48 / 134
王子様と皇太子殿下 3
王子、作戦の成功を確信する
しおりを挟む
やったぞ!
クロエの乗った椅子を押しながら、儂は心の中で快哉した。
儂は自然とクロエの背中に回ることに成功した。
つまり、わしはクロエにそのくらい信頼されとる、ということじゃ。
しかし、愛を伝える言葉が鬼門だとは…
鬼神の言う事を聞いて良かったわい。
北の猟犬どもが「私めが押しましょう」と言ってくるが、無視じゃ、無視。
義足ができるまでは、こうして外へ連れ出そう。
義足が出来たら、歩く練習を手伝うという名目で、手を握って共に歩く。
歩くのに慣れたら今度は馬に乗る訓練だと言って、2人で景色の綺麗な場所へ行って、昼の弁当をあーんで食べさせる。
それに慣れたら、次は恋愛小説を持っていき、クロエを膝に乗せて一緒に読む……
焦らず進まねば。
そうしてあの子に「愛する人と共に生きる幸せ」を教え…内容如何では、キス位できるかもしれん。
そうしたら、その先の、「エッチなこと」まで書いてあるような本を共に読めば…
フフフ。
となれば、雑事はさっさと片付けねば。
とっとと糞共を吊るして、帝国と終戦を締結して、本をじっくり選ばねばならんのう。
「ふむ」
しかし、吊るす…吊るすより、串刺しのほうが…少しは痛みを返してやれるかもしれん。
串刺しにしよう。
そんなことを考えながら歩いていると、クロエが左手を握ったり開いたり…ペンを持つようなしぐさをしたりしている。
これは、あれじゃな。左手で文字を書けようになるか気にしていると見た。
「左手の練習をするのなら、そこの学舎に紙とペンを売っておる処があるぞ」
そういうと、儂をキラキラした目で見て、それから思い直したように前を向いて、しょんぼりする。
買いたいけどお金がない、そんな顔じゃ。
「欲しいなら、後払いで買えるぞ?」
「えっ…、本当ですか!?買いたいです!」
「ならそちらにも行こうかの」
本当はなんぼでも買うてやりたいが、儂…というより第3王子に、借りを作りたくないじゃろうしな。
…これも鬼神の言うとった事じゃが…
帝国の都で貴族に借りを作ってしもうたとき、利子とばかりにナニをしゃぶらせたり尻を出せと要求するような屑が大勢おったとかで、借りを作らせようとすれば変に勘繰られる可能性もあるということじゃったが…
帝国は何じゃ?
屑の集まりか?
肥溜めか何かか?
あ、肥溜めは役に立つんじゃった、いかんいかん。
北の連中も鬼神も、さすがに戦場にも出てこん貴族は殺せなんだ…と言うとったな。
ならば、そいつらもついでに吊るすかの。
あ、いや、吊るすより串刺しじゃった。
痛みを思い知ってから死んでもらわねば!
そうそう、あとは拷問もせんとな。
とりあえず右腕はもぐとして、他には……
ふむ、イチモツをちょん切ってみるか。
爪を剥ぐのは道具がいるしの。
クロエの可愛い笑顔を見ながら、儂は決意を新たにするのであった。
クロエの乗った椅子を押しながら、儂は心の中で快哉した。
儂は自然とクロエの背中に回ることに成功した。
つまり、わしはクロエにそのくらい信頼されとる、ということじゃ。
しかし、愛を伝える言葉が鬼門だとは…
鬼神の言う事を聞いて良かったわい。
北の猟犬どもが「私めが押しましょう」と言ってくるが、無視じゃ、無視。
義足ができるまでは、こうして外へ連れ出そう。
義足が出来たら、歩く練習を手伝うという名目で、手を握って共に歩く。
歩くのに慣れたら今度は馬に乗る訓練だと言って、2人で景色の綺麗な場所へ行って、昼の弁当をあーんで食べさせる。
それに慣れたら、次は恋愛小説を持っていき、クロエを膝に乗せて一緒に読む……
焦らず進まねば。
そうしてあの子に「愛する人と共に生きる幸せ」を教え…内容如何では、キス位できるかもしれん。
そうしたら、その先の、「エッチなこと」まで書いてあるような本を共に読めば…
フフフ。
となれば、雑事はさっさと片付けねば。
とっとと糞共を吊るして、帝国と終戦を締結して、本をじっくり選ばねばならんのう。
「ふむ」
しかし、吊るす…吊るすより、串刺しのほうが…少しは痛みを返してやれるかもしれん。
串刺しにしよう。
そんなことを考えながら歩いていると、クロエが左手を握ったり開いたり…ペンを持つようなしぐさをしたりしている。
これは、あれじゃな。左手で文字を書けようになるか気にしていると見た。
「左手の練習をするのなら、そこの学舎に紙とペンを売っておる処があるぞ」
そういうと、儂をキラキラした目で見て、それから思い直したように前を向いて、しょんぼりする。
買いたいけどお金がない、そんな顔じゃ。
「欲しいなら、後払いで買えるぞ?」
「えっ…、本当ですか!?買いたいです!」
「ならそちらにも行こうかの」
本当はなんぼでも買うてやりたいが、儂…というより第3王子に、借りを作りたくないじゃろうしな。
…これも鬼神の言うとった事じゃが…
帝国の都で貴族に借りを作ってしもうたとき、利子とばかりにナニをしゃぶらせたり尻を出せと要求するような屑が大勢おったとかで、借りを作らせようとすれば変に勘繰られる可能性もあるということじゃったが…
帝国は何じゃ?
屑の集まりか?
肥溜めか何かか?
あ、肥溜めは役に立つんじゃった、いかんいかん。
北の連中も鬼神も、さすがに戦場にも出てこん貴族は殺せなんだ…と言うとったな。
ならば、そいつらもついでに吊るすかの。
あ、いや、吊るすより串刺しじゃった。
痛みを思い知ってから死んでもらわねば!
そうそう、あとは拷問もせんとな。
とりあえず右腕はもぐとして、他には……
ふむ、イチモツをちょん切ってみるか。
爪を剥ぐのは道具がいるしの。
クロエの可愛い笑顔を見ながら、儂は決意を新たにするのであった。
3
あなたにおすすめの小説
【完結】愛されたかった僕の人生
Kanade
BL
✯オメガバース
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。
今日も《夫》は帰らない。
《夫》には僕以外の『番』がいる。
ねぇ、どうしてなの?
一目惚れだって言ったじゃない。
愛してるって言ってくれたじゃないか。
ねぇ、僕はもう要らないの…?
独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。
6回殺された第二王子がさらにループして報われるための話
さんかく
BL
何度も殺されては人生のやり直しをする第二王子がボロボロの状態で今までと大きく変わった7回目の人生を過ごす話
基本シリアス多めで第二王子(受け)が可哀想
からの周りに愛されまくってのハッピーエンド予定
(pixivにて同じ設定のちょっと違う話を公開中です「不憫受けがとことん愛される話」)
【WEB版】監視が厳しすぎた嫁入り生活から解放されました~冷徹無慈悲と呼ばれた隻眼の伯爵様と呪いの首輪~【BL・オメガバース】
古森きり
BL
【書籍化決定しました!】
詳細が決まりましたら改めてお知らせにあがります!
たくさんの閲覧、お気に入り、しおり、感想ありがとうございました!
アルファポリス様の規約に従い発売日にURL登録に変更、こちらは引き下げ削除させていただきます。
政略結婚で嫁いだ先は、女狂いの伯爵家。
男のΩである僕には一切興味を示さず、しかし不貞をさせまいと常に監視される生活。
自分ではどうすることもできない生活に疲れ果てて諦めた時、夫の不正が暴かれて失脚した。
行く当てがなくなった僕を保護してくれたのは、元夫が口を開けば罵っていた政敵ヘルムート・カウフマン。
冷徹無慈悲と呼び声高い彼だが、共に食事を摂ってくれたりやりたいことを応援してくれたり、決して冷たいだけの人ではなさそうで――。
カクヨムに書き溜め。
小説家になろう、アルファポリス、BLoveにそのうち掲載します。
異世界にやってきたら氷の宰相様が毎日お手製の弁当を持たせてくれる
七瀬京
BL
異世界に召喚された大学生ルイは、この世界を救う「巫覡」として、力を失った宝珠を癒やす役目を与えられる。
だが、異界の食べ物を受けつけない身体に苦しみ、倒れてしまう。
そんな彼を救ったのは、“氷の宰相”と呼ばれる美貌の男・ルースア。
唯一ルイが食べられるのは、彼の手で作られた料理だけ――。
優しさに触れるたび、ルイの胸に芽生える感情は“感謝”か、それとも“恋”か。
穏やかな日々の中で、ふたりの距離は静かに溶け合っていく。
――心と身体を癒やす、年の差主従ファンタジーBL。
巻き戻りした悪役令息は最愛の人から離れて生きていく
藍沢真啓/庚あき
BL
11月にアンダルシュノベルズ様から出版されます!
婚約者ユリウスから断罪をされたアリステルは、ボロボロになった状態で廃教会で命を終えた……はずだった。
目覚めた時はユリウスと婚約したばかりの頃で、それならばとアリステルは自らユリウスと距離を置くことに決める。だが、なぜかユリウスはアリステルに構うようになり……
巻き戻りから人生をやり直す悪役令息の物語。
【感想のお返事について】
感想をくださりありがとうございます。
執筆を最優先させていただきますので、お返事についてはご容赦願います。
大切に読ませていただいてます。執筆の活力になっていますので、今後も感想いただければ幸いです。
他サイトでも公開中
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
前世が教師だった少年は辺境で愛される
結衣可
BL
雪深い帝国北端の地で、傷つき行き倒れていた少年ミカを拾ったのは、寡黙な辺境伯ダリウスだった。妻を亡くし、幼い息子リアムと静かに暮らしていた彼は、ミカの知識と優しさに驚きつつも、次第にその穏やかな笑顔に心を癒されていく。
ミカは実は異世界からの転生者。前世の記憶を抱え、この世界でどう生きるべきか迷っていたが、リアムの教育係として過ごすうちに、“誰かに必要とされる”温もりを思い出していく。
雪の館で共に過ごす日々は、やがてお互いにとってかけがえのない時間となり、新しい日々へと続いていく――。
【完結】伴侶がいるので、溺愛ご遠慮いたします
* ゆるゆ
BL
3歳のノィユが、カビの生えてないご飯を求めて結ばれることになったのは、北の最果ての領主のおじいちゃん……え、おじいちゃん……!?
しあわせの絶頂にいるのを知らない王子たちが、びっくりして憐れんで溺愛してくれそうなのですが、結構です!
めちゃくちゃかっこよくて可愛い伴侶がいますので!
ノィユとヴィルの動画を作ってみました!(笑)
インスタ @yuruyu0
Youtube @BL小説動画 です!
プロフのwebサイトから飛べるので、もしよかったらお話と一緒に楽しんでくださったら、とてもうれしいです!
ヴィル×ノィユのお話です。
本編完結しました!
『もふもふ獣人転生』に遊びにゆく舞踏会編、完結しました!
時々おまけのお話を更新するかもです。
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる