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学園5年目
久々のダンジョン 4
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ダンジョンマップ外へ足を踏み入れてみると、相当の道なき道だ。
こういう所で魔物や魔獣が出てくると戦いづらいだろうな…
何だかんだダンジョン内っていうのは人間に都合が良く作られているんだと思う。
魔生物が潜んでいそうな場所は限られているし、何より地図がある…
となると、ダンジョンを作りましょう、となった時にやる事って山ほどあるんだなあ。
学園ダンジョンに新しく出来た下層部分も、相当時間かかってるしな。
「ビスカリア教授、目的地までの道って、何か目印があるんですか?」
「ああ、あるぞ。但しそれを教えてもいい人間は、魔生物学者でも論文を20本以上書いていてフィールドワーク歴が10年以上あって…と色々条件があるんだ」
どうやら研究者の間だけで共有される秘密らしい。
国の方でも把握はしているけど、地図上には記載されないとのこと…そりゃそうか。
「事故が起きたら困りますもんね」
「基本的に危ない場所にあるからな…興味本位で行って、人間が魔力溜まりに落ちたらどうなるか」
「…どうなるんですか」
「分からん…誰も研究したことがないからな。
動物は魔生物になるから、人間も魔生物になるんじゃないかとは言われてるな」
「人間の魔生物…人間型の魔物といえばゴブリンだが」
確かにな…。
「ゴブリンの生まれた理由が、物悲しいやつだったら倒しづらくなるなぁ」
「生贄に捧げられた人間の子孫…とか?」
「そう、そういうのとか、人体実験に利用された孤児の子孫…とか」
「そうなると、生態系を破壊しようとするのも誰彼構わず孕ませようとするのも、復讐の延長ってことか?」
そんな話をマグノリア教授としていたら、トレッドさんが乗っかってきた。
「もしかしたら、過ぎた力を得ようとした魔法使いの成れの果てかもしれんぜ」
「えっ、自分から飛び込んだって事ですか?」
「だって体内に魔力があればあるほど強い魔法使いになれるっていうんなら、そうだろ?」
「いや、短絡的すぎませんか」
「今の常識では考えられん話じゃがのう…」
う~ん、どうなんだろうな。
最短で最強になれる可能性がある方法としちゃ、あまりにもリスクが高すぎんか?
「いくら強くなりたいとしても、それは…」
すると意外な人から言葉が帰ってきた。
「……そうだな、気持ちは分からなくもないな」
「セド!?」
「誰よりも強くなりたいという気持ちは歪みやすい。
まっとうに努力して強くなれる者は一握り。
上を見ればキリがない。
…心が折れることだっていくらでもある」
残りの4侯爵は心配そうにベルガモット教授の顔を見る。
ベルガモット教授が少し俯いて言う。
「ただでさえ努力は下品で粗野、そういう風潮が流れている。
学園の中でさえ授業で努力をしたがらない者も多い…人が見ているから嫌なんだそうだ。
『あなたみたいに無様にはなれない』と鼻で笑う学生もいる」
「…何だって?」
「それでも俺は、常に上を目指せと言い続ける。
うちの家業は「魔法」でなく「教育」だ。
ゆえにベルガモット家の使命は、努力することを美徳にすることだ」
そう言った後、ベルガモット教授はニカッと笑った。
それを見た瞬間悟った。
あの4人はこの笑顔にやられたんだな…と。
こういう所で魔物や魔獣が出てくると戦いづらいだろうな…
何だかんだダンジョン内っていうのは人間に都合が良く作られているんだと思う。
魔生物が潜んでいそうな場所は限られているし、何より地図がある…
となると、ダンジョンを作りましょう、となった時にやる事って山ほどあるんだなあ。
学園ダンジョンに新しく出来た下層部分も、相当時間かかってるしな。
「ビスカリア教授、目的地までの道って、何か目印があるんですか?」
「ああ、あるぞ。但しそれを教えてもいい人間は、魔生物学者でも論文を20本以上書いていてフィールドワーク歴が10年以上あって…と色々条件があるんだ」
どうやら研究者の間だけで共有される秘密らしい。
国の方でも把握はしているけど、地図上には記載されないとのこと…そりゃそうか。
「事故が起きたら困りますもんね」
「基本的に危ない場所にあるからな…興味本位で行って、人間が魔力溜まりに落ちたらどうなるか」
「…どうなるんですか」
「分からん…誰も研究したことがないからな。
動物は魔生物になるから、人間も魔生物になるんじゃないかとは言われてるな」
「人間の魔生物…人間型の魔物といえばゴブリンだが」
確かにな…。
「ゴブリンの生まれた理由が、物悲しいやつだったら倒しづらくなるなぁ」
「生贄に捧げられた人間の子孫…とか?」
「そう、そういうのとか、人体実験に利用された孤児の子孫…とか」
「そうなると、生態系を破壊しようとするのも誰彼構わず孕ませようとするのも、復讐の延長ってことか?」
そんな話をマグノリア教授としていたら、トレッドさんが乗っかってきた。
「もしかしたら、過ぎた力を得ようとした魔法使いの成れの果てかもしれんぜ」
「えっ、自分から飛び込んだって事ですか?」
「だって体内に魔力があればあるほど強い魔法使いになれるっていうんなら、そうだろ?」
「いや、短絡的すぎませんか」
「今の常識では考えられん話じゃがのう…」
う~ん、どうなんだろうな。
最短で最強になれる可能性がある方法としちゃ、あまりにもリスクが高すぎんか?
「いくら強くなりたいとしても、それは…」
すると意外な人から言葉が帰ってきた。
「……そうだな、気持ちは分からなくもないな」
「セド!?」
「誰よりも強くなりたいという気持ちは歪みやすい。
まっとうに努力して強くなれる者は一握り。
上を見ればキリがない。
…心が折れることだっていくらでもある」
残りの4侯爵は心配そうにベルガモット教授の顔を見る。
ベルガモット教授が少し俯いて言う。
「ただでさえ努力は下品で粗野、そういう風潮が流れている。
学園の中でさえ授業で努力をしたがらない者も多い…人が見ているから嫌なんだそうだ。
『あなたみたいに無様にはなれない』と鼻で笑う学生もいる」
「…何だって?」
「それでも俺は、常に上を目指せと言い続ける。
うちの家業は「魔法」でなく「教育」だ。
ゆえにベルガモット家の使命は、努力することを美徳にすることだ」
そう言った後、ベルガモット教授はニカッと笑った。
それを見た瞬間悟った。
あの4人はこの笑顔にやられたんだな…と。
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