8 / 21
8
しおりを挟む
◇
「ごめん、ストウ。酷いことをしてしまって」
湯船に浸かり、アルドルの巨体に包まれる。暖かい湯とアルドルの心地よい肌の感覚にうっとりとしていると、彼が改まって僕に謝罪をした。慌てて振り返ると、しゅんとした瞳と搗ち合う。
「私は君をお金で釣った。そして痛がって怖がる君を無視して、性欲を優先させた。本当に、申し訳ない────」
「あ、謝らないでくださいご主人さま」
背後からぎゅうと抱きしめられ、僕は声を荒げた。向かい合い、彼に抱きつく。湯に浸され火照った体は、とても気持ちがいい。
「確かに、ちょっと怖かったし痛かったです……でも、すごく気持ちよかったです。本当です。」
それに……と言葉を詰まらせ、黙る。彼の触手が、濡れた僕の前髪を掻き上げた。
「……あの、その……妹の件がなくても、ご主人さまのお誘いに乗ってました……」
頬が染まる。アルドルに「金で釣られた」と勘違いはしてほしくない。僕は彼を尊敬しているし、好きだ。だから、行為を受け入れた。
「また、しましょう? 僕……慣れるように、頑張ります」
ちゅっと彼の頬にキスをする。アルドルはフルフルと震え、勢いよく僕を抱きしめた。その力強さに肺が圧迫される。
「ストウ……君は本当に、いい子だね……私に気を遣ってくれて……」
違う、そうじゃない。そう言いたかったが口を塞がれた。長い舌が口内を埋め尽くす。じゅるりと音を立てて離れた彼は、目を細めていた。
「大好きだ。ストウ」
そう言われ、僕もですと頷く。アルドルの体に抱きつき、頬を寄せて目を瞑った。
「ごめん、ストウ。酷いことをしてしまって」
湯船に浸かり、アルドルの巨体に包まれる。暖かい湯とアルドルの心地よい肌の感覚にうっとりとしていると、彼が改まって僕に謝罪をした。慌てて振り返ると、しゅんとした瞳と搗ち合う。
「私は君をお金で釣った。そして痛がって怖がる君を無視して、性欲を優先させた。本当に、申し訳ない────」
「あ、謝らないでくださいご主人さま」
背後からぎゅうと抱きしめられ、僕は声を荒げた。向かい合い、彼に抱きつく。湯に浸され火照った体は、とても気持ちがいい。
「確かに、ちょっと怖かったし痛かったです……でも、すごく気持ちよかったです。本当です。」
それに……と言葉を詰まらせ、黙る。彼の触手が、濡れた僕の前髪を掻き上げた。
「……あの、その……妹の件がなくても、ご主人さまのお誘いに乗ってました……」
頬が染まる。アルドルに「金で釣られた」と勘違いはしてほしくない。僕は彼を尊敬しているし、好きだ。だから、行為を受け入れた。
「また、しましょう? 僕……慣れるように、頑張ります」
ちゅっと彼の頬にキスをする。アルドルはフルフルと震え、勢いよく僕を抱きしめた。その力強さに肺が圧迫される。
「ストウ……君は本当に、いい子だね……私に気を遣ってくれて……」
違う、そうじゃない。そう言いたかったが口を塞がれた。長い舌が口内を埋め尽くす。じゅるりと音を立てて離れた彼は、目を細めていた。
「大好きだ。ストウ」
そう言われ、僕もですと頷く。アルドルの体に抱きつき、頬を寄せて目を瞑った。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
24
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる