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文化祭の灰かぶり君1
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幾つか試作品を作り、洗い物なんかを考えて最終的にメニューは『シフォンケーキ・ガトーショコラ・ロールケーキ』にした。
たこ焼き器ドーナツは断念したけど、試作品共々返しに行くと寮長には「えぇよー、これうまいなー」と笑顔で言われた。あぁ、委員長もだけど金持ちでも良い人っているんだなとしみじみ思う。
……もっとも、Sクラスの面々は安定のボイコットで。
SHRの後、飛び出していったのを見送って、俺達五人は開店準備を始めた。
「すご……」
それぞれ、メイド服と執事服に身を包んだ真白と奏水、そして一茶と藤郎を見て俺は思わず声を上げた。
一日だけなんで、レンタルしたけど――黒いパフスリープのミニ丈ワンピとヒラヒラエプロンに、燕尾服みたいなジャケットとシャツとズボン。ど定番の格好なんだけど、真白と奏水は可愛いとしか言えないし、前髪を上げた一茶と藤郎は文句無しのイケメンだ。
「出灰も可愛いぞっ」
「……ありがと?」
笑顔で真白に言われたのに、何て返して良いか解らなくて、とりあえずお礼を言ってみた。
今日の俺はシャツの上に、何故か真白達と同じヒラヒラエプロンをつけている。
お揃いが良いって、子供みたいだよな――まあ、食い物扱うのにエプロンはつけるから、別に良いけど。
「お待たせしました、お嬢様。ロールケーキと紅茶をお持ちしました」
「ガトーショコラと、珈琲ですね? かしこまりました、ご主人様」
厨房と区切る為に立てた衝立の向こうから、一茶や奏水の声が聞こえる。
途端に歓声やため息が聞こえるんで、好評なんだろう。まあ、逆だったら「あなたの目は節穴でございますか?」って思うけど。
「出灰。シフォンケーキとミルクティー」
「了解」
材料を炊飯器に流し込んだところで、真白から注文が入った。
まずは紅茶を、とカップをお湯で温めて、ティーバッグを用意する。それからお湯を捨て、ティーバックと新たにお湯を入れたところで、俺はカップに皿で蓋をした。
蒸らしてる間に、牛乳をレンジで軽く温めて切り分けておいたケーキを皿に乗せる。
そしてティーバッグを取り出し、牛乳を注ぐと俺はそれらをトレイに乗せた。
「はい、完成。頼んだぞ」
「おう! 任せとけっ」
そう言って、意気揚々と運んでいく真白を見送ると俺はボールや泡立て器なんかの洗い物をまとめた。
それから真白達に「留守にする」と伝える為にベルを鳴らし、俺は教室を後にした。
※
「申し訳ございません、お嬢様。こちらで少々、お待ち頂けますか?」
教室の外では、藤郎が執事姿で女の子達に待機用の椅子を示していた。そんな藤郎に、女の子達が目を輝かせながら頷いている。うん、穏やかで控えめだけど藤郎も十分、カッコイイからな。
(よしっ!)
心の中で気合いを入れて、俺は調理室へと向かう。
今みたいに洗い物、あとは焼いて少し冷ましたケーキを冷蔵庫に運んだり、逆に冷やしたケーキを運んだりで――大体、十五分から二十分くらいごとに俺は教室と調理室を往復している。
会長親衛隊のチワワ達からは「洗い物くらいなら、やってあげてもいいけど!」と言われたが、俺は気持ちだけを受け取った。今回は、俺が頑張らないとSクラスの連中が納得しないからだ。
「おい、止まれ」
「えっ……あ、すみませんでした」
そんな俺に、不意に声がかけられる。
何だ、と振り向くとそこには風紀委員長がいて――廊下を走っていたからかと謝ると、風紀委員長はつ、と眉を寄せた。あれ、違ったのか?
「口を開けろ」
「……はい?」
そんな俺に、風紀委員長が不思議なことを言う。まあ、変なこともされないだろうと口を開けると、風紀委員長はポケットから取り出した何かを包みから出し、俺の口の中へと入れた。
たこ焼き器ドーナツは断念したけど、試作品共々返しに行くと寮長には「えぇよー、これうまいなー」と笑顔で言われた。あぁ、委員長もだけど金持ちでも良い人っているんだなとしみじみ思う。
……もっとも、Sクラスの面々は安定のボイコットで。
SHRの後、飛び出していったのを見送って、俺達五人は開店準備を始めた。
「すご……」
それぞれ、メイド服と執事服に身を包んだ真白と奏水、そして一茶と藤郎を見て俺は思わず声を上げた。
一日だけなんで、レンタルしたけど――黒いパフスリープのミニ丈ワンピとヒラヒラエプロンに、燕尾服みたいなジャケットとシャツとズボン。ど定番の格好なんだけど、真白と奏水は可愛いとしか言えないし、前髪を上げた一茶と藤郎は文句無しのイケメンだ。
「出灰も可愛いぞっ」
「……ありがと?」
笑顔で真白に言われたのに、何て返して良いか解らなくて、とりあえずお礼を言ってみた。
今日の俺はシャツの上に、何故か真白達と同じヒラヒラエプロンをつけている。
お揃いが良いって、子供みたいだよな――まあ、食い物扱うのにエプロンはつけるから、別に良いけど。
「お待たせしました、お嬢様。ロールケーキと紅茶をお持ちしました」
「ガトーショコラと、珈琲ですね? かしこまりました、ご主人様」
厨房と区切る為に立てた衝立の向こうから、一茶や奏水の声が聞こえる。
途端に歓声やため息が聞こえるんで、好評なんだろう。まあ、逆だったら「あなたの目は節穴でございますか?」って思うけど。
「出灰。シフォンケーキとミルクティー」
「了解」
材料を炊飯器に流し込んだところで、真白から注文が入った。
まずは紅茶を、とカップをお湯で温めて、ティーバッグを用意する。それからお湯を捨て、ティーバックと新たにお湯を入れたところで、俺はカップに皿で蓋をした。
蒸らしてる間に、牛乳をレンジで軽く温めて切り分けておいたケーキを皿に乗せる。
そしてティーバッグを取り出し、牛乳を注ぐと俺はそれらをトレイに乗せた。
「はい、完成。頼んだぞ」
「おう! 任せとけっ」
そう言って、意気揚々と運んでいく真白を見送ると俺はボールや泡立て器なんかの洗い物をまとめた。
それから真白達に「留守にする」と伝える為にベルを鳴らし、俺は教室を後にした。
※
「申し訳ございません、お嬢様。こちらで少々、お待ち頂けますか?」
教室の外では、藤郎が執事姿で女の子達に待機用の椅子を示していた。そんな藤郎に、女の子達が目を輝かせながら頷いている。うん、穏やかで控えめだけど藤郎も十分、カッコイイからな。
(よしっ!)
心の中で気合いを入れて、俺は調理室へと向かう。
今みたいに洗い物、あとは焼いて少し冷ましたケーキを冷蔵庫に運んだり、逆に冷やしたケーキを運んだりで――大体、十五分から二十分くらいごとに俺は教室と調理室を往復している。
会長親衛隊のチワワ達からは「洗い物くらいなら、やってあげてもいいけど!」と言われたが、俺は気持ちだけを受け取った。今回は、俺が頑張らないとSクラスの連中が納得しないからだ。
「おい、止まれ」
「えっ……あ、すみませんでした」
そんな俺に、不意に声がかけられる。
何だ、と振り向くとそこには風紀委員長がいて――廊下を走っていたからかと謝ると、風紀委員長はつ、と眉を寄せた。あれ、違ったのか?
「口を開けろ」
「……はい?」
そんな俺に、風紀委員長が不思議なことを言う。まあ、変なこともされないだろうと口を開けると、風紀委員長はポケットから取り出した何かを包みから出し、俺の口の中へと入れた。
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