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学園5年目
ブカツ、ランリツ ~フィーデ視点~
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入学してから今まで、ずっと生徒会に関わってきた。
見学がてらお茶会に参加したり、学園の歴史を教わったりした後、雑務を行う総務に任命され、今年から書記という立場になった。
書記というのは会議の議事録や面談の記録をしたり、提出書類の管理やアンケートの作成など、書類仕事を行う役職だ。
中でも大変なのは昨年いきなり始まった「ブカツ」という制度だ。
ある日校長先生が生徒会室に乗り込んできて企画書を役員全員に配布し、
「これを今年からやる」
と急に言い出したのだ。
全員が寝耳に水…お身内のアルファード殿下すら
「根回しも忘れるほど耄碌しないで頂けますかお祖父様」
と強烈な皮肉を仰るほどで、どうせルースさんの発言から何かを思いついたのだろうと…
その通りだったのだが。
このブカツというのは、
・研究室の枠を超えて研究をする
・学園在籍者は誰でも参加できる
※この参加者をブインと言う
・特定のブシツを使用する事ができる
(研究資料等を保管する場所として)
・必ず教職員が1人以上参加する
(責任者として)
というもので、研究内容は何でも良いらしい。
武術棟では競技の愛好家が集まってブカツを作り、
魔法棟では特定の研究に興味のある人間が集まり、
その他趣味で絵を描く者の集まり、
ダンスの愛好家の集まり、
音楽の愛好家の集まり、
小説の愛好家の集まり…。
食堂の個室から寮の空き部屋まで、とにかく空いている場所にはブシツが出来、本来そこに無いはずの建物にもブシツが出来、そこら中にブカツがあり…
「今いくつブカツがあるのか」
を把握するのが大変だ。
多分、28…だったと、思うのだが…。
今日も2つのブカツの申請が届いた。
一般棟の倉庫をブシツとするブカツ…
「魔力回復薬開発部」
「魔力消費を抑える道具開発部」
だそうだ。
そして問題は…
「またブインにルースさんがいる」
ということだ。
エルム公爵家のコーラス様は
「売名行為も甚だしい」と言い、
シャムロック侯爵家のミカ様も
「下品極まり無い」と断じ、
プリムラ公爵家のアウディ様は
「何にでも手を出すのは男だけでは無いのですね」と笑い…。
学園で最も有名な生徒となったルースさんの存在を、御三方は快く思っていないようだ。
まあ、かつては自分もそうだったのだが。
彼を「ユーフォルビア」だと思うと、今でも多少複雑な気持ちはある。
生まれたころから両親が不仲だった事で、どちらの親の顔色も伺いながら生きてきて、息苦しくて、こんなに苦しいのはユーフォルビアのせいだと…
ずっとそう思ってきた。
ユーフォルビアの悪い噂を聞けば、ほら見た事かとテルお父様に報告して「だからユーフォルビアが悪いのです、ギリーお父様は騙されただけで…」と何度も言って、何とか仲良くしてもらおうと…必死で。
両親の仲を取り持ちたかっただけなのに、いつの間にか彼を貶め、それを通してユーフォルビアに踊らされている両親を貶め…ユーフォルビアの色香に惑わされない自分は立派な人間なのだと、思っていた。
あの頃の自分は、何と愚かだったのだろう。
学園にいる間に気付けて良かった。
今からでも努力すれば間に合う。
伯父様の口癖は自分の口癖にもなりつつある…
曰く「常に上を目指せ」と。
お三方もいつか気づかれるだろう。
今の時代、貴族というだけで敬ってもらえる世の中で無くなってきている事を…。
-------------------------------
学園3年目
【閑話休題】失意の夏
~テナチュール侯爵視点~
宜しければご参照ください!
見学がてらお茶会に参加したり、学園の歴史を教わったりした後、雑務を行う総務に任命され、今年から書記という立場になった。
書記というのは会議の議事録や面談の記録をしたり、提出書類の管理やアンケートの作成など、書類仕事を行う役職だ。
中でも大変なのは昨年いきなり始まった「ブカツ」という制度だ。
ある日校長先生が生徒会室に乗り込んできて企画書を役員全員に配布し、
「これを今年からやる」
と急に言い出したのだ。
全員が寝耳に水…お身内のアルファード殿下すら
「根回しも忘れるほど耄碌しないで頂けますかお祖父様」
と強烈な皮肉を仰るほどで、どうせルースさんの発言から何かを思いついたのだろうと…
その通りだったのだが。
このブカツというのは、
・研究室の枠を超えて研究をする
・学園在籍者は誰でも参加できる
※この参加者をブインと言う
・特定のブシツを使用する事ができる
(研究資料等を保管する場所として)
・必ず教職員が1人以上参加する
(責任者として)
というもので、研究内容は何でも良いらしい。
武術棟では競技の愛好家が集まってブカツを作り、
魔法棟では特定の研究に興味のある人間が集まり、
その他趣味で絵を描く者の集まり、
ダンスの愛好家の集まり、
音楽の愛好家の集まり、
小説の愛好家の集まり…。
食堂の個室から寮の空き部屋まで、とにかく空いている場所にはブシツが出来、本来そこに無いはずの建物にもブシツが出来、そこら中にブカツがあり…
「今いくつブカツがあるのか」
を把握するのが大変だ。
多分、28…だったと、思うのだが…。
今日も2つのブカツの申請が届いた。
一般棟の倉庫をブシツとするブカツ…
「魔力回復薬開発部」
「魔力消費を抑える道具開発部」
だそうだ。
そして問題は…
「またブインにルースさんがいる」
ということだ。
エルム公爵家のコーラス様は
「売名行為も甚だしい」と言い、
シャムロック侯爵家のミカ様も
「下品極まり無い」と断じ、
プリムラ公爵家のアウディ様は
「何にでも手を出すのは男だけでは無いのですね」と笑い…。
学園で最も有名な生徒となったルースさんの存在を、御三方は快く思っていないようだ。
まあ、かつては自分もそうだったのだが。
彼を「ユーフォルビア」だと思うと、今でも多少複雑な気持ちはある。
生まれたころから両親が不仲だった事で、どちらの親の顔色も伺いながら生きてきて、息苦しくて、こんなに苦しいのはユーフォルビアのせいだと…
ずっとそう思ってきた。
ユーフォルビアの悪い噂を聞けば、ほら見た事かとテルお父様に報告して「だからユーフォルビアが悪いのです、ギリーお父様は騙されただけで…」と何度も言って、何とか仲良くしてもらおうと…必死で。
両親の仲を取り持ちたかっただけなのに、いつの間にか彼を貶め、それを通してユーフォルビアに踊らされている両親を貶め…ユーフォルビアの色香に惑わされない自分は立派な人間なのだと、思っていた。
あの頃の自分は、何と愚かだったのだろう。
学園にいる間に気付けて良かった。
今からでも努力すれば間に合う。
伯父様の口癖は自分の口癖にもなりつつある…
曰く「常に上を目指せ」と。
お三方もいつか気づかれるだろう。
今の時代、貴族というだけで敬ってもらえる世の中で無くなってきている事を…。
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