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学園6年目
戦という名の総決算 7
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庭での戦闘を終えて、怪我と疲労を魔法で回復し、ついに屋敷へ突入する。
「ふん」ドガッ!…バタン!
よれよれだった扉は殿下のケンカキック一発で壊れた。
「よし、行くぞ」
中に入ると、さっきの火魔法(多分ファイヤーくらい)でその辺が焼け焦げていた。
人影は無し。
「1階から2階まで全建物を制圧する。
ウィンとディーは左・俺とルースは右、但しまず先に別館を落とす。
ワルドとルディは拠点に戻り、新たな通信が来ていないか確認。
残りは庭園で拘束した敵の監視を頼む」
「はい」
「それと、モローに物資の配達を頼んである。
光のブローチは装備させているが、万が一の事もあるから気を付けろ」
「はい」
「行動開始」
全員がそれぞれの持ち場へ散る。
間取り図によると1階は本館と別館があり、本館には応接室・厨房・食堂、別館はパーティーホール、及び休憩室少々となっていた。
玄関ホールから真っ直ぐ伸びた廊下の先にある建物を見て、考える。
「パーティーホールにまだ敵いますかね?」
「さあな…だが無人という可能性は低いだろう」
うーん、やっぱりいるって考えた方が自然だよなあ。
俺は殿下に作戦を提案する。
「だったらここから壊しちゃ駄目ですかね?」
「駄目だな」
「えっ、駄目なんですか?」
最大の戦力を持って叩くのが戦闘の鉄則なんじゃなかったの?
美術品も骨董品も家具も魔道具も、売れるものは全部売っちゃってるはずだし…
「あれには300年以上の歴史があってな。
イフェイオン邸が出来る前は神殿だったらしい」
「あっ、建物自体に価値があるパターンか…」
「いよいよヘヴィさんの事笑えないね、ルー」
「さ、行こ行こ~」
4人で連れ立ってパーティーホールのある建物へ行く。
神殿のものだとしたら、どこかに光の魔法陣くらいあるんじゃないかな…
後で古代魔法チームを連れてこよう。
「あっ」
「どうした」
「あそこへ捕虜を集めたら駄目ですかね?
自分で歩ける人も居そうですし」
「確かにな」
もし結界の魔法陣があれば、魔石を置くだけで魔法攻撃対策もバッチリだし…
ま、それもあそこの制圧が終わってからだな。
「さっさと終わらせましょう」
「…そうだな」
なんせ本命は地下、だからな。
***
パーティーホール及び休憩室等々に残っていたのは数人だった。
ホールの方はさっき庭で戦った敵の皆さんが拠点に使用していたらしく、そこら中に毛布や日用品が転がっていた。
2人ほど下働きっぽい子がいたので念のため捕縛した。
休憩室には近くの娼館から呼ばれたらしい子が何人かいた。
酷い事をされた形跡はなかったけど、念の為ヒールを掛けた。
闇飛ばししたら全員が気絶したので、この屋敷にいる人間は全員闇魔法の支配下にあると考えるのが妥当だろう。
その辺のカーテンを引き裂いたもので気絶した子たちをくるんでホールに寝かせ、ここの制圧は完了。
ウィン兄とディー兄がみんなに「捕虜をパーティーホールへ集めるように」と声を掛けに行く。
俺と殿下はひと休み。
「ルース、魔力はまだ大丈夫か?」
「ええ、まだ行けます」
「いつでも言え、魔力は温存しているからな」
「…………」
いや、さすがに敵地でそれは…ねえ?
そりゃこんだけ部屋があるんだから隠れてするには事欠かないだろうけど、さすがに、ねえ。
口ごもる俺に、殿下は軽くキスして言った。
「い・い・な?」
「う、うん…気を付ける」
分かれば良い…と、またキスをくれる殿下。
シャラパールでのやらかし以降、殿下は俺の残り魔力にうるさくなった。
ただのエロ目的だったら反対もできるけど、多分に心配の成分が入った気持ちで言われると…うん。
「…魔力計を持ってくれば良かった」
「そうだな」
どちらからともなくキスをする。
軽くて甘いやつを、何度も繰り返す。
ウィン兄とディー兄が戻って来るまでの短い間、そうして俺たちはくっついていた。
「ふん」ドガッ!…バタン!
よれよれだった扉は殿下のケンカキック一発で壊れた。
「よし、行くぞ」
中に入ると、さっきの火魔法(多分ファイヤーくらい)でその辺が焼け焦げていた。
人影は無し。
「1階から2階まで全建物を制圧する。
ウィンとディーは左・俺とルースは右、但しまず先に別館を落とす。
ワルドとルディは拠点に戻り、新たな通信が来ていないか確認。
残りは庭園で拘束した敵の監視を頼む」
「はい」
「それと、モローに物資の配達を頼んである。
光のブローチは装備させているが、万が一の事もあるから気を付けろ」
「はい」
「行動開始」
全員がそれぞれの持ち場へ散る。
間取り図によると1階は本館と別館があり、本館には応接室・厨房・食堂、別館はパーティーホール、及び休憩室少々となっていた。
玄関ホールから真っ直ぐ伸びた廊下の先にある建物を見て、考える。
「パーティーホールにまだ敵いますかね?」
「さあな…だが無人という可能性は低いだろう」
うーん、やっぱりいるって考えた方が自然だよなあ。
俺は殿下に作戦を提案する。
「だったらここから壊しちゃ駄目ですかね?」
「駄目だな」
「えっ、駄目なんですか?」
最大の戦力を持って叩くのが戦闘の鉄則なんじゃなかったの?
美術品も骨董品も家具も魔道具も、売れるものは全部売っちゃってるはずだし…
「あれには300年以上の歴史があってな。
イフェイオン邸が出来る前は神殿だったらしい」
「あっ、建物自体に価値があるパターンか…」
「いよいよヘヴィさんの事笑えないね、ルー」
「さ、行こ行こ~」
4人で連れ立ってパーティーホールのある建物へ行く。
神殿のものだとしたら、どこかに光の魔法陣くらいあるんじゃないかな…
後で古代魔法チームを連れてこよう。
「あっ」
「どうした」
「あそこへ捕虜を集めたら駄目ですかね?
自分で歩ける人も居そうですし」
「確かにな」
もし結界の魔法陣があれば、魔石を置くだけで魔法攻撃対策もバッチリだし…
ま、それもあそこの制圧が終わってからだな。
「さっさと終わらせましょう」
「…そうだな」
なんせ本命は地下、だからな。
***
パーティーホール及び休憩室等々に残っていたのは数人だった。
ホールの方はさっき庭で戦った敵の皆さんが拠点に使用していたらしく、そこら中に毛布や日用品が転がっていた。
2人ほど下働きっぽい子がいたので念のため捕縛した。
休憩室には近くの娼館から呼ばれたらしい子が何人かいた。
酷い事をされた形跡はなかったけど、念の為ヒールを掛けた。
闇飛ばししたら全員が気絶したので、この屋敷にいる人間は全員闇魔法の支配下にあると考えるのが妥当だろう。
その辺のカーテンを引き裂いたもので気絶した子たちをくるんでホールに寝かせ、ここの制圧は完了。
ウィン兄とディー兄がみんなに「捕虜をパーティーホールへ集めるように」と声を掛けに行く。
俺と殿下はひと休み。
「ルース、魔力はまだ大丈夫か?」
「ええ、まだ行けます」
「いつでも言え、魔力は温存しているからな」
「…………」
いや、さすがに敵地でそれは…ねえ?
そりゃこんだけ部屋があるんだから隠れてするには事欠かないだろうけど、さすがに、ねえ。
口ごもる俺に、殿下は軽くキスして言った。
「い・い・な?」
「う、うん…気を付ける」
分かれば良い…と、またキスをくれる殿下。
シャラパールでのやらかし以降、殿下は俺の残り魔力にうるさくなった。
ただのエロ目的だったら反対もできるけど、多分に心配の成分が入った気持ちで言われると…うん。
「…魔力計を持ってくれば良かった」
「そうだな」
どちらからともなくキスをする。
軽くて甘いやつを、何度も繰り返す。
ウィン兄とディー兄が戻って来るまでの短い間、そうして俺たちはくっついていた。
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