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新婚旅行
久々の学園 3
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子蜘蛛を何とか全部集めきり一息つく。
すっかりクタクタになった俺は、ビスカリア教授にちょっとだけ嫌味を言う。
「ったく、何を話にきたのか忘れたじゃないですか…」
「おう…すまん」
俺は念のために持って来ていたノートを開く。
えっと、確か…
「灰から魔物を特定って出来ます?」
「なんだそりゃ…ああ、もしかしてケルベラの肥料の話か」
「ですです」
うーん、と唸りながら教授が言う。
「ブレイズ以上の火魔法で焼かれたら分かんなくなるけど、ファイヤー程度なら何とか…
何喰ってるとか、どんな牙だとか、灰の色とか、そういうのから割り出せはすると思う。
ただ複数種の魔物を混ぜちまうと、もうどうにもならんぞ」
「あー、やっぱそうですよね…」
混ざってたら買わない、とかルールが必要だな。
申告が合ってるかどうかも調べなきゃだし…
「ところで、成分を分析するのってどうやるんですか?」
「分析したいものを粉にして、蓋が締まる容器に水と一緒に入れて振って、暫くして沈殿したのやら上に浮いたのやらを顕微鏡で見るんだ。
正直めちゃくちゃ大変だから、よっぽどの時しかやらないな」
「まじかあ…じゃ、死体を運ぶ方が現実的かぁ」
「そうだな。
でも何で急にそんな話になったんだ?」
「それは…」
俺は教授に、ケルベラで見た「魔物の死体を運び出す光景」を話した。
「すごい大変そうなんですよ」
「んで灰にして持てば楽じゃないか…ってことか」
「はい、それで重さが減れば…」
「んー…水分抜くんじゃ駄目なのか?
フェンネルさんの下手糞な歌も聴かなくなったし、魔法陣は出てんだろ?」
「えっ…あ、ほんとだ!!」
「出来るんならその方が…燃やす時も楽だろ」
「確かにそうですね…出来るかやってみます!」
ってことはダンジョンで魔物仕留めてみなきゃ駄目ってことか。
じゃあ、やっぱりこの実験は…
「うちで請け負ってもいいぞ。
あっちで作った魔道具のテストもうちでやってるから、ついでに」
「ありがとうございます!」
水を抜く魔道具が出来たら早速頼もう。
液体を粉にする実験はこっちでやれば…
「魔道具、2ついるなあ」
…補佐局の予算、大丈夫かなあ…。
何かで稼がないと駄目かもしれない。
「稼げる何かを考えないとな…」
「それこそルースの知恵を売れば良いんじゃないか?」
「今までタダだったのに急にお金取れないでしょ。
それに、失敗したときの責任がデカすぎるし」
「そりゃそうだ」
まあ、今までの知恵が花開けば税収は上がるはずだし、来年度の予算も増やして貰えるかな。
「んじゃ、古代魔法研究室行ってきます」
「おう、行ってこい…あ、古代魔法の研究室、今地下だぞ」
「…はっ?」
「あっこ、今軍事研究所みたいになってるからな。
盗聴を防ぐのに、地下は都合が良いんだってよ」
「えっ…ええー…」
まじか…
お気軽に訪ねてって大丈夫かな。
俺まだ軍事機密とか触れる立場じゃないんだけど…
っていうか、地下って…あそこ倉庫か何かじゃなかった?
元々収納されてたものはどこへ行ったんだろ…。
「しかし、4階から地下かあ…」
「マグノリアさんも定期通信でここまで上がって来るの大変そうにしてるわ。
今はまだ若いから良いけど、そのうちキツくなるだろうなあ」
「…エレベーターでも増設します?」
「予算が降りればな!」
さすがフィールドワーカー。
エランティス領の「災禍の大穴」に降りるエレベーターの事も知っているらしい。
「んじゃ、行ってきます」
「おう、マグノリアさんによろしくな!」
…俺は魔生物学研究室を出て、長い長い階段を降りるのだった。
すっかりクタクタになった俺は、ビスカリア教授にちょっとだけ嫌味を言う。
「ったく、何を話にきたのか忘れたじゃないですか…」
「おう…すまん」
俺は念のために持って来ていたノートを開く。
えっと、確か…
「灰から魔物を特定って出来ます?」
「なんだそりゃ…ああ、もしかしてケルベラの肥料の話か」
「ですです」
うーん、と唸りながら教授が言う。
「ブレイズ以上の火魔法で焼かれたら分かんなくなるけど、ファイヤー程度なら何とか…
何喰ってるとか、どんな牙だとか、灰の色とか、そういうのから割り出せはすると思う。
ただ複数種の魔物を混ぜちまうと、もうどうにもならんぞ」
「あー、やっぱそうですよね…」
混ざってたら買わない、とかルールが必要だな。
申告が合ってるかどうかも調べなきゃだし…
「ところで、成分を分析するのってどうやるんですか?」
「分析したいものを粉にして、蓋が締まる容器に水と一緒に入れて振って、暫くして沈殿したのやら上に浮いたのやらを顕微鏡で見るんだ。
正直めちゃくちゃ大変だから、よっぽどの時しかやらないな」
「まじかあ…じゃ、死体を運ぶ方が現実的かぁ」
「そうだな。
でも何で急にそんな話になったんだ?」
「それは…」
俺は教授に、ケルベラで見た「魔物の死体を運び出す光景」を話した。
「すごい大変そうなんですよ」
「んで灰にして持てば楽じゃないか…ってことか」
「はい、それで重さが減れば…」
「んー…水分抜くんじゃ駄目なのか?
フェンネルさんの下手糞な歌も聴かなくなったし、魔法陣は出てんだろ?」
「えっ…あ、ほんとだ!!」
「出来るんならその方が…燃やす時も楽だろ」
「確かにそうですね…出来るかやってみます!」
ってことはダンジョンで魔物仕留めてみなきゃ駄目ってことか。
じゃあ、やっぱりこの実験は…
「うちで請け負ってもいいぞ。
あっちで作った魔道具のテストもうちでやってるから、ついでに」
「ありがとうございます!」
水を抜く魔道具が出来たら早速頼もう。
液体を粉にする実験はこっちでやれば…
「魔道具、2ついるなあ」
…補佐局の予算、大丈夫かなあ…。
何かで稼がないと駄目かもしれない。
「稼げる何かを考えないとな…」
「それこそルースの知恵を売れば良いんじゃないか?」
「今までタダだったのに急にお金取れないでしょ。
それに、失敗したときの責任がデカすぎるし」
「そりゃそうだ」
まあ、今までの知恵が花開けば税収は上がるはずだし、来年度の予算も増やして貰えるかな。
「んじゃ、古代魔法研究室行ってきます」
「おう、行ってこい…あ、古代魔法の研究室、今地下だぞ」
「…はっ?」
「あっこ、今軍事研究所みたいになってるからな。
盗聴を防ぐのに、地下は都合が良いんだってよ」
「えっ…ええー…」
まじか…
お気軽に訪ねてって大丈夫かな。
俺まだ軍事機密とか触れる立場じゃないんだけど…
っていうか、地下って…あそこ倉庫か何かじゃなかった?
元々収納されてたものはどこへ行ったんだろ…。
「しかし、4階から地下かあ…」
「マグノリアさんも定期通信でここまで上がって来るの大変そうにしてるわ。
今はまだ若いから良いけど、そのうちキツくなるだろうなあ」
「…エレベーターでも増設します?」
「予算が降りればな!」
さすがフィールドワーカー。
エランティス領の「災禍の大穴」に降りるエレベーターの事も知っているらしい。
「んじゃ、行ってきます」
「おう、マグノリアさんによろしくな!」
…俺は魔生物学研究室を出て、長い長い階段を降りるのだった。
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