続・異世界温泉であったかどんぶりごはん

渡里あずま

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暑さ対策の現代知識

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 恵理や他の店では、スタンプラリーを行っている。そしてスタンプを貯め、一食無料になる対象にカツカレー丼を希望する客が出てきたのだ。
 カレーはこの店にしては高価だが、スタンプは二十食分食べたら、一食無料になる。それくらい通って貰っているので、提供は問題ない。ただ、カレーは材料費の関係で予約分のみの提供なので、翌日以降にはなるのだが――文句は出ず、むしろ試しに食べた客がカレーの魅力にハマり、定期的に注文するようになった。嬉しい誤算である。
 そんな訳で、暑くなっても売り上げ自体はあまり落ちていない。ありがたいばかりだ。
 感謝しつつ閉店後、レアンや閉店間際にやって来たサムエル達と夕食を食べながら、恵理は思いつくままに呟いた。

「あったら、嬉しいもの……しょっちゅうお風呂に入るから、ドライヤー? それと、打ち水効果を利用した、屋根散水とか……」
「……エリ様、それ、何?」

 匠なローニに聞けばいいだろうか? そう思っていると、聞き慣れない単語にミリアムが灰色の目を輝かせて聞いてきた。しまった。ミリアム達は、恵理が異世界からの転移者だと知っているのでつい気が緩んでしまった。
 しかし、聞かれたものは仕方ない。そう恵理は開き直り、ミリアムに説明することにした。

「私のいた世界にあったの。ドライヤーは温かい風で濡れた髪の毛を乾かすもので、屋根散水は冷たい水を撒くことで蒸発する時に周囲の熱を奪うから、そのおかげで屋根と室内の温度が下がるの……ただ、改めて考えるとドライヤーとか屋根散水は魔石一つじゃ足りないわ。でも、魔石を複数使う道具ってあんまり聞かないわよね?」
「確か、に」
「へー! 師匠の故郷は本当、すごい物がいっぱいですね!」
「それこそ、魔法みたいですね」

 恵理の説明に、ミリアムが眉を寄せて頷く。そしてサムエルとレアンは、それぞれ感心して声を上げた。
 確かに、異世界の感覚だと魔法のようなものだろう。ただ竃や換気扇のように、電気の代わりに魔石を使うものがあるので、出来なくはない気がするのだが。
 そこまで考えて、恵理はふとあることを思いついた。

「ミリー? ミリーは、自分の魔力を魔石に付与出来るわよね?」
「? ん」
「そして、複数属性があるのなら……風と水の二属性を、一つの魔石に付与することは出来る?」
「っ!?」

 そして、思いついたまま尋ねると――ミリアムは、カッと灰色の瞳を大きく見開いた。
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