【完結】ざまぁは待ってちゃ始まらない!

紫蘇

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収まるべきところへ

卒業式、そして…

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学園の卒業式はつつがなく終了した。

親父がめちゃくちゃ泣いてた。
周りの人たちはちょっと引いてた。

だって、すごく普通の卒業式というか…

校長の話を聞いて、送辞、答辞…それから名前を呼ばれて、卒業証書もらって。
いたって普通の…

って俺、前世では中学校の卒業式出てないし、高校のも出てないから…小学校以来か。
そりゃ親父が泣くはずだわ。
セジュールも一緒に卒業だしな。

「おめでどぉ、ゆ…ロンバード」
「うん、ありがと親父」
「ぜじゅーるもぉ、お、おめでどぉお」
「ありがとうございます、ギゼル父上」

親父の涙はなかなか止まらなくて、周りも「ちょっと」から「ドン引き」になった。
乳母車に乗ったリリアンナは俺の作ったドレス着て哺乳瓶を咥えてた。
メルバ父さんはめっちゃ写真撮ってた。
主に親父の。

まあ、俺の写真はダリル様が撮ってるし、セジュールの写真は俺が撮ってるからいいんだけどね。

メルバ父さんは親父が一番の人だから…。

「ぎょ、ぎょうはぁ、かえってぐる?」
「うん、夜の卒業パーティーが終わったら…」
「ぜっだいがえってきてなぁ、ぜっだい」
「お、おう、分かった」

泣きじゃくる親父をメルバ父さんに託し、俺とセジュールは一緒に卒業する皆のところへ走る。
卒業パーティーまで、学生寮で一緒に過ごそうって約束したんだ。
もちろん、ダリル様も一緒にね。

「みんな、お待たせ!」
「ロンバード君、遅いぞ!」
「ごめん、親父がすっげえ泣くから…」
「ふふ、皆さん驚いていらっしゃいましたね。
 あの大魔術師が泣くなんて、と」
「ええ…」

そんな血も涙もないみたいな人間に見えてんのかな、親父…。
と、そんな心配をしていると、レドモンド君の後ろから声が。

「やっぱりロンバードは特別なのかもな」
「あれ、ヨークさん!?どうしてここに」
「んーと、それは後でのお楽しみ」
「?」

お楽しみって、何を?
と、小首をかしげる俺にレドモンド君が言った。

「…さ、腹も減っただろう?料理もそろそろ出来ている頃だ、行こう」
「そうだった!どんな料理か楽しみ!」

今日はみんなの国で食べられている軽食を用意してくれたんだって。

「おにぎりあるかなぁ」
「勿論だよ!あと、梅を漬けたのもね」
「おおー、楽しみ!」
「うちはカレーよ!辛いの少しだけにした!」
「カレー!やった!」

サラシナのご飯はこの前食べたけど、他の国のも気になるんだよな~。
まずはこうして、他の国の料理が気軽に楽しめるようになったら…旅行に行く人も増えるかな。
商業ギルドには頑張ってもらわないとね!

***

学園寮での茶話会は、ミリエッタさんにポム爺や他の寮生も加わって賑やかになった。
寮に入りたての頃にあった晩餐会を思い出す…あの時は俺だけ机があったんだよね。
そんで、ずっとセジュールとダリル様が付いててくれて、色んな国の人から色んな話を聞いた。

そうそう、あの時火山灰で困ってた国も、何とか作物が育つぐらいまでには灰が除去できて、そのうえ灰から砂鉄を取り出す仕事も出来たんだって。

「でも、もう暫くシュージンキどろぉんを借りたいって」
「あ~…でも、一年を目途に一回こっちに戻して欲しいんだよね。
 メンテ…壊れたとことか、壊れそうなとこを修繕してやらないといけないから」
「分かった、連絡しとく~」

来年、この寮にどこの国の誰がいるようになるのかな。
基本的に年齢は関係ない場所だから、きっと国籍も年齢もバラバラになるけど…と、そこまで考えて、俺はふとミリエッタさんを見る。

女の子も来るんだったら、女子寮も必要になるよな。

「また建築ゴーレムがいるなぁ」
「ゴーレムといえば、義肢の開発は進んでるの?」
「うん、少しずつね。
 関節部分が出来つつあるってとこだけど…腕の方は難航してる」

…北端の村で、サヴィ君と約束した。
腕の代わりになる物を作るって。
だけど腕の場合、必要な魔力をどこから持って来るのかがまず難しい。
足と違って、地面に付いてないから。
それに…

「細かい動きがね…指って偉大だなって思う」
「指が偉大…?」
「うん、やっぱり細かい動きを制御するって相当神経使うよね」

その分関節を増やすと、使う魔力も増える。
ただ鍋を掴むというだけで、魔力欠乏症のお守りで集められる魔力の倍以上の魔力がいる…今のところは。

「ゴーレムの理論じゃ、限界があるのかなって…
 今はまだ試行錯誤の最中だよ」

結婚しても、子どもを産んでも、続けるべき仕事がある。
それは幸せなことだけど、下手すると王子妃より責任重大…

「ああ、そうか」

だから「王子妃の地位」が必要無い仕事を、他の人がしてくれるのか。
王子妃は俺でなくても良いっていうのは、そういう意味で…

「…あの、ダリル様」
「何だ、ロンバード?」
「ダリル様だけは、俺が王子妃じゃないと困る?」
「困るな。
 後継ぎが出来ん。
 お前しか抱けないと何度も言ってるだろ」
「ふふ、そうでしたね」

皆にとっては、王子様の伴侶が誰だっていいのかもしれないけど。
俺とダリル様だけは、そうじゃないと困る…
そうじゃないと嫌だ、とも言うけど。

だからこれで良いんだ。
だって、結婚は2人でするものだから。
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