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学園4年目
【閑話休題】ダンサー、混乱する
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最初に話を貰った時は、「ああお払い箱になるんだな」と思った。
俺たちも結構いい歳になってきたし、客は若い子の裸を見たいだろう。
身体のたるみは無いし、キレも落ちちゃいないけど…仕方ない。
同じように歳をとった…と言っても、俺より多少若い連中4人と一緒に馬車に詰め込まれ、学園に運ばれる間…俺は次の人生の事を考えていた。
この歳まで誰にも貰われず、毎日舞台で踊り続けた。
恥じらいも初々しさももう無くて、それでも色気では負けないと踊ってきた。
そんな性格だから、誰に媚びる事も出来なくて、一緒に初舞台を踏んだ仲間で残ったのは俺だけ。
「兄さん、この先俺たち、どうなるんだろう…」
「さあな…知らん」
後輩たちはすがるような目を向けるが、俺も「踊ってこい」と言われただけで詳しい事は知らない。
「あのさ、俺…聞いたことあるんだけど、ここの学園、ダンジョンがあるって」
「ああ、冒険者や土木業者が最近出入りしてるって聞いたけど」
「そいつら相手に踊れって事なのかな?」
「それならいいけど…その…慰み者っていうの?そういうの…かなって…」
「それならまだいいけどさ。魔物の餌になるとかだったら…どうする?」
そんなわけ無い、と言いたかったけど、色街でやらかした奴が投げ捨てられる洞穴があるって話は聞いたことがある。
それが今から行く学園のダンジョンとやらにあるのかもしれないと思うとぞっとするが…
「…俺たちは『踊ってこい』って言われたんだ。だから踊る、それだけだ」
だから殺されることは無いはずだ、とも言いきれなくて、俺はそれ以上喋るのを止めた。
***
学園に着いた俺たちを出迎えたのは、特にこれと言った特徴の無い男子生徒だった。
お貴族様の従者だろうか?
ルースと呼んでくれ、との事だ。
彼が夏の公演が終わるまで、俺たちの面倒を見てくれるそうだ。
ただ昼飯だけは自腹になるそうだが…朝も晩も食べ放題らしいから問題ない。
「…ここに寝泊まりすればいいのか?」
「はい、ここと隣の部屋しか空きが無いもんで…ちょっと狭いんですけど、2部屋に2-3で分かれて頂いて」
聞けば、彼もこの寮に住んでいるそうだ。
ここは学園の端っこにある、一番家賃の安い寮らしい…それでも俺たちが住んでいた場所より大分ましだが。
彼は俺たちに申し訳なさそうに告げた。
「それで、踊りの事なんですけど…皆さんで振り付けを考えて下さいませんか?」
俺は言った。
「ああ、それはよくやってるから大丈夫だ。音楽を聞かせて貰えれば」
すると彼はほっとした顔をした。
「それはありがたい!じゃあ、荷物を置いて一休みしてから、早速音楽科へ行きましょう!
食堂にお菓子とお茶を用意してあるので、そこで待っていてください。また迎えに来ますので!」
「ああ、ありがとう」
バタバタと彼は部屋を出て行く。
俺たちは言われるままに部屋決めをし、食堂に降りた。
そこにはクッキーとハーブティーが用意されていて…
……先客が居た。
「おい、あれ…」
制服の胸ポケットに着いたエンブレム。
見間違えでなければ、あれは。
「ああ、お前たちがルースの呼んだ踊り子か。
すまんがあいつの思いつきに暫く付き合ってやってくれ。頼んだぞ」
…そんな、頼むとか、すまんとか、俺たちに言うような身分の人じゃない、はず…
やばい!
慌てて膝を付こうとする俺たちに向かってそのお方は言った。
「ああ、そういうのはここでは必要ない。
学園内では身分の上下を考慮しない決まりだ」
「え、はっ…はい!も、勿体ないお言葉」
俺たち全員が固まって動けなくなるのを見て、そのお方はクッキーを一枚手に取って席を立った。
「難しいとは思うが、寛いでいるといい。
それからこれは忠告だが、お前たちの中に不審な動きをする者があれば容赦はしない。
特に先ほどの…ルースに手を出すようなことがあれば、即刻処刑だ。覚えておけ」
そう言うとそのお方は食堂を出て行く。
先ほどの…ルース。
ルース…って、まさか…!
「アルファード王子様の婚約者の…!?」
そんな馬鹿な…!!
だって、あんなに腰が低い…えっ?何で!?
俺たちは何がどうなっているのか分からないまま、とりあえずクッキーとお茶を飲んだ。
正直味は分からなかった。
俺たちも結構いい歳になってきたし、客は若い子の裸を見たいだろう。
身体のたるみは無いし、キレも落ちちゃいないけど…仕方ない。
同じように歳をとった…と言っても、俺より多少若い連中4人と一緒に馬車に詰め込まれ、学園に運ばれる間…俺は次の人生の事を考えていた。
この歳まで誰にも貰われず、毎日舞台で踊り続けた。
恥じらいも初々しさももう無くて、それでも色気では負けないと踊ってきた。
そんな性格だから、誰に媚びる事も出来なくて、一緒に初舞台を踏んだ仲間で残ったのは俺だけ。
「兄さん、この先俺たち、どうなるんだろう…」
「さあな…知らん」
後輩たちはすがるような目を向けるが、俺も「踊ってこい」と言われただけで詳しい事は知らない。
「あのさ、俺…聞いたことあるんだけど、ここの学園、ダンジョンがあるって」
「ああ、冒険者や土木業者が最近出入りしてるって聞いたけど」
「そいつら相手に踊れって事なのかな?」
「それならいいけど…その…慰み者っていうの?そういうの…かなって…」
「それならまだいいけどさ。魔物の餌になるとかだったら…どうする?」
そんなわけ無い、と言いたかったけど、色街でやらかした奴が投げ捨てられる洞穴があるって話は聞いたことがある。
それが今から行く学園のダンジョンとやらにあるのかもしれないと思うとぞっとするが…
「…俺たちは『踊ってこい』って言われたんだ。だから踊る、それだけだ」
だから殺されることは無いはずだ、とも言いきれなくて、俺はそれ以上喋るのを止めた。
***
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お貴族様の従者だろうか?
ルースと呼んでくれ、との事だ。
彼が夏の公演が終わるまで、俺たちの面倒を見てくれるそうだ。
ただ昼飯だけは自腹になるそうだが…朝も晩も食べ放題らしいから問題ない。
「…ここに寝泊まりすればいいのか?」
「はい、ここと隣の部屋しか空きが無いもんで…ちょっと狭いんですけど、2部屋に2-3で分かれて頂いて」
聞けば、彼もこの寮に住んでいるそうだ。
ここは学園の端っこにある、一番家賃の安い寮らしい…それでも俺たちが住んでいた場所より大分ましだが。
彼は俺たちに申し訳なさそうに告げた。
「それで、踊りの事なんですけど…皆さんで振り付けを考えて下さいませんか?」
俺は言った。
「ああ、それはよくやってるから大丈夫だ。音楽を聞かせて貰えれば」
すると彼はほっとした顔をした。
「それはありがたい!じゃあ、荷物を置いて一休みしてから、早速音楽科へ行きましょう!
食堂にお菓子とお茶を用意してあるので、そこで待っていてください。また迎えに来ますので!」
「ああ、ありがとう」
バタバタと彼は部屋を出て行く。
俺たちは言われるままに部屋決めをし、食堂に降りた。
そこにはクッキーとハーブティーが用意されていて…
……先客が居た。
「おい、あれ…」
制服の胸ポケットに着いたエンブレム。
見間違えでなければ、あれは。
「ああ、お前たちがルースの呼んだ踊り子か。
すまんがあいつの思いつきに暫く付き合ってやってくれ。頼んだぞ」
…そんな、頼むとか、すまんとか、俺たちに言うような身分の人じゃない、はず…
やばい!
慌てて膝を付こうとする俺たちに向かってそのお方は言った。
「ああ、そういうのはここでは必要ない。
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「え、はっ…はい!も、勿体ないお言葉」
俺たち全員が固まって動けなくなるのを見て、そのお方はクッキーを一枚手に取って席を立った。
「難しいとは思うが、寛いでいるといい。
それからこれは忠告だが、お前たちの中に不審な動きをする者があれば容赦はしない。
特に先ほどの…ルースに手を出すようなことがあれば、即刻処刑だ。覚えておけ」
そう言うとそのお方は食堂を出て行く。
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