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オマケ
*クリスマスの夜に
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「本日は『地球』ではクリスマスと言う日らしいですね」
夕飯を済ませて、シーモスの部屋をたずねた泰樹に部屋の主は唐突にそう言った。
「ああ、そうなのか? すっかり忘れてた。……ま、俺には関係ねーな」
クリスマスは家族やカップルのモノ、と言う意識が泰樹にはある。今や独り身となった自分には縁遠いモノだ。
「おや。クリスマスの夜は、恋人同士で過ごすものだと聞きましたよ。……例えば私とではご不満ですか」
「恋人? アンタが?」
シーモスの言葉に、泰樹は面食らって聞き返した。
「……そっか。俺は、アンタのモノ、だから。アンタがそう思うなら……そう、かも?」
急に気恥ずかしくなって、泰樹は首元の『奴隷の証』を触りながら、シーモスから目をそらす。ガリガリと髪をかき回して、やり場のない気持ちを落ち着けようとする。
「タイキ様。少なくとも私は、貴方とクリスマスの夜を過ごしたいと……そう思いますよ」
「……!? う、うん……っそ、それなら、お、俺だって、アンタと過ごしたい……っ」
かぁっと顔に血が上る。時々、シーモスは恥ずかしげも無く、好意を伝えてくる。
それが嬉しいと同時に、ひどく恥ずかしかった。
「私がうかがった所によると、クリスマスにはプレゼントがつきものだとか」
「ああ、うん。美味いモノ食ってさ、プレゼント交換したりするんだよ」
「ふふふ。ではこちらをどうぞ。プレゼントでございます」
シーモスが、包装紙に包まれた何かを差し出す。どうやらこれは、『地球』で買い求めた物らしい。泰樹はそれを受け取って、困ったように笑う。
「え、俺……何にも用意してねえぞ?」
「タイキ様からは後でたっぷりとプレゼントをいただきます。さあ、開けてみて下さいませ!」
「あ、うん」
大喜びで、泰樹は紙包みを開く。中には赤い布と白いファーで出来た服らしきモノが入っている。
「サンタ、の服?」
「着てみて下さいませんか? タイキ様」
「うん。いいぜ」
せっかくだから、と泰樹はシーモスの私室から扉を隔てた工房へ向かう。そこで着替えて、シーモスの部屋へ戻った。
「……なに、これ?」
それは服と呼ぶには、あまりにも薄かった。赤い布地は面積も少なくて、あまりにも頼りなく、煽情的だ。
申し訳程度に胸を覆う赤いブラは薄布で、乳首が隠れない。それとヒモでつながったきわどいレースのパンツとガーターベルト。腹の辺りは薄い布が垂れて、その裾には白いフェイクファーの縁取りがついている。一応サンタ帽もついていているが、これは明らかに。
「服、じゃねえよな。下着? しかも女物の……」
一応着ては見たモノの、流石の泰樹もドン引きである。シーモスの趣味が解らない。
「……こんなの、おっさんに着せて何が楽しいんだ?」
真顔で泰樹はたずねるが、シーモスは「良くお似合いですね!」と、うれしそうだ。
「しかも、どうせこれから脱ぐんだぞ?」
「まあ、それはそうなのですが。プレゼントは、ラッピングも大切でございましょう?」
「うーん。そんなもんか?」
首を傾げる泰樹だが、シーモスにとってはそう言うものらしい。
「それにしても、よくサイズがあったな……」
「はい。実はこっそり測らせていただいておりました」
「……あ、そう。もしかして、これって手作り?」
「いえいえ。これは『地球』にて買い求めた品でございます。うん、うん。私の見立て通り、サイズもぴったりで……」
うっとりと微笑むシーモスを見て、泰樹は自分の身体を見下ろす。
――そう言えば最近ちょっと太ってきたな。
このところ食事が美味しくて、つい食べ過ぎている自覚はある。その上にこんな格好をさせられて、恥ずかしいことこの上ない。
「……アンタって、変だよなぁ」
しみじみとつぶやいて、泰樹はため息をついた。
「お気に召して、いただけませんでしたでしょうか……?」
いつになく弱気な表情で、シーモスがたずねる。
「いや、アンタがよろこぶんなら別に……でもコレ、すっごく恥ずかしいんだけど」
羞恥からふいと顔を背ける泰樹に微笑みかけて、シーモスは手を伸ばす。
「……では、こういたしましょう」
シーモスの手が泰樹を抱き寄せた。そのまま、ベルベットみたいな柔らかな布で目もとを覆われる。
「……ほら。これなら、何も見えない。恥ずかしくは無いでしょう?」
「ちょっ! 待っ……っ!!」
制止の声は唇でふさがれた。ぬるりと入り込んできた舌先が歯列をなぞり、泰樹の口内を蹂躙する。
「……っふぅ……んっ」
キスの合間に漏れ出る吐息は甘く、熱を帯びていく。
いつの間にか、泰樹の腕はシーモスの首筋へ回されていた。もっとして欲しいと、ねだるように。
「タイキ様。……素敵です。大好き、でございますよ?」
耳元にささやきかけられた言葉に、びくりと肩が震える。
「俺だって、アンタのこと……」
「はい。存じ上げております」
くすくすと笑いながら、シーモスは再び泰樹の口を塞いだ。今度は触れるだけの優しい口付けだった。
「さて、それではプレゼントをいただきましょうか」
「うん。もらってくれよ」
泰樹は照れくさげにはにかむが、その視界はふさがれたままだ。
「もちろんでございますとも。……さあ、こちらへいらして下さいませ。タイキ様の欲しいものは、こちらですよ」
シーモスは泰樹の手をとって、ベッドへと導く。
「……なあ、シーモス。なんにも見えねえの、怖い」
「大丈夫です。私がしっかりとエスコートさせていただきますから」
シーモスの言葉に安堵した泰樹は、導かれるままのろのろと歩を進めた。
「……ああ、もう。本当に可愛い方ですね。タイキ様は」
シーモスの指先は、優しく泰樹の背中をなでた。
「……あっ!」
視界がなくなった分、膚は敏感で。少し触れられただけで、ぞくりと肌が粟立つ。
「お可愛らしい声をあげられて……そんなに感じるのでございますか?」
「……わかんねぇよ。そんなこと……」
「ふふふ。では、確かめて差し上げましょう」
「え? ……ひゃあぁっ!?」
突然、背後から乳首をつままれて、泰樹は悲鳴をあげた。敏感な場所を押しつぶされて、きゅっともてあそばれる。
「は、あ……あ、あぁ……っ」
「痛いのも、お好きでしょう?」
「……っやぁ、ちがっ……ぁっ……」
否定しようとすればするほど、身体は正直に反応してしまう。
「素直になって下さいまし。……ここが、こんな風になっているのは、なぜなのですか?」
「あ……っ!」
不意に股間をつかまれた。そこはすでに硬く勃起していて、シーモスの手の中で脈打っている。
「ん……あ、あ、アンタが、さわる、からぁ……っ」
「おやおや。ずいぶん期待なさっていらっしゃるのですね。……では」
不意に、シーモスの手が離れた。気配が遠い。何も見えない。不安に駆られて手探りでシーモスを探す。指先が何かに触れた。握り返してくれる手のひらに、ほっと心が温かくなる。
「あ……」
「どうなさいました?」
「……」
「言わなければわかりませんよ?」
「……触って、ほしい」
消え入りそうな声で、泰樹はつぶやく。
「どこを?」
「……どこでもいい、から……アンタが、ここにいるって感じさせてくれ」
泰樹はそろりと、捕まえた手を口元に運ぶ。しなやかな指先をそっとくわえて、舐め、しゃぶる。与えられたアメをむさぼる、子供のように。
「……ああ、よくできました。いい子にはご褒美を差し上げなくてはなりませんね」
「……う……ん、あぁ……っ」
再び始まった愛撫に、泰樹は甘い吐息を漏らす。目隠しされたままで、どこに触れられるのか解らない。それが、ひどく気分をあおった。
「タイキ様は、こんなところも感じてらっしゃるのですね」
「う……ん、きもち、イ……ぃ」
「それは良かった。……ほら、こんなところも」
「ふぁ……っ」
シーモスの手が、泰樹の身体中をまさぐる。脇腹や太ももの内側、皮膚が薄く感じるところを重点的に攻め立てられると泰樹は思わず甘い声を上げていた。
「……っふぅ、あ、あ……っ」
「ふふふ。タイキ様は、全身性感帯でいらっしゃいますね」
「っ! うっせ……っ」
恥ずかしさに頬を染める泰樹を、シーモスは後ろからぎゅっと抱きしめる。
「……では、こちらを」
シーモスの指先が、布越しに泰樹の秘所をつつく。泰樹は期待に打ち震えて、その先を待ちわびた。
「ん……っ触って……もっと……」
「どうか、力を抜いていただけますか?」
そう言って、シーモスは泰樹の後孔へ指先を埋め込んだ。
「ん……ふぅ……っ」
早く欲しいとばかりにヒクつくそこは、難なく異物を飲み込んでいく。
「タイキ様の中は、とても熱くて柔らかいですね」
「……ぅ、あ、あ……はやく……っ」
「まだ駄目ですよ。もっと解さないと」
シーモスは、ゆっくりと時間をかけて泰樹の体内を探るように指を動かす。
「あ……あ、あ……っ」
「ほら、もう2本目が入ってしまいますよ」
「っふぁ……あぁ……っ」
「ふふ。もう3本も飲み込まれてしまいましたよ」
シーモスの言葉通り、泰樹のソコは柔らかく、すでに3本目の指をくわえこんでいた。
「……あ、あ、あ……っも、いいだろ……?」
「はい、タイキ様。……私にもプレゼントを下さいますか?」
「うん……っ」
泰樹はこくりとうなずくと、手探りでベッドの上で四つんばいになる。そのまま、腰を高く掲げた。両手を使って自らの尻たぶを広げながら、シーモスへと差し出す。
「……お願い、だから……はや、く……っ」
「タイキ様は本当に淫乱なお方ですね」
「……っ!」
シーモスの言葉に、目隠しの下、泰樹の顔は真っ赤に染まった。
「そんなタイキ様が、大好きですよ」
「あ……ぁ……」
シーモスは、下着をずらして泰樹の蕾に己をあてがう。その瞬間、泰樹の身体がぴくりとはねた。
「では、プレゼントをいただきましょう」
「うん。もらって、たくさ……ああ……っ!!」
シーモスのモノが一気に奥まで突き立てられて、泰樹は大きく仰け反った。
馴れた形が気持ち良くて、たまらない。一瞬、意識が飛んだ。それでも、内壁は吸い付くように、待ちわびたモノに絡みつく。
「ふふふ。タイキ様は、挿れただけで達してしまわれたのですか?」
「……っふぁ、あ……?」
泰樹はろれつが回らない様子で、唇のはしからよだれを垂らしている。
「まあ、いいでしょう……動きますよ?」
「あ……あぁっ! うんっ……っ!」
シーモスは激しく抽挿を始める。
「あ、あ、ああぁっ!」
「ああ……すごい締め付けですね……タイキ様は、ここがお好きなんですね?」
「うんっ……あひ、あっ……すきぃ……!」
ぐりっと前立腺を押しつぶされて、泰樹は甘い悲鳴をあげた。
「あ、あ、あ……っ」
「ほら、どうなさいました? ……気持ちいいのなら、ちゃんとおっしゃってくださいまし」
「うぁ、あ、あ……きもち、イイ……っシーモスの、ナカ、ごりごりっ……っひて、あ、あ、っ……イイ……っ」
「そう。よく言えました。いい子にはご褒美をあげなくてはなりませんね」
「あぁっ!! ……んぁ、ああぁっ!!」
シーモスは泰樹の弱いところを攻め立てる。そのたびに、泰樹は身体を震わせて小さな絶頂を迎えた。
「ふふ。またイってしまわられたのですね?」
「んぁ、あぁ……っ今日、なんか、へん……っずっと、イってる……!」
「視界がふさがれているから、でございましょう。より敏感になっていらっしゃるのです」
泰樹は小さく頭を振って、懇願する。
「あ、あ……や、ら……っこれ、目隠し、とって……っ」
シーモスはゆっくりと首を振る。
「ダメ、でございます。私はまだまだ満足しておりませんから」
「ふぁ……あ、あ……!」
泰樹の身体をひっくり返すと、シーモスは再び泰樹の身体を組み敷いた。それから、泰樹の両足を抱え上げると、さらに深く楔を打ち込む。
「あぁっ! ……やぁっ! ふか、いぃ……っ」
「タイキ様は深いの、お好きでしょう?」
「ふぅ……っ、あ、あ……っ」
シーモスは泰樹の胸元に顔を埋めると、乳首を口に含んで吸い上げた。
「あ……っ」
「……っ」
その刺激に泰樹の秘所はきゅんと締まり、シーモスのモノをきつく包み込む。
「ふふ。タイキ様の中はとても熱いですね」
「んん……っ」
シーモスは泰樹に口づけて、舌を絡め取った。泰樹はそれにこたえて、むさぼられるまま舌先を差し出した。
「んぅ……っ」
「……ふふ。……タイキ様、私の愛を受け取っていただけますか?」
「……っ」
シーモスの言葉に、泰樹はこくりと小さくうなずいて応える。
「ありがとうございます」
シーモスは嬉しげに微笑むと、泰樹の足を大きく広げさせ、上から押し潰すようにして体重をかけた。
「あ……あ、あ……っ」
「ふふふ。さあ、たくさん注いでさしあげますよ」
「あ、まって……っシーモス……アンタの顔、見たい……」
泰樹は手探りで、シーモスの顔に触れる。
「アンタのかお、すき……っお願い……っ」
「……仕方ありませんね」
シーモスはため息をつくと、目隠しを外した。
「あ……っ」
途端に泰樹の目に飛び込んできたのは、シーモスの優しげな笑み。
「これでよろしいですか?」
「うん……」
泰樹はうっとりとした表情で、シーモスを見つめる。俺の『恋人』は、やっぱり顔が良い。そんな風に思ってしまって、顔が熱くなる。
「では、続きをいたしましょう」
「あ……あっ!」
再び律動を始めたシーモスに、泰樹は身体を揺らしながら甘い声をあげた。
「あぁ……っ」
「タイキ様……っ」
シーモスは泰樹の身体を抱き寄せる。
「……愛しています」
「……っ」
不意に、耳もとでささやかれた言葉。
それは、じわりと胸にしみる、泰樹が一番欲しかったプレゼント。
「俺、も……」
「え?」
「おれ、も……あいしてる……っ」
その瞬間に。
「……っ!?」
どくん、と。鼓動1拍とともに、泰樹は大量の精液を吐き出していた。
「あ……あぁ……っ!」
「……くっ」
同時に、シーモスもまた達する。
「あぁ……タイキ様……」
「ん……あぁ……おく、奥……あつい……っ」
シーモスは、泰樹の中に己の欲望を全て注ぎ込むと、そのまま泰樹の上に倒れこんだ。
「タイキ様……」
「……」
泰樹は思わず、シーモスの頭を優しく撫でていた。彼は、しあわせそうに身をすり寄せてくる。
――かわいい……
泰樹はそんなシーモスの様子を見て思う。
いつも余裕たっぷりに泰樹を抱くこの男が、まれにこんな表情を見せるのが、たまらなく可愛らしかった。
「……なあ」
「はい?」
泰樹が呼びかけると、シーモスはゆっくりと身を起こす。
「プレゼント、もっと、もらってくれる?」
「はい」
シーモスは、泰樹の唇にキスをした。触れるだけの、優しいキス。それだけで、じんと背筋がよろこびに震える。
「まだ夜は長いですから」
そう言って妖艶に笑うシーモスに、泰樹の胸が高鳴った。
夕飯を済ませて、シーモスの部屋をたずねた泰樹に部屋の主は唐突にそう言った。
「ああ、そうなのか? すっかり忘れてた。……ま、俺には関係ねーな」
クリスマスは家族やカップルのモノ、と言う意識が泰樹にはある。今や独り身となった自分には縁遠いモノだ。
「おや。クリスマスの夜は、恋人同士で過ごすものだと聞きましたよ。……例えば私とではご不満ですか」
「恋人? アンタが?」
シーモスの言葉に、泰樹は面食らって聞き返した。
「……そっか。俺は、アンタのモノ、だから。アンタがそう思うなら……そう、かも?」
急に気恥ずかしくなって、泰樹は首元の『奴隷の証』を触りながら、シーモスから目をそらす。ガリガリと髪をかき回して、やり場のない気持ちを落ち着けようとする。
「タイキ様。少なくとも私は、貴方とクリスマスの夜を過ごしたいと……そう思いますよ」
「……!? う、うん……っそ、それなら、お、俺だって、アンタと過ごしたい……っ」
かぁっと顔に血が上る。時々、シーモスは恥ずかしげも無く、好意を伝えてくる。
それが嬉しいと同時に、ひどく恥ずかしかった。
「私がうかがった所によると、クリスマスにはプレゼントがつきものだとか」
「ああ、うん。美味いモノ食ってさ、プレゼント交換したりするんだよ」
「ふふふ。ではこちらをどうぞ。プレゼントでございます」
シーモスが、包装紙に包まれた何かを差し出す。どうやらこれは、『地球』で買い求めた物らしい。泰樹はそれを受け取って、困ったように笑う。
「え、俺……何にも用意してねえぞ?」
「タイキ様からは後でたっぷりとプレゼントをいただきます。さあ、開けてみて下さいませ!」
「あ、うん」
大喜びで、泰樹は紙包みを開く。中には赤い布と白いファーで出来た服らしきモノが入っている。
「サンタ、の服?」
「着てみて下さいませんか? タイキ様」
「うん。いいぜ」
せっかくだから、と泰樹はシーモスの私室から扉を隔てた工房へ向かう。そこで着替えて、シーモスの部屋へ戻った。
「……なに、これ?」
それは服と呼ぶには、あまりにも薄かった。赤い布地は面積も少なくて、あまりにも頼りなく、煽情的だ。
申し訳程度に胸を覆う赤いブラは薄布で、乳首が隠れない。それとヒモでつながったきわどいレースのパンツとガーターベルト。腹の辺りは薄い布が垂れて、その裾には白いフェイクファーの縁取りがついている。一応サンタ帽もついていているが、これは明らかに。
「服、じゃねえよな。下着? しかも女物の……」
一応着ては見たモノの、流石の泰樹もドン引きである。シーモスの趣味が解らない。
「……こんなの、おっさんに着せて何が楽しいんだ?」
真顔で泰樹はたずねるが、シーモスは「良くお似合いですね!」と、うれしそうだ。
「しかも、どうせこれから脱ぐんだぞ?」
「まあ、それはそうなのですが。プレゼントは、ラッピングも大切でございましょう?」
「うーん。そんなもんか?」
首を傾げる泰樹だが、シーモスにとってはそう言うものらしい。
「それにしても、よくサイズがあったな……」
「はい。実はこっそり測らせていただいておりました」
「……あ、そう。もしかして、これって手作り?」
「いえいえ。これは『地球』にて買い求めた品でございます。うん、うん。私の見立て通り、サイズもぴったりで……」
うっとりと微笑むシーモスを見て、泰樹は自分の身体を見下ろす。
――そう言えば最近ちょっと太ってきたな。
このところ食事が美味しくて、つい食べ過ぎている自覚はある。その上にこんな格好をさせられて、恥ずかしいことこの上ない。
「……アンタって、変だよなぁ」
しみじみとつぶやいて、泰樹はため息をついた。
「お気に召して、いただけませんでしたでしょうか……?」
いつになく弱気な表情で、シーモスがたずねる。
「いや、アンタがよろこぶんなら別に……でもコレ、すっごく恥ずかしいんだけど」
羞恥からふいと顔を背ける泰樹に微笑みかけて、シーモスは手を伸ばす。
「……では、こういたしましょう」
シーモスの手が泰樹を抱き寄せた。そのまま、ベルベットみたいな柔らかな布で目もとを覆われる。
「……ほら。これなら、何も見えない。恥ずかしくは無いでしょう?」
「ちょっ! 待っ……っ!!」
制止の声は唇でふさがれた。ぬるりと入り込んできた舌先が歯列をなぞり、泰樹の口内を蹂躙する。
「……っふぅ……んっ」
キスの合間に漏れ出る吐息は甘く、熱を帯びていく。
いつの間にか、泰樹の腕はシーモスの首筋へ回されていた。もっとして欲しいと、ねだるように。
「タイキ様。……素敵です。大好き、でございますよ?」
耳元にささやきかけられた言葉に、びくりと肩が震える。
「俺だって、アンタのこと……」
「はい。存じ上げております」
くすくすと笑いながら、シーモスは再び泰樹の口を塞いだ。今度は触れるだけの優しい口付けだった。
「さて、それではプレゼントをいただきましょうか」
「うん。もらってくれよ」
泰樹は照れくさげにはにかむが、その視界はふさがれたままだ。
「もちろんでございますとも。……さあ、こちらへいらして下さいませ。タイキ様の欲しいものは、こちらですよ」
シーモスは泰樹の手をとって、ベッドへと導く。
「……なあ、シーモス。なんにも見えねえの、怖い」
「大丈夫です。私がしっかりとエスコートさせていただきますから」
シーモスの言葉に安堵した泰樹は、導かれるままのろのろと歩を進めた。
「……ああ、もう。本当に可愛い方ですね。タイキ様は」
シーモスの指先は、優しく泰樹の背中をなでた。
「……あっ!」
視界がなくなった分、膚は敏感で。少し触れられただけで、ぞくりと肌が粟立つ。
「お可愛らしい声をあげられて……そんなに感じるのでございますか?」
「……わかんねぇよ。そんなこと……」
「ふふふ。では、確かめて差し上げましょう」
「え? ……ひゃあぁっ!?」
突然、背後から乳首をつままれて、泰樹は悲鳴をあげた。敏感な場所を押しつぶされて、きゅっともてあそばれる。
「は、あ……あ、あぁ……っ」
「痛いのも、お好きでしょう?」
「……っやぁ、ちがっ……ぁっ……」
否定しようとすればするほど、身体は正直に反応してしまう。
「素直になって下さいまし。……ここが、こんな風になっているのは、なぜなのですか?」
「あ……っ!」
不意に股間をつかまれた。そこはすでに硬く勃起していて、シーモスの手の中で脈打っている。
「ん……あ、あ、アンタが、さわる、からぁ……っ」
「おやおや。ずいぶん期待なさっていらっしゃるのですね。……では」
不意に、シーモスの手が離れた。気配が遠い。何も見えない。不安に駆られて手探りでシーモスを探す。指先が何かに触れた。握り返してくれる手のひらに、ほっと心が温かくなる。
「あ……」
「どうなさいました?」
「……」
「言わなければわかりませんよ?」
「……触って、ほしい」
消え入りそうな声で、泰樹はつぶやく。
「どこを?」
「……どこでもいい、から……アンタが、ここにいるって感じさせてくれ」
泰樹はそろりと、捕まえた手を口元に運ぶ。しなやかな指先をそっとくわえて、舐め、しゃぶる。与えられたアメをむさぼる、子供のように。
「……ああ、よくできました。いい子にはご褒美を差し上げなくてはなりませんね」
「……う……ん、あぁ……っ」
再び始まった愛撫に、泰樹は甘い吐息を漏らす。目隠しされたままで、どこに触れられるのか解らない。それが、ひどく気分をあおった。
「タイキ様は、こんなところも感じてらっしゃるのですね」
「う……ん、きもち、イ……ぃ」
「それは良かった。……ほら、こんなところも」
「ふぁ……っ」
シーモスの手が、泰樹の身体中をまさぐる。脇腹や太ももの内側、皮膚が薄く感じるところを重点的に攻め立てられると泰樹は思わず甘い声を上げていた。
「……っふぅ、あ、あ……っ」
「ふふふ。タイキ様は、全身性感帯でいらっしゃいますね」
「っ! うっせ……っ」
恥ずかしさに頬を染める泰樹を、シーモスは後ろからぎゅっと抱きしめる。
「……では、こちらを」
シーモスの指先が、布越しに泰樹の秘所をつつく。泰樹は期待に打ち震えて、その先を待ちわびた。
「ん……っ触って……もっと……」
「どうか、力を抜いていただけますか?」
そう言って、シーモスは泰樹の後孔へ指先を埋め込んだ。
「ん……ふぅ……っ」
早く欲しいとばかりにヒクつくそこは、難なく異物を飲み込んでいく。
「タイキ様の中は、とても熱くて柔らかいですね」
「……ぅ、あ、あ……はやく……っ」
「まだ駄目ですよ。もっと解さないと」
シーモスは、ゆっくりと時間をかけて泰樹の体内を探るように指を動かす。
「あ……あ、あ……っ」
「ほら、もう2本目が入ってしまいますよ」
「っふぁ……あぁ……っ」
「ふふ。もう3本も飲み込まれてしまいましたよ」
シーモスの言葉通り、泰樹のソコは柔らかく、すでに3本目の指をくわえこんでいた。
「……あ、あ、あ……っも、いいだろ……?」
「はい、タイキ様。……私にもプレゼントを下さいますか?」
「うん……っ」
泰樹はこくりとうなずくと、手探りでベッドの上で四つんばいになる。そのまま、腰を高く掲げた。両手を使って自らの尻たぶを広げながら、シーモスへと差し出す。
「……お願い、だから……はや、く……っ」
「タイキ様は本当に淫乱なお方ですね」
「……っ!」
シーモスの言葉に、目隠しの下、泰樹の顔は真っ赤に染まった。
「そんなタイキ様が、大好きですよ」
「あ……ぁ……」
シーモスは、下着をずらして泰樹の蕾に己をあてがう。その瞬間、泰樹の身体がぴくりとはねた。
「では、プレゼントをいただきましょう」
「うん。もらって、たくさ……ああ……っ!!」
シーモスのモノが一気に奥まで突き立てられて、泰樹は大きく仰け反った。
馴れた形が気持ち良くて、たまらない。一瞬、意識が飛んだ。それでも、内壁は吸い付くように、待ちわびたモノに絡みつく。
「ふふふ。タイキ様は、挿れただけで達してしまわれたのですか?」
「……っふぁ、あ……?」
泰樹はろれつが回らない様子で、唇のはしからよだれを垂らしている。
「まあ、いいでしょう……動きますよ?」
「あ……あぁっ! うんっ……っ!」
シーモスは激しく抽挿を始める。
「あ、あ、ああぁっ!」
「ああ……すごい締め付けですね……タイキ様は、ここがお好きなんですね?」
「うんっ……あひ、あっ……すきぃ……!」
ぐりっと前立腺を押しつぶされて、泰樹は甘い悲鳴をあげた。
「あ、あ、あ……っ」
「ほら、どうなさいました? ……気持ちいいのなら、ちゃんとおっしゃってくださいまし」
「うぁ、あ、あ……きもち、イイ……っシーモスの、ナカ、ごりごりっ……っひて、あ、あ、っ……イイ……っ」
「そう。よく言えました。いい子にはご褒美をあげなくてはなりませんね」
「あぁっ!! ……んぁ、ああぁっ!!」
シーモスは泰樹の弱いところを攻め立てる。そのたびに、泰樹は身体を震わせて小さな絶頂を迎えた。
「ふふ。またイってしまわられたのですね?」
「んぁ、あぁ……っ今日、なんか、へん……っずっと、イってる……!」
「視界がふさがれているから、でございましょう。より敏感になっていらっしゃるのです」
泰樹は小さく頭を振って、懇願する。
「あ、あ……や、ら……っこれ、目隠し、とって……っ」
シーモスはゆっくりと首を振る。
「ダメ、でございます。私はまだまだ満足しておりませんから」
「ふぁ……あ、あ……!」
泰樹の身体をひっくり返すと、シーモスは再び泰樹の身体を組み敷いた。それから、泰樹の両足を抱え上げると、さらに深く楔を打ち込む。
「あぁっ! ……やぁっ! ふか、いぃ……っ」
「タイキ様は深いの、お好きでしょう?」
「ふぅ……っ、あ、あ……っ」
シーモスは泰樹の胸元に顔を埋めると、乳首を口に含んで吸い上げた。
「あ……っ」
「……っ」
その刺激に泰樹の秘所はきゅんと締まり、シーモスのモノをきつく包み込む。
「ふふ。タイキ様の中はとても熱いですね」
「んん……っ」
シーモスは泰樹に口づけて、舌を絡め取った。泰樹はそれにこたえて、むさぼられるまま舌先を差し出した。
「んぅ……っ」
「……ふふ。……タイキ様、私の愛を受け取っていただけますか?」
「……っ」
シーモスの言葉に、泰樹はこくりと小さくうなずいて応える。
「ありがとうございます」
シーモスは嬉しげに微笑むと、泰樹の足を大きく広げさせ、上から押し潰すようにして体重をかけた。
「あ……あ、あ……っ」
「ふふふ。さあ、たくさん注いでさしあげますよ」
「あ、まって……っシーモス……アンタの顔、見たい……」
泰樹は手探りで、シーモスの顔に触れる。
「アンタのかお、すき……っお願い……っ」
「……仕方ありませんね」
シーモスはため息をつくと、目隠しを外した。
「あ……っ」
途端に泰樹の目に飛び込んできたのは、シーモスの優しげな笑み。
「これでよろしいですか?」
「うん……」
泰樹はうっとりとした表情で、シーモスを見つめる。俺の『恋人』は、やっぱり顔が良い。そんな風に思ってしまって、顔が熱くなる。
「では、続きをいたしましょう」
「あ……あっ!」
再び律動を始めたシーモスに、泰樹は身体を揺らしながら甘い声をあげた。
「あぁ……っ」
「タイキ様……っ」
シーモスは泰樹の身体を抱き寄せる。
「……愛しています」
「……っ」
不意に、耳もとでささやかれた言葉。
それは、じわりと胸にしみる、泰樹が一番欲しかったプレゼント。
「俺、も……」
「え?」
「おれ、も……あいしてる……っ」
その瞬間に。
「……っ!?」
どくん、と。鼓動1拍とともに、泰樹は大量の精液を吐き出していた。
「あ……あぁ……っ!」
「……くっ」
同時に、シーモスもまた達する。
「あぁ……タイキ様……」
「ん……あぁ……おく、奥……あつい……っ」
シーモスは、泰樹の中に己の欲望を全て注ぎ込むと、そのまま泰樹の上に倒れこんだ。
「タイキ様……」
「……」
泰樹は思わず、シーモスの頭を優しく撫でていた。彼は、しあわせそうに身をすり寄せてくる。
――かわいい……
泰樹はそんなシーモスの様子を見て思う。
いつも余裕たっぷりに泰樹を抱くこの男が、まれにこんな表情を見せるのが、たまらなく可愛らしかった。
「……なあ」
「はい?」
泰樹が呼びかけると、シーモスはゆっくりと身を起こす。
「プレゼント、もっと、もらってくれる?」
「はい」
シーモスは、泰樹の唇にキスをした。触れるだけの、優しいキス。それだけで、じんと背筋がよろこびに震える。
「まだ夜は長いですから」
そう言って妖艶に笑うシーモスに、泰樹の胸が高鳴った。
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