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合わさる世界
夢と野望とやる気
しおりを挟む「本当に見つかってしまうとはな」
「ええ、この子のおかげです」
「ヒヒン!」
赤い狼煙を上げた次の日、辺境伯の屋敷から辺境伯本人とギル王子、辺境騎士数名と近衛2名と治癒師3名がやってきた。
「もう見つけてしまうなんて、さすがパッセル様」
「ええ、この子のおかげです」
「ヒヒン!」
その上、今日戻ってくる約束だった騎士と救助隊員と数人の村人もやってきた。
拠点は明らかにキャパオーバーだ。
このままではテントを張る場所すらない。
「土地だけでも、広げた方がいいか……」
クレイドは呟く。
そもそもこの大人数で行くのは厳しい。
隊列が長く伸びすぎると危険度が増す……
「パッセル、頼めるか?」
「ええ、治癒師様もいらっしゃるようですし……
フェリス殿は?」
パッセルも全員をダンジョンへ連れて行くのは無理だと判断した。
少なくとも2回に分けた方が良い。
先の方が危険か、後の方が危険かは時の運だが、大体の場合先の方が危険だ。
戦闘力は高い方が良いだろう。
「では我々と村の方々で……」
「ああ、すぐに取り掛かろう。
この場所を整えたら、メジロと一緒に追いつく」
「「えっ……!?」」
パッセルの提案に、リュノ王子が乗った。
「リュノ殿下……。
『我々』とは私と救助隊員の皆の事ですよ」
「だが魔法工法には、土魔法が必要だろう?
それに、後から彼らを連れて行くのなら、もう一人ぐらいはダンジョン経験者がいた方がいい」
「「……」」
彼もまた、メジロに学んだのか押しが強くなった。
その姿にギル王子は半分呆れ、半分羨ましそうにしながら言った。
「では、拠点の件は二人に任せよう。
クレイド、先導を頼む!」
***
ダンジョン組が出掛けた後、パッセルはリュノと残った人たちと共に拠点の拡張に取り掛かった。
「どうせだったら鍛冶場も作りましょうか。
武器や防具を修理できる場所、というか」
「いいですね!
ポーションを調合できる場所とか」
せっかく拡げるなら、小屋ばかり作っても仕方が無い。
だったら昨日作った小屋を改造して別の場所に変え、もっとしっかりした備蓄庫を作って…
ゆくゆくはちょっとした屋台を出せたら、村の出張所みたいになったら…。
「よし、ではまず土地を広げましょう…
ダンジョンとは反対側に」
「「了解!」」
未来へのビジョンはやっぱり必要だ。
人々のやる気に繋がる。
「パッセル、俺は何をしたら?」
「そうですね…この辺り一面、平らに均して貰えると」
「ふむ、テントを張る場所だな?」
「ええ、ゆくゆくはここに宿屋を建てる事になるでしょうから、長方形になるように……」
「分かった、任せろ」
こうしてリュノもやる気になっている。
土魔法は自分の係だと言わんばかりに……
「問題は水ですね…。
どうにか井戸が出来たら良いんですが、今のところは水魔法に頼る以外になさそうだ」
「ぶるる」
そんな言葉を聞きながら、パッセルの愛馬はその辺に生えている草を食べ……
また空気の匂いを嗅ぎ始めた。
■□■□■□■□■□■
一方その頃、ダンジョン組は昨日の遺跡へと到着していた。
「やっぱり、魔物は出なかったな」
「ここに出るはずだった奴が全部外へ逃げた…とか?」
「もしかして、魔物が出る道順もあるんじゃないか?
曲がり角を別の方角へ行ったら出るとか」
「ふーむ、なかなか難しいものだな」
道中で出る魔物を潰せなければ、今の「魔物増殖」に対抗できない可能性が高い。
「だが、その話は後にしよう。
今はあの先にあるという穴へ行ってみようじゃないか」
「そうですね、一体どんな魔物がいるのか」
一行はぞろぞろと、昨日ネズミが大量に出て来た穴へと入り…
「フェリスは俺と一緒に最後尾を行こう」
「うん…、僕、拠点で待ってた方が良かったかな」
「いや、途中で薬が無くなったら困るだろ?」
「うーん…そうかなぁ」
フェリスとクレイドは、最後にその階段を降りる。
これだけの人間がいれば、さすがに魔物に負ける事は無いだろう。
「ダンジョンの中に薬草が生えてるなら、それもできるだけ集めたいしな」
外で採れる薬草とダンジョン内の薬草で違うところがあるのなら、それもまた換金対象になる。
クレイドは西のダンジョンを管理するために、情報を集めたいのだ……
将来の、西の辺境伯として。
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