ご主人さまと僕

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「ごめん、ストウ。酷いことをしてしまって」

 湯船に浸かり、アルドルの巨体に包まれる。暖かい湯とアルドルの心地よい肌の感覚にうっとりとしていると、彼が改まって僕に謝罪をした。慌てて振り返ると、しゅんとした瞳と搗ち合う。

「私は君をお金で釣った。そして痛がって怖がる君を無視して、性欲を優先させた。本当に、申し訳ない────」
「あ、謝らないでくださいご主人さま」

 背後からぎゅうと抱きしめられ、僕は声を荒げた。向かい合い、彼に抱きつく。湯に浸され火照った体は、とても気持ちがいい。

「確かに、ちょっと怖かったし痛かったです……でも、すごく気持ちよかったです。本当です。」

 それに……と言葉を詰まらせ、黙る。彼の触手が、濡れた僕の前髪を掻き上げた。

「……あの、その……妹の件がなくても、ご主人さまのお誘いに乗ってました……」

 頬が染まる。アルドルに「金で釣られた」と勘違いはしてほしくない。僕は彼を尊敬しているし、好きだ。だから、行為を受け入れた。

「また、しましょう? 僕……慣れるように、頑張ります」

 ちゅっと彼の頬にキスをする。アルドルはフルフルと震え、勢いよく僕を抱きしめた。その力強さに肺が圧迫される。

「ストウ……君は本当に、いい子だね……私に気を遣ってくれて……」

 違う、そうじゃない。そう言いたかったが口を塞がれた。長い舌が口内を埋め尽くす。じゅるりと音を立てて離れた彼は、目を細めていた。

「大好きだ。ストウ」

 そう言われ、僕もですと頷く。アルドルの体に抱きつき、頬を寄せて目を瞑った。
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