話が違う2人

紫蘇

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合わさる世界

お帰り試験

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3人が王都へ戻ったのは、2学期も終わりが近づいた頃だった。

まずは報告の為王宮へ立ち寄ると、多くの人々が彼らを待ち受けていた。
彼らから口々に労いの言葉をかけられ、彼らは謁見の間まで歩いた。

謁見の間に入ると、そこには王でなく王妃と、他数名の関係者が集まって彼らを待っていた。

そして、

「大活躍だったと聞いたよ、クレイド君!」
「は!お褒めにあずかり光栄に御座います!」
「ふふ、これで安心してフェリス君をお嫁に貰えるね」
「はい!そうなる事を願っております!」

……クレイドは王妃様直々にお褒めの言葉を頂き、

「フェリス~!良くぞ、良くぞ無事で戻った!」
「お、お父様……くるしい」
「お帰り、本当に、無事で良かった」
「お母様にも、ご心配をおかけして……」
「功績も素晴らしいが、何より五体満足で戻った事が一番素晴らしいぞ、フェリス」
「お兄様も……ありがとうございます」

……フェリスは家族総出で無事を祝われ、

「パッセル殿、復興の進み具合は?」
「畑や果樹園の修繕は終わりました。
 ですが家畜の数はどうしようもありません」
「家畜……その分の減税が必要だと?」
「その分以上に、やはり家の再建などで人手が食われますから、益を出せる程畑仕事は出来ますまい」

「ならば家畜は王領から少し融通しよう。
 と言っても、鶏が精々だがな」
「いえ、それだけでも有難いです。
 ところでダンジョンについての報告ですが……」
「ああ、あれだな」

……パッセルはエバ王子と宰相と早速仕事の話だ。

報告書のいくつかは既に騎士たちの手によって提出されており、高官たちの間で共有されている。

「東の辺境にももしかしたら」
「ああ、夏終盤、魔物を多数討伐したと」
「東の辺境での仕事はほぼそれでした。
 本来の仕事はほぼ何も進んでおりません」
「そうか……共通点があるか?」
「ええ、えらく狂暴でした」

エバ王子と宰相はパッセルを労わない。
まだ彼らにとって、これはただの途中経過なのだ。
……それでも。

「エバ殿下、宰相閣下。
 力を貸してくれた災害救助隊の皆に、どうか、労いのお言葉と褒賞を」
「ああ、それについてはシルウェストリス公がもう動いている。
 俺も今、賞状を必死で書いている最中だ」

労いの言葉が、次の活力になる。
感謝にはそういう魔力があることを、為政者たらんとする者はよく分かっていた。

***

王宮で王不在の報告会が終了した後、3人はエバ王子と共に学園へ戻った。

授業は既に終了し、第一寮裏ではアラウダを中心に試験対策の勉強会が開かれていた。
先に戻っていたギル王子とリュノ王子も一緒だ。

「3人とも遅かったじゃないか。
 明後日から試験だぞ!」
「存じております、ギル殿下」
「今からでも参加するか?
 試験範囲だけは押さえておいた方が良いぞ」
「ええ、冬の予定が狂うのも困りますからね」

早速勉強会に混じる3人を温かく迎え入れる生徒達。
一夜漬けでも何でもして、遅れを取り戻すしかない……

「そう言えば、オヴィスは?」
「その……お3人について、そもそも出席日数が足りないから試験は……みたいながあって。
 『人を救う為に頑張ってたのに欠席扱いなんて許せない!』と言って、職員室に乗り込んでいきました」
「おお、やりますねオヴィス殿」
「ふふ…本当にね、立派になった」

どうやら今回の災害で、オヴィスも立派に成長したらしい。
エバ王子を支える自覚が芽生えた彼に、もう何も言う事は無いとフェリスは微笑んだ。

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