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学園3年目
砦2号館建設(無許可)
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武術練習場の端っこに机と椅子を置き、「自然の動き」を会得する研究(という名の特訓)をする音をBGMに古代文献を開く。
裏では魔法バカ4人組による第二砦の建設中。
何の届けも出してないけど、校長先生も混じって建ててるんだし良いでしょ…
多分。
「これ…こことここ、共通してますね」
「うーん…これは多分"精霊"だな」
「基本精霊の力を借りますからね~」
「精霊はどこの国でも「セイレイ」なんですね」
「そうだな、世界共通語だな」
古代魔法はイメージに加えて詠唱が肝。
何でなのかは未だ分からず…そしてイラストも時々意味不明だったりする。
こんなイメージだよー、っていうのを絵にしてるんだと思うんだけどなあ。
「精霊…か、古代魔法って…外にあるものに力を貸してもらうイメージなんですね」
「あー、そうだな。
昔は人間の体内に魔力が流れていることが分からなかったから、外に理由を求めたんだろうな。
今はそれが分かっているからな、それを使って魔法を使えばいい…ということで、現代の属性魔法に切り替わっていったんだろうな」
「で、でも、体内の魔力で外の魔力に干渉して魔法を使うというのは変わらない、です…」
「そうだよね、世界の理は変わらないわけだから…。
ところで、どうやって人間の体内に魔力があることが分かったんですかね?」
「あー、それは多分…食人だ」
…は?
物騒ですが?
「歴史の授業で、大きな飢饉が世界中で起きたことは習っただろ?食糧の奪い合いで、各地で争いが起きてたこととか」
「はい」
「何せ腹が減ってるわけだから、死んだ敵の肉を食うこともあったんじゃないか?
そんで、人の肉を食べたら、魔法がまた使えるようになった…というようなことがあったんだろうな、と…まあ、推測だが」
「推測…」
「そりゃ文献にもそんなこと書いてないからな。
だが、魔法が最初に生まれたのは食人葬の習慣があった地域だし、昔は神の力を得るために生贄を使ったなんてことそこら中にあるわけだろ。
まあ…そういうところから、お前みたいなやつが気づいた可能性もあるんだけどな」
「はー、なるほど…」
俺より前にも転生者がいたかもなー。
そう信じよう…怖いから。
「しかし、呪文を覚えるのが難儀だね」
「そ、そうなんです…だから、僕、歌にしたらどうかなって思うんです…けど」
「歌か……歌ね、いいかも!」
「そ、そうです、か?」
「作曲まではともかく、言葉にはリズムとか抑揚はあるんだもん、ありだよ!うん!」
そうだよ、前世の替え歌みたいにすれば!
超ナイスなアイデア!
「歌か…なら賛美歌なんかは参考になるかもな」
「賛美歌…ですか、確かにあれは神っていう外部のものに語りかけるもんですし、ぴったりですね」
「ってことは神殿か…講堂に行ってみるか?」
「そっか、講堂って普段は神殿なんでしたっけ」
「そうだな」
宗教か…
下手に手を出せるとこじゃないよな。
最近忘れがちだけど、神殿にも攻略対象はいたような気がするし、あんまり近づくのはなあ。
距離感大事にしていこ。
俺、信心深くないしな。
ふむふむ…と何となく頷いていると、エルグラン王子がこちらへ駆けてきて言った。
「ルース先生、サウナつけるんですよね?」
「もちろん!最初のとこと同じ造りでお願いします」
「りょうかいでーす!」
「サウナ、気持ちいいもんねぇ」
「私も、ジョンと一緒にハマッちゃいました」
「2階建てにするのかの?」
「いや、今回は平屋で…」
まさかエルグラン王子が建物の図面を引けるとは…
さすが「未来の賢王」だなあ。
「あ、教授!ここ、窓ですね」
「ここに窓じゃな…おーい、頼む」
「はーい、ここに窓~」
指示を出す王子。
窓の外枠を持って走るヘザー先輩。
外枠の位置を固定すると、自分に結界を張る。
するとおじいちゃん先生が図面どおりにクレイウォールを出し、それを焼き固めるリリー君。
なるほど、ああやって窓枠持ったまま業火防いでればいいのか…結構力技だなー。
あ~、でも楽しそうだな…。
でも俺は別の事やらないと。
「じゃあ、砦2号の建設は頼みます。
俺らは講堂に行ってきます」
「おお、帰ってくる頃には完成しとるかもしれんの…また市場へ家具を買いに行くかな」
う~ん、めっちゃ早くできるな…。
でも耐震性とか断熱とか何にも考えてないから、この工法で本格的に建物を建てるとなったらやっぱプロ呼ばないと駄目だよね。
残念ながら建築学科は無いからなあ。
魔石工学の受講生の人で、知り合いに大工さんいないかな…。
「さて、じゃあ行くか」
「はい」
「途中でワルド先輩と合流しましょう」
そういえばこの世界に生まれてからこのかた、地震にあったこと無いな。
災害の記録を調べた時も無かったし…。
そういえば前世じゃ、昔々は地面の下のナマズが暴れるって思ってたんだっけ。
こっちでもそういうのあるのかな。
手が空いたら調べてみようっと。
いつ手が空くのか分からないけど…。
裏では魔法バカ4人組による第二砦の建設中。
何の届けも出してないけど、校長先生も混じって建ててるんだし良いでしょ…
多分。
「これ…こことここ、共通してますね」
「うーん…これは多分"精霊"だな」
「基本精霊の力を借りますからね~」
「精霊はどこの国でも「セイレイ」なんですね」
「そうだな、世界共通語だな」
古代魔法はイメージに加えて詠唱が肝。
何でなのかは未だ分からず…そしてイラストも時々意味不明だったりする。
こんなイメージだよー、っていうのを絵にしてるんだと思うんだけどなあ。
「精霊…か、古代魔法って…外にあるものに力を貸してもらうイメージなんですね」
「あー、そうだな。
昔は人間の体内に魔力が流れていることが分からなかったから、外に理由を求めたんだろうな。
今はそれが分かっているからな、それを使って魔法を使えばいい…ということで、現代の属性魔法に切り替わっていったんだろうな」
「で、でも、体内の魔力で外の魔力に干渉して魔法を使うというのは変わらない、です…」
「そうだよね、世界の理は変わらないわけだから…。
ところで、どうやって人間の体内に魔力があることが分かったんですかね?」
「あー、それは多分…食人だ」
…は?
物騒ですが?
「歴史の授業で、大きな飢饉が世界中で起きたことは習っただろ?食糧の奪い合いで、各地で争いが起きてたこととか」
「はい」
「何せ腹が減ってるわけだから、死んだ敵の肉を食うこともあったんじゃないか?
そんで、人の肉を食べたら、魔法がまた使えるようになった…というようなことがあったんだろうな、と…まあ、推測だが」
「推測…」
「そりゃ文献にもそんなこと書いてないからな。
だが、魔法が最初に生まれたのは食人葬の習慣があった地域だし、昔は神の力を得るために生贄を使ったなんてことそこら中にあるわけだろ。
まあ…そういうところから、お前みたいなやつが気づいた可能性もあるんだけどな」
「はー、なるほど…」
俺より前にも転生者がいたかもなー。
そう信じよう…怖いから。
「しかし、呪文を覚えるのが難儀だね」
「そ、そうなんです…だから、僕、歌にしたらどうかなって思うんです…けど」
「歌か……歌ね、いいかも!」
「そ、そうです、か?」
「作曲まではともかく、言葉にはリズムとか抑揚はあるんだもん、ありだよ!うん!」
そうだよ、前世の替え歌みたいにすれば!
超ナイスなアイデア!
「歌か…なら賛美歌なんかは参考になるかもな」
「賛美歌…ですか、確かにあれは神っていう外部のものに語りかけるもんですし、ぴったりですね」
「ってことは神殿か…講堂に行ってみるか?」
「そっか、講堂って普段は神殿なんでしたっけ」
「そうだな」
宗教か…
下手に手を出せるとこじゃないよな。
最近忘れがちだけど、神殿にも攻略対象はいたような気がするし、あんまり近づくのはなあ。
距離感大事にしていこ。
俺、信心深くないしな。
ふむふむ…と何となく頷いていると、エルグラン王子がこちらへ駆けてきて言った。
「ルース先生、サウナつけるんですよね?」
「もちろん!最初のとこと同じ造りでお願いします」
「りょうかいでーす!」
「サウナ、気持ちいいもんねぇ」
「私も、ジョンと一緒にハマッちゃいました」
「2階建てにするのかの?」
「いや、今回は平屋で…」
まさかエルグラン王子が建物の図面を引けるとは…
さすが「未来の賢王」だなあ。
「あ、教授!ここ、窓ですね」
「ここに窓じゃな…おーい、頼む」
「はーい、ここに窓~」
指示を出す王子。
窓の外枠を持って走るヘザー先輩。
外枠の位置を固定すると、自分に結界を張る。
するとおじいちゃん先生が図面どおりにクレイウォールを出し、それを焼き固めるリリー君。
なるほど、ああやって窓枠持ったまま業火防いでればいいのか…結構力技だなー。
あ~、でも楽しそうだな…。
でも俺は別の事やらないと。
「じゃあ、砦2号の建設は頼みます。
俺らは講堂に行ってきます」
「おお、帰ってくる頃には完成しとるかもしれんの…また市場へ家具を買いに行くかな」
う~ん、めっちゃ早くできるな…。
でも耐震性とか断熱とか何にも考えてないから、この工法で本格的に建物を建てるとなったらやっぱプロ呼ばないと駄目だよね。
残念ながら建築学科は無いからなあ。
魔石工学の受講生の人で、知り合いに大工さんいないかな…。
「さて、じゃあ行くか」
「はい」
「途中でワルド先輩と合流しましょう」
そういえばこの世界に生まれてからこのかた、地震にあったこと無いな。
災害の記録を調べた時も無かったし…。
そういえば前世じゃ、昔々は地面の下のナマズが暴れるって思ってたんだっけ。
こっちでもそういうのあるのかな。
手が空いたら調べてみようっと。
いつ手が空くのか分からないけど…。
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