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誰っ!?
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2月22日の夕方、いつも通り美乃里は学校から家へと続く帰り道を急いでいた。急ぐ理由は一刻も早くシロとクロに会うためだ。
今日は2月22日。ねこの日だ。美乃里は特別にシロとクロのためにプレゼントを用意していた。
しかし、あっ! と足を止める。
「いけない……餌、あったかな…………」
美乃里が立ち止まった場所は、家とペットショップの分かれ道。しかし一瞬の逡巡ののち、家へ帰る事にした。
プレゼントにばかり気をとられて、美乃里は餌の事をすっかり忘れてしまっていたのだった。
「シロとクロにまずは会わなきゃ。帰って餌の残りが少なかったら散歩のついでに出かければいいか」
それならばシロとクロにより長く一緒に居られる! という名案を思い付き、残りの帰路をダッシュして帰った。
ポーン、という音と共にエレベーターの扉が開く。
少女の部屋は10階建てマンションの最上階、さらに角部屋でマンション中で一番広い部屋、という素晴らしい立地だ。別に学生でも暮らせるほど安い、曰く付きの部屋。という訳でもなく、ただ美乃里の父がマンションを所有しているだけである。今は独り暮らしをしているが。
エレベーターがあるのはマンションの中央。そこから美乃里の部屋まで走って十数秒。鍵を光の速さで開け、
「たっだいま~!!」
と元気に扉を開けた。
「…………?」
いつもなら我先にと飛び付いてくるはずの2匹の姿がない。
気づいてないのかな? と名前を呼んでみる。
「シロ~? クロ~? 帰ったよ~?」
……………………
無反応。
まあ、こんなこともあるか。と靴を脱ぎ、リビングへと続く扉へと歩く。
ガチャ。
「…………やっぱり居ない。どこだろう」
やはりリビングも無人だった。
誰も居ないリビングを見回し、あっ! と何かを思い付いたように手を、ポン! とたたく。
「ふふふ……かくれんぼのつもりかな? どっかに隠れていて驚かす算段でしょう。……見つけ出して見せる!」
ありもしない考えを巡らせ、手をわきわきさせながら部屋中を探し回る。
ソファの下、小さな隙間、カーテンの裏。
しかしどこにもいない。
と、
ガタッ!
「この音……私の部屋のタンスだな! よし!」
音だけで2匹の居場所を判別するという謎のスキルを発動させた美乃里は、廊下へ戻って自室の扉の前に仁王立ちで立った。
「どうせタンスの中に隠れようって考えね! そうはいかないんだ、か……ら!」
いちにーのっさん! のリズムで扉を勢いよく開ける。
そこで美乃里が見た光景は――――
タンスの中に、体をつっかえさせながらも足をじたばたさせながら一生懸命入ろうとしている2匹の愛らしい子猫たちの姿………ではなく。
「美乃里ちゃん帰ってきちゃうよ! はやく、はやく!」
「どれでしょう?」
タンスの中へ手を突っ込み、わしゃわしゃしながら中身を漁る、腰まである艶のある黒髪で全裸の少女と、その少女の肩に手をついて覗き込むポニーテールで白髪の、同じく全裸の少女だった。
ドサッ!
その音に反応してか、二人の全裸の少女が振り替える。
「あ、美乃里ちゃん、お帰りなさい!」
「おかえりなさい」
そこに居たのは、持っていた鞄を取り落とし、廊下の反対側の壁まで後ずさって怯える美乃里の姿であった。
今日は2月22日。ねこの日だ。美乃里は特別にシロとクロのためにプレゼントを用意していた。
しかし、あっ! と足を止める。
「いけない……餌、あったかな…………」
美乃里が立ち止まった場所は、家とペットショップの分かれ道。しかし一瞬の逡巡ののち、家へ帰る事にした。
プレゼントにばかり気をとられて、美乃里は餌の事をすっかり忘れてしまっていたのだった。
「シロとクロにまずは会わなきゃ。帰って餌の残りが少なかったら散歩のついでに出かければいいか」
それならばシロとクロにより長く一緒に居られる! という名案を思い付き、残りの帰路をダッシュして帰った。
ポーン、という音と共にエレベーターの扉が開く。
少女の部屋は10階建てマンションの最上階、さらに角部屋でマンション中で一番広い部屋、という素晴らしい立地だ。別に学生でも暮らせるほど安い、曰く付きの部屋。という訳でもなく、ただ美乃里の父がマンションを所有しているだけである。今は独り暮らしをしているが。
エレベーターがあるのはマンションの中央。そこから美乃里の部屋まで走って十数秒。鍵を光の速さで開け、
「たっだいま~!!」
と元気に扉を開けた。
「…………?」
いつもなら我先にと飛び付いてくるはずの2匹の姿がない。
気づいてないのかな? と名前を呼んでみる。
「シロ~? クロ~? 帰ったよ~?」
……………………
無反応。
まあ、こんなこともあるか。と靴を脱ぎ、リビングへと続く扉へと歩く。
ガチャ。
「…………やっぱり居ない。どこだろう」
やはりリビングも無人だった。
誰も居ないリビングを見回し、あっ! と何かを思い付いたように手を、ポン! とたたく。
「ふふふ……かくれんぼのつもりかな? どっかに隠れていて驚かす算段でしょう。……見つけ出して見せる!」
ありもしない考えを巡らせ、手をわきわきさせながら部屋中を探し回る。
ソファの下、小さな隙間、カーテンの裏。
しかしどこにもいない。
と、
ガタッ!
「この音……私の部屋のタンスだな! よし!」
音だけで2匹の居場所を判別するという謎のスキルを発動させた美乃里は、廊下へ戻って自室の扉の前に仁王立ちで立った。
「どうせタンスの中に隠れようって考えね! そうはいかないんだ、か……ら!」
いちにーのっさん! のリズムで扉を勢いよく開ける。
そこで美乃里が見た光景は――――
タンスの中に、体をつっかえさせながらも足をじたばたさせながら一生懸命入ろうとしている2匹の愛らしい子猫たちの姿………ではなく。
「美乃里ちゃん帰ってきちゃうよ! はやく、はやく!」
「どれでしょう?」
タンスの中へ手を突っ込み、わしゃわしゃしながら中身を漁る、腰まである艶のある黒髪で全裸の少女と、その少女の肩に手をついて覗き込むポニーテールで白髪の、同じく全裸の少女だった。
ドサッ!
その音に反応してか、二人の全裸の少女が振り替える。
「あ、美乃里ちゃん、お帰りなさい!」
「おかえりなさい」
そこに居たのは、持っていた鞄を取り落とし、廊下の反対側の壁まで後ずさって怯える美乃里の姿であった。
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