた目を開けると、ケンタウレア先生と、ゴード先輩だった。
石に掌底を入れた…そんなポーズをしていた。
すると…
ピシ…バキィ!!ピシ…ピシ…ガラガラ…
「うわっ!?」
巨石がばらばらになって、漬物石程度の大きさに分割された。
ケンタウレア先生がおヒゲを撫でながら言う。
「おお、柔らかくなったな、確かに」
「この大きさなら、手でも運べますね」
そう言いながら、ゴード先輩がひょいと漬物石をつかんで持ち上げた。
片手で。
意外と軽いのかな?と思って持ってみると…
「う~~~ん!」
これは両手じゃないと無理だ…
結構重いんですけど!?
「今まで私は魔法に対して多少懐疑的でしたが…
これほどのものを見せられると、魔法拳はどれほどになるのか…」
「うむ、もちろん鍛え上げられた体術が先にあるべきだが、そこに魔法を組み込んで、物理攻撃が効かない敵をも倒せるようになれば…
ゴード、良く学ぶようにな」
「俺の風魔法も役に立ちました。このように魔法を役立てたのは初めてです!私も、ルースが発案した風魔法と体術の融合に真剣に取り組んでみます…
同時に鍛えるのは困難かもしれませんが」
「うむ、これも何かの縁。我が一門に新しい風が吹くな、風魔法だけに」
決して上手くはない会話をしながらひょいひょいと漬物石を拾うケンタウレア一門。
一個でもふうふう言っている俺。
「俺もあんな風になりたいなあ」
「運動神経が悪くても、筋肉はつけられるぞ?」
「ほんとですか!?ぜひ教えてくだ…」
「「だめ、絶対だめ」」
一緒に漬物石を運んでいたウィン兄とディー兄が真剣な顔で止める。
えー、何でだよぅ。
「だって、横抱きできなくなるじゃん」
「今くらいでないと、さらうのに大変じゃん」
「さらうの前提!?」
まだ3Pを受け入れる心の準備はしてませんよ!?
「鹿だって山の中に住んでるだろ?」
研究室の引っ越しから3日後。
俺たちダンジョン再生チームは、ロープやらネットやらツルハシやらを持って山に登ることにした。
とにかく石をどかそう、話はそれからだ…と全員の意見が一致したからだ。
重たい荷物をどうやって運ぶか考えていたところ、ウィン兄とディー兄がやってきて、馬で運んでくれるというのでご厚意に甘えることにした。
馬、ほんとすごい、えらい。
久々にサンダーアームかきかきをしてやる。
「来てくれてありがとうな~」わしゃわしゃ
【ルー、突然来なくなって心配した】
「ごめんな、色々あって」わしゃわしゃ
【ウィンとディーも落ち込んでた】
「そうか…心配かけちゃったな」わしゃわしゃ
【もー、ちゃんと毎週来なきゃだめじゃない!】
「うん、またみんなに会いに行くね」
ケンタウレア先生が不思議そうな顔をして聞いてきた。
「お前、誰と喋ってるんだ?」
「あ、馬です」
「馬ぁ?」
ウィン兄とディー兄が説明してくれる。
あれから練習して、今ではだいぶ馬と話せるようになったらしい。
「なんじゃそりゃ…雷属性、やばいな」
「やっぱ俺も欲しいな~」
「あれは…殿下の許可がいるもんで」
「あれが「ちょっとサンダーアーム」か…僕にもできるようになるかな…」
早朝から頑張って登って、お腹がすいた。
そろそろ飯にするか、と先生が言って、山の中腹あたりで一休み。
お昼はパンとベーコンを挟んだサンドイッチ。
これも久々だな…
「ちょっとファイヤー」パチパチ…こんがり。
「こいつは、1パーティーに1人必要だな」
「「あげませんよ」」
「なあ、ちょっとファイヤーとフレイムって、どう違うんだ?」
「炎の温度の差ですね、同じくらいの火の大きさに見えますけど、フレイムは炎の温度が低いんで…あんまり美味しくできないんです」
「味に拘った結果が新しい魔法とは…」
「いや新しくはないです、単なる出力の差で」
「出力?」
「えーとですね…」
魔法と魔力の関係について色々話をしながらお昼を食べて、山登りを再開。
しばらく歩くと…くだんの場所に到着した。
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「でかいな…」
「ロープで引けますかね?」
「そもそも、ロープかけられますかね?」
想像以上にデカい。
俺とウィン兄とディー兄が両手を広げて石の周りにくっついても手と手が届かない。
簡単に言うと巨石。
「何とか削っていくしかないな」
「そうですね…あ、火で炙ってから冷やしたら、
ちょっとやりやすくなりませんかね?」
「お、魔法か?」
「そうです、火魔法で温めてから氷結…あっ!
そうだ、カイト君!ちょっと手伝ってよ」
「お、おう…?でも、俺…風だぞ?」
いいからいいから。
「風…どこまで使える?」
「ウインド、くらい」
「いいね!じゃあ、俺にタイミング合わせて。
この石に放つ、いくよ!」
1人じゃ無理でも、2人なら…
ヘザー先輩のアイデアを、ちょっと拝借。
「行くよ!せーの!強火ファイヤー!」ゴウッ!
「ウインド!」ヒュゴウッ!!
火に、風を送れば、火の温度が上がる!
「何だこりゃ!?」
「新しい魔法!?」
火の色が黄色から白へ変わる。いける!
「限界!」「了解、離れて!」
石が熱々のうちに…
「氷結!」パキパキ…ブワっ!
大量の蒸気が一気に吹き出し、俺とカイト君が吹き飛ぶ。
ウィン兄とディー兄が俺を受け止めてくれる。
「あ、ありがと…2人とも」
「何かやる気だなと思って、近くにいて良かった」
「ちょっとはいいとこ見せないとね」
「カイト君は…、さすがだなぁ…」
俺とは対照的に、華麗に受け身をとった彼に驚いていると、視界の右と左から、同時に何かが飛び出た。
ドンッ…!
「ふえっ!?」
一瞬閉じた目を開けると、ケンタウレア先生と、ゴード先輩だった。
石に掌底を入れた…そんなポーズをしていた。
すると…
ピシ…バキィ!!ピシ…ピシ…ガラガラ…
「うわっ!?」
巨石がばらばらになって、漬物石程度の大きさに分割された。
ケンタウレア先生がおヒゲを撫でながら言う。
「おお、柔らかくなったな、確かに」
「この大きさなら、手でも運べますね」
そう言いながら、ゴード先輩がひょいと漬物石をつかんで持ち上げた。
片手で。
意外と軽いのかな?と思って持ってみると…
「う~~~ん!」
これは両手じゃないと無理だ…
結構重いんですけど!?
「今まで私は魔法に対して多少懐疑的でしたが…
これほどのものを見せられると、魔法拳はどれほどになるのか…」
「うむ、もちろん鍛え上げられた体術が先にあるべきだが、そこに魔法を組み込んで、物理攻撃が効かない敵をも倒せるようになれば…
ゴード、良く学ぶようにな」
「俺の風魔法も役に立ちました。このように魔法を役立てたのは初めてです!私も、ルースが発案した風魔法と体術の融合に真剣に取り組んでみます…
同時に鍛えるのは困難かもしれませんが」
「うむ、これも何かの縁。我が一門に新しい風が吹くな、風魔法だけに」
決して上手くはない会話をしながらひょいひょいと漬物石を拾うケンタウレア一門。
一個でもふうふう言っている俺。
「俺もあんな風になりたいなあ」
「運動神経が悪くても、筋肉はつけられるぞ?」
「ほんとですか!?ぜひ教えてくだ…」
「「だめ、絶対だめ」」
一緒に漬物石を運んでいたウィン兄とディー兄が真剣な顔で止める。
えー、何でだよぅ。
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