当て馬にも、ワンチャンあってしかるべき!

紫蘇

文字の大きさ
375 / 586
学園6年目

最終学年の始まり

しおりを挟む
今日は始業式。
逃げたエルム両公爵の消息は未だ掴めず…

そんな中、俺と殿下はついに6年生になった。

今年も俺は去年と同じく、魔法総合研究室の分室長をすることになった。
ここも卒業したらどうするかなあ…
継いでくれそうな人が見当たらない。

何とか遠距離通信を実現して、王宮とここを繋げないかな…。
魔道くまちゃんの応用で、考えた通りにペンが動くとかどうだろう。
魔道くまちゃんは魔力さえあれば動くから、あっちとこっちに腕だけゴーレムを設置して…
でも、そうなると魔力の導線が要るのか。
インフラ代がえげつないな…
あ、だったらゴーレムを起動できる人をここに置いて…って、それは人件費がえげつないな。

そんな事を考えていたら、パタパタと廊下を走る音がして、Noノックでデューイ君が飛び込んできた。

「ルースさんおはようございます大変です!!」
「どうしたのデューイ君」
「生徒会役員が3人しかいません!?」
「えっ……あっ」

そうだった。
シャムロック様とコーラス様を後宮に監き…ゲフンゲフン、保護したんだった。

でも大丈夫!
こんなこともあろうかと始業式の日に全校生徒に「生徒会役員募集」のチラシを配布したからね。
希望者は必ずいる。
国政への登竜門的な組織だし、将来官吏を目指すなら入って損はないからね…多分。
後は希望者の面接をして、よっぽどでなければ全員総務にぶち込めばOKさ!

「入学式は何とかなるでしょ?」
「それは生徒会長の挨拶くらいなので、ですが…」

フィーデ君は1枚の紙を差し出した。
生徒会への集会届出用紙だ。
その紙には「部活紹介オリエンテーリング」の文字と…

「…おじいちゃん…!?」
「この紙が、朝、僕の所に直接届けられて」
「ちょくせつぅ!?」

開催予定日は1週間後、場所は講堂。

「あと、こちらも…」
「んん?お菓子作り研究部創設届?」

発起人は…

「…はぁ?シンカンチョー!?」
「どうしましょうルースさん、神殿って学園の管轄外ですよね?駄目って言っときます?」
「はー…まず活動場所として申請されてる食堂へ確認してみてからだけど、もう話が進んじゃってたら通すしかないよ。
 神殿のやる事はなるべく尊重するのが現行政府の方針だもん」
「っあー!そうでした、国立の組織は原則、国の方針に従わなきゃならないんでした!」
「学園も国立だからね…」

あのドM、やりたい放題やんけ!!
どういうつもりや!?

「とにかくまず講堂へ行って、神官長からこのブカツについての聞き取り。
 ついでに入学式準備の進捗確認。
 その後、オリエンテーリングの予定日に講堂が空いてるか確認。
 放課後は全ブカツにオリエンテーリングの話が降りているか確認し、発表者を3日後までに提出させる事。
 だから…今のうちに各部の持ち時間を決定して、放課後の確認の際に各ブカツに通達できるよう準備を」
「はい!!」

フィーデ君は元気よく返事をし、部屋を出て行…
……あれ?

「そういえばプリムラ君は?置いてきた?」
「え…と、バイオリズムが合わないから休むって」
「引きずってでも連れてこい!ばかもん!!」
「はっ、ただちに!!」

あのお馬鹿、春休み最終日にわざわざ寮まで訪ねて来たと思ったら
「僕、もう頑張らないことにしたの」
とか宣言しやがって、説教しようとしたら
「フィーデと結婚すればいいんだもーん」
とか抜かしやがって…

おどれ、おイエの再興はええんか!!


「…って…まさか」

…ほんまに……ええんか?

もう頑張らないって…

家なんかどうでもええって事やったり…



するん?
しおりを挟む
感想 69

あなたにおすすめの小説

虚ろな檻と翡翠の魔石

篠雨
BL
「本来の寿命まで、悪役の身体に入ってやり過ごしてよ」 不慮の事故で死んだ僕は、いい加減な神様の身勝手な都合により、異世界の悪役・レリルの器へ転生させられてしまう。 待っていたのは、一生を塔で過ごし、魔力を搾取され続ける孤独な日々。だが、僕を管理する強面の辺境伯・ヨハンが運んでくる薪や食事、そして不器用な優しさが、凍てついた僕の心を次第に溶かしていく。 しかし、穏やかな時間は長くは続かない。魔力を捧げるたびに脳内に流れ込む本物のレリルの記憶と領地を襲う未曾有の魔物の群れ。 「僕が、この場所と彼を守る方法はこれしかない」 記憶に翻弄され頭は混乱する中、魔石化するという残酷な決断を下そうとするが――。

転生したら乙女ゲームのモブキャラだったのでモブハーレム作ろうとしたら…BLな方向になるのだが

松林 松茸
BL
私は「南 明日香」という平凡な会社員だった。 ありふれた生活と隠していたオタク趣味。それだけで満足な生活だった。 あの日までは。 気が付くと大好きだった乙女ゲーム“ときめき魔法学院”のモブキャラ「レナンジェス=ハックマン子爵家長男」に転生していた。 (無いものがある!これは…モブキャラハーレムを作らなくては!!) その野望を実現すべく計画を練るが…アーな方向へ向かってしまう。 元日本人女性の異世界生活は如何に? ※カクヨム様、小説家になろう様で同時連載しております。 5月23日から毎日、昼12時更新します。

伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい

マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。 最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡) 世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。

男装の麗人と呼ばれる俺は正真正銘の男なのだが~双子の姉のせいでややこしい事態になっている~

さいはて旅行社
BL
双子の姉が失踪した。 そのせいで、弟である俺が騎士学校を休学して、姉の通っている貴族学校に姉として通うことになってしまった。 姉は男子の制服を着ていたため、服装に違和感はない。 だが、姉は男装の麗人として女子生徒に恐ろしいほど大人気だった。 その女子生徒たちは今、何も知らずに俺を囲んでいる。 女性に囲まれて嬉しい、わけもなく、彼女たちの理想の王子様像を演技しなければならない上に、男性が女子寮の部屋に一歩入っただけでも騒ぎになる貴族学校。 もしこの事実がバレたら退学ぐらいで済むわけがない。。。 周辺国家の情勢がキナ臭くなっていくなかで、俺は双子の姉が戻って来るまで、協力してくれる仲間たちに笑われながらでも、無事にバレずに女子生徒たちの理想の王子様像を演じ切れるのか? 侯爵家の命令でそんなことまでやらないといけない自分を救ってくれるヒロインでもヒーローでも現れるのか?

【完結】我が兄は生徒会長である!

tomoe97
BL
冷徹•無表情•無愛想だけど眉目秀麗、成績優秀、運動神経まで抜群(噂)の学園一の美男子こと生徒会長・葉山凌。 名門私立、全寮制男子校の生徒会長というだけあって色んな意味で生徒から一目も二目も置かれる存在。 そんな彼には「推し」がいる。 それは風紀委員長の神城修哉。彼は誰にでも人当たりがよく、仕事も早い。喧嘩の現場を抑えることもあるので腕っぷしもつよい。 実は生徒会長・葉山凌はコミュ症でビジュアルと家柄、風格だけでここまで上り詰めた、エセカリスマ。実際はメソメソ泣いてばかりなので、本物のカリスマに憧れている。 終始彼の弟である生徒会補佐の観察記録調で語る、推し活と片思いの間で揺れる青春恋模様。 本編完結。番外編(after story)でその後の話や過去話などを描いてます。 (番外編、after storyで生徒会補佐✖️転校生有。可愛い美少年✖️高身長爽やか男子の話です)

乙女ゲームのサポートメガネキャラに転生しました

西楓
BL
乙女ゲームのサポートキャラとして転生した俺は、ヒロインと攻略対象を無事くっつけることが出来るだろうか。どうやらヒロインの様子が違うような。距離の近いヒロインに徐々に不信感を抱く攻略対象。何故か攻略対象が接近してきて… ほのほのです。 ※有難いことに別サイトでその後の話をご希望されました(嬉しい😆)ので追加いたしました。

性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました

まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。 性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。 (ムーンライトノベルにも掲載しています)

当て馬的ライバル役がメインヒーローに喰われる話

屑籠
BL
 サルヴァラ王国の公爵家に生まれたギルバート・ロードウィーグ。  彼は、物語のそう、悪役というか、小悪党のような性格をしている。  そんな彼と、彼を溺愛する、物語のヒーローみたいにキラキラ輝いている平民、アルベルト・グラーツのお話。  さらっと読めるようなそんな感じの短編です。

処理中です...