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*最終回 他には何もいりません
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繁華街の路地で、人目を忍んで泰樹が達するまで一度。それだけでは全然足りない。
シーモスに導かれるまま、泰樹は再び懐かしい世界に落っこちた。
シーモスは「まずはあちらへ帰りましょう? タイキ様」と、笑って泰樹の手を引いた。
路地を抜けたと思ったら床の感覚が無くなって、尻から魔法陣の上に落ちていた。そこは、見たことの無い部屋で。置かれている道具類には見覚えがあるのに、薄暗い部屋そのものは初めて見る。
「お城に、工房用の個室をいただきましてね。そこで『儀式』の改良を行いました」
魔法陣は、布のような物の上に描かれていた。シーモスは、泰樹をどかすとそれをくるくると巻き取って片付けた。
「痛つっ……じゃあ、ここは魔の王の、城?」
「はい。左様でございます。こちらへどうぞ。私の私室でございます」
シーモスの部屋に入ったのは、初めてだ。怪しげな魔法の道具やら何やらが散らかっているのだろかと思ったが、部屋はきちんと綺麗に片付いていた。天蓋付きのベッドと座り心地の良さそうなソファ、テーブルと椅子と物書き机、本棚。どれもアンティークっぽくて趣味が良い。
「はー。ここが、アンタの部屋か。なんか、もっとエロっぽいって言うか……怪しいのかと思ってた」
「……それでは、落ち着ける場所が無いではありませんか」
シーモスは苦笑しながら、泰樹をソファに座らせる。
「さあ、タイキ様。久しぶりです。たっぷり味あわせて下さいますか?」
「……うん。あ……っ」
シーモスは白いニットにジーンズ姿のまま、泰樹の足の間におさまった。
ズボンの前を開け、路地で一度達したソレを取り出す。精液にまみれたモノにシーモスは、愛おしそうに舌を這わせていく。
「ん……ちゅ……れ……る……」
「は、あ、あぁ、……っやっぱ、アンタ、上手い……っ」
たちまちに、泰樹のモノは血を集める。つい先ほど達したばかりなのに、昂ぶっていくのを止められない。
「ちゅ……っこうしておりますと、思い出しますね……は、んぅ……初めて、『献血』していただいた時のこと……っ」
「ああ……記憶、全部……返してくれたから、な……んんっ!」
シーモスは、先端の一番敏感な部分ばかりをねらって責めてくる。鈴口から精液混じりの先走りを一気に吸い上げられて、泰樹は思わずのけ反った。
「ふふふ。お元気で何よりです。お寂しかったでしょう? あんなに毎日のように楽しんでらっしゃったのに……」
ゆるゆるとシーモスは玉袋をもてあそび、裏筋を舌先でなぞっていく。そのまま、袋ごと吸われ、もまれ、口の中で転がされて、泰樹は思わずシーモスの頭を引き寄せた。
「あ、ひっ……! それ、アタマ、ヘンにな、る……あぁ……っ」
「んっ……また、たっぷりとイって下さいね……?」
改めて、シーモスは先端に吸い付いた。ノド奥まで導き入れて、小刻みに揺さぶってくる。
「シーモス、あぁ……またっあ、あ、イく……っ」
答える代わりに、シーモスの口技が激しさを増した。搾り取られるように、泰樹は2度目の射精を迎えた。
「ん……ごく……っんんっ……ふぅ……」
シーモスは喉を鳴らしながら、体液を飲み下していく。その顔には満足そうな表情が浮かんでいた。
「ぷはっ……美味しいですよ? タイキ様。溜まってらしたんでしょう? 2度目なのにこんなに濃くて……命の味がいたします」
「かもな。……俺さ、離婚、したんだよ。ケツ犯して欲しくて、アタマおかしくなって、それで、カミさんに愛想尽かされた……全部、ぜんぶ、アンタのせい、だから。だから……」
そうつぶやいた泰樹の瞳は、すでに涙で濡れている。しずくが頬を伝ってこぼれ落ちる寸前に、シーモスはそれを舐めとった。
「……責任、とって……くれ……」
「……は、……っあ、んっ……」
むさぼるようにキスを交わして、ベッドに倒れこむ。シーモスがそっと泰樹の頬をなでながら、唇を離した。
「ああ……タイキ様、少し痩せられましたか……?」
「うん。色々あったから、な」
シーモスは、白ニットに手をかけて脱ぎ捨てた。泰樹は枕に頭をあずけて、シーモスを見上げる。
「なあ、アンタ。なんでそんなカッコしてるんだ?」
「ああ、これでございますか? これはあちらの世界で手に入れたものでございます。私、タイキ様を探しに何度かあちらに参りましたものですから。あちらで浮かないように」
「……そっか。あ、ちょっと待って……」
泰樹は、ジーンズに手をかけたシーモスを制止する。身を起こして、ジーンズのファスナーを口にくわえる。そのままファスナーを下ろして、手を使わずに下着からシーモスのモノを引っ張り出した。
「……あ……ふ、あぁ……これ、なめても、いい……?」
期待に満ちた眼差しが、上目遣いにシーモスを見上げる。
「もちろんでございますよ、タイキ様。さあ、どうぞ」
「うん。あ、あっ……んっ」
シーモスのモノを、泰樹は夢中でしゃぶり始めた。コレが欲しくて欲しくて。たまらなかった。
「あ、っ……ちゅく……んっう……んーっ」
シーモスのやり方を真似て、泰樹は懸命に舌をはわせる。
「ん、んっ……はぁ……んぐっ……」
舌を動かすたびに、唾液があふれてくる。泰樹の頭の上で、シーモスが小さく息をつくのが聞こえてきた。
「はぁ……タイキ様のお口の中、良い気持ちです……もっと激しくしてもよろしいですか……?」
「んっ! ……んぅっ……んっ!」
返事の代わりに、泰樹は深く深くシーモスのモノをのみ込んだ。そのまま、顔を上下させる。シーモスの太ももに手をそえて、よりいっそう激しい動きで刺激を与える。
「ああ、素晴らしいですね……タイキ様、すごくお上手になられましたね……」
「ふ、ん、ふぅ……じゅぱ、ちゅっ……」
シーモスの先走りと泰樹の唾液が混じり合い、泡立って泰樹の口元を汚していく。シーモスが優しく泰樹の髪を撫でると、泰樹の動きはさらに激しさを増していった。
「はぁ……んっ……んっんっ……んっ」
「あ、あぁ……っ」
泰樹の喉の奥まで突き入れられたシーモスのモノが震えて、泰樹の口の中に熱く苦い液体があふれ出す。
「ん、んくっ……んっ……んっ……」
喉を鳴らしてそれをのみ込んでいく。やがてシーモスの身体から力が抜けていき、泰樹の口からずるりとモノが引き抜かれた。
「あ……はぁ……はぁ……っ」
泰樹は荒く呼吸を繰り返しながら、シーモスのモノを握り締める。
「……まだ、イけるか? 今度は……こっち……」
「ふふふ。まったく……欲張りなお方です」
泰樹は自分の後孔に指を埋めていく。その顔には、蕩けきった笑みが浮かんでいた。
「はやく……欲しい……っシーモス……」
「えぇ、タイキ様……その前にひとつだけ。私、1年の間、貴方と離れていて解りました。私は心から、貴方が、欲しい」
「……?」
唐突なシーモスの言葉に、泰樹はきょとんと彼を見上げた。
「だから、もう二度と……私が許可した時以外は、誰かのものにならないで下さいませ」
「それは、アルダーにも、ってことか?」
「ええ。もちろんです」
「……アルダーに、俺に頼れって言ったのアンタだろ?」
泰樹は思わず苦笑する。シーモスは、大げさにため息をついた。
「あれは失敗でした。アルダー様が貴方に夢中になってしまわれるなんて、思いも寄らなかった」
珍しく嫉妬をにじませるシーモスが、泰樹にはひどく可愛らしく思えた。だから、そっとシーモスの頬をなでる。
「……うん。いいよ。俺、アンタの物になる。……でも、俺にはもう、ホントに何にも無いぜ? この、身体くらいしか? ……それでも良いのか?」
「……ええ! 貴方が、欲しいのです。他には何もいりません」
「そっか……じゃあ、あげる」
泰樹は、ゆっくりとシーモスの腰の上にまたがっていった。
「あ……はぁ……んっ……」
シーモスの陽物を自分の中に埋めて、泰樹は大きく息を吐いた。そのまま、シーモスに抱きつくようにして、ゆるやかに動き始める。
「あぁ……タイキ様……っ」
「んっ……あ、あぁ……っシーモス……すき、アンタのこと……っ」
ぎゅうとしがみついてくる泰樹を抱きしめ返して、シーモスは泰樹の耳元でささやいた。
「ああ。タイキ様……私の愛しいかた……どうか、ずっと一緒にいて下さいませ……」
「うん……うんっ……あっあっ……あっ!」
シーモスの律動に合わせて声を上げ続ける泰樹の顔に、しあわせそうな微笑みが浮かぶ。
「あぁ……シーモ、ス……はぁっ……もっとぉ……んうっ」
「はぁ……タイキさま……っ」
泰樹の中で、シーモスのモノがさらに大きさを増す。泰樹はその感触を楽しむように、よりいっそう激しく腰を揺らした。
「あ、あ、あ、あぁ……っ!」
「あぁ……タイキ様……!」
泰樹の最奥で、熱いものが弾ける。泰樹はシーモスにしがみついていた腕をほどき、そのまま後ろに倒れこんだ。シーモスは、そんな泰樹の上に覆い被さる。
「タイキ様……」
優しく口づけられて、泰樹は嬉しそうに目を細めた。
「……なあ。あれ、ちょーだい。ほら、『奴隷の証』……俺、もうアンタの物、だから」
「よろしいのですか? ……ふふふ。はい。後ほど、ご用意いたしますね。それまでは、これで我慢なさってください」
シーモスはそう言って、泰樹の首筋に唇を這わせて紅い跡をつけた。
「んっ……あぁ……んっ」
泰樹は、シーモスの背中に手を回した。褐色の滑らかな膚。ああ、俺、コイツの物になるんだ。そう、思った途端にほっと安堵感が湧いてくる。
「……なあ、シーモス……」
「はい? なんでございしょう?」
「……俺、いま、すごくしあわせだ。……迎えに来てくれて、ありがと……」
「……」
シーモスは無言のまま、泰樹を強く強く抱きしめた。
「あぁ……私もですよ……私も……とてもしあわせです……!」
「そっか……」
泰樹はふわりと笑みを浮かべて、シーモスを抱きしめ返す。
「……みんなにも会いたい。元気だった?」
「はい。はい。イリス様もアルダー様も……立場は随分変わってしまわれましたが、みなお元気ですよ。タイキ様がお帰りになったと知ったらとても喜ばれるでしょう」
「そっか。でも、今はアンタだけでいい。アンタだけが、いい」
「タイキ様……」
2人は静かに見つめ合い、どちらとも無く口付けを交わす。
「ん……んぅ……」
舌を絡め合う濃厚なキス。やがて、名残惜しげに離された2人の口から、銀の糸が伸びて切れる。
「ん……」
「ああ、まだ、これ、言ってなかった。……ただいま、シーモス!」
にっ、と泰樹は会心の笑みを浮かべた。
「……はい。お帰りなさいませ。タイキ様!」
END
シーモスに導かれるまま、泰樹は再び懐かしい世界に落っこちた。
シーモスは「まずはあちらへ帰りましょう? タイキ様」と、笑って泰樹の手を引いた。
路地を抜けたと思ったら床の感覚が無くなって、尻から魔法陣の上に落ちていた。そこは、見たことの無い部屋で。置かれている道具類には見覚えがあるのに、薄暗い部屋そのものは初めて見る。
「お城に、工房用の個室をいただきましてね。そこで『儀式』の改良を行いました」
魔法陣は、布のような物の上に描かれていた。シーモスは、泰樹をどかすとそれをくるくると巻き取って片付けた。
「痛つっ……じゃあ、ここは魔の王の、城?」
「はい。左様でございます。こちらへどうぞ。私の私室でございます」
シーモスの部屋に入ったのは、初めてだ。怪しげな魔法の道具やら何やらが散らかっているのだろかと思ったが、部屋はきちんと綺麗に片付いていた。天蓋付きのベッドと座り心地の良さそうなソファ、テーブルと椅子と物書き机、本棚。どれもアンティークっぽくて趣味が良い。
「はー。ここが、アンタの部屋か。なんか、もっとエロっぽいって言うか……怪しいのかと思ってた」
「……それでは、落ち着ける場所が無いではありませんか」
シーモスは苦笑しながら、泰樹をソファに座らせる。
「さあ、タイキ様。久しぶりです。たっぷり味あわせて下さいますか?」
「……うん。あ……っ」
シーモスは白いニットにジーンズ姿のまま、泰樹の足の間におさまった。
ズボンの前を開け、路地で一度達したソレを取り出す。精液にまみれたモノにシーモスは、愛おしそうに舌を這わせていく。
「ん……ちゅ……れ……る……」
「は、あ、あぁ、……っやっぱ、アンタ、上手い……っ」
たちまちに、泰樹のモノは血を集める。つい先ほど達したばかりなのに、昂ぶっていくのを止められない。
「ちゅ……っこうしておりますと、思い出しますね……は、んぅ……初めて、『献血』していただいた時のこと……っ」
「ああ……記憶、全部……返してくれたから、な……んんっ!」
シーモスは、先端の一番敏感な部分ばかりをねらって責めてくる。鈴口から精液混じりの先走りを一気に吸い上げられて、泰樹は思わずのけ反った。
「ふふふ。お元気で何よりです。お寂しかったでしょう? あんなに毎日のように楽しんでらっしゃったのに……」
ゆるゆるとシーモスは玉袋をもてあそび、裏筋を舌先でなぞっていく。そのまま、袋ごと吸われ、もまれ、口の中で転がされて、泰樹は思わずシーモスの頭を引き寄せた。
「あ、ひっ……! それ、アタマ、ヘンにな、る……あぁ……っ」
「んっ……また、たっぷりとイって下さいね……?」
改めて、シーモスは先端に吸い付いた。ノド奥まで導き入れて、小刻みに揺さぶってくる。
「シーモス、あぁ……またっあ、あ、イく……っ」
答える代わりに、シーモスの口技が激しさを増した。搾り取られるように、泰樹は2度目の射精を迎えた。
「ん……ごく……っんんっ……ふぅ……」
シーモスは喉を鳴らしながら、体液を飲み下していく。その顔には満足そうな表情が浮かんでいた。
「ぷはっ……美味しいですよ? タイキ様。溜まってらしたんでしょう? 2度目なのにこんなに濃くて……命の味がいたします」
「かもな。……俺さ、離婚、したんだよ。ケツ犯して欲しくて、アタマおかしくなって、それで、カミさんに愛想尽かされた……全部、ぜんぶ、アンタのせい、だから。だから……」
そうつぶやいた泰樹の瞳は、すでに涙で濡れている。しずくが頬を伝ってこぼれ落ちる寸前に、シーモスはそれを舐めとった。
「……責任、とって……くれ……」
「……は、……っあ、んっ……」
むさぼるようにキスを交わして、ベッドに倒れこむ。シーモスがそっと泰樹の頬をなでながら、唇を離した。
「ああ……タイキ様、少し痩せられましたか……?」
「うん。色々あったから、な」
シーモスは、白ニットに手をかけて脱ぎ捨てた。泰樹は枕に頭をあずけて、シーモスを見上げる。
「なあ、アンタ。なんでそんなカッコしてるんだ?」
「ああ、これでございますか? これはあちらの世界で手に入れたものでございます。私、タイキ様を探しに何度かあちらに参りましたものですから。あちらで浮かないように」
「……そっか。あ、ちょっと待って……」
泰樹は、ジーンズに手をかけたシーモスを制止する。身を起こして、ジーンズのファスナーを口にくわえる。そのままファスナーを下ろして、手を使わずに下着からシーモスのモノを引っ張り出した。
「……あ……ふ、あぁ……これ、なめても、いい……?」
期待に満ちた眼差しが、上目遣いにシーモスを見上げる。
「もちろんでございますよ、タイキ様。さあ、どうぞ」
「うん。あ、あっ……んっ」
シーモスのモノを、泰樹は夢中でしゃぶり始めた。コレが欲しくて欲しくて。たまらなかった。
「あ、っ……ちゅく……んっう……んーっ」
シーモスのやり方を真似て、泰樹は懸命に舌をはわせる。
「ん、んっ……はぁ……んぐっ……」
舌を動かすたびに、唾液があふれてくる。泰樹の頭の上で、シーモスが小さく息をつくのが聞こえてきた。
「はぁ……タイキ様のお口の中、良い気持ちです……もっと激しくしてもよろしいですか……?」
「んっ! ……んぅっ……んっ!」
返事の代わりに、泰樹は深く深くシーモスのモノをのみ込んだ。そのまま、顔を上下させる。シーモスの太ももに手をそえて、よりいっそう激しい動きで刺激を与える。
「ああ、素晴らしいですね……タイキ様、すごくお上手になられましたね……」
「ふ、ん、ふぅ……じゅぱ、ちゅっ……」
シーモスの先走りと泰樹の唾液が混じり合い、泡立って泰樹の口元を汚していく。シーモスが優しく泰樹の髪を撫でると、泰樹の動きはさらに激しさを増していった。
「はぁ……んっ……んっんっ……んっ」
「あ、あぁ……っ」
泰樹の喉の奥まで突き入れられたシーモスのモノが震えて、泰樹の口の中に熱く苦い液体があふれ出す。
「ん、んくっ……んっ……んっ……」
喉を鳴らしてそれをのみ込んでいく。やがてシーモスの身体から力が抜けていき、泰樹の口からずるりとモノが引き抜かれた。
「あ……はぁ……はぁ……っ」
泰樹は荒く呼吸を繰り返しながら、シーモスのモノを握り締める。
「……まだ、イけるか? 今度は……こっち……」
「ふふふ。まったく……欲張りなお方です」
泰樹は自分の後孔に指を埋めていく。その顔には、蕩けきった笑みが浮かんでいた。
「はやく……欲しい……っシーモス……」
「えぇ、タイキ様……その前にひとつだけ。私、1年の間、貴方と離れていて解りました。私は心から、貴方が、欲しい」
「……?」
唐突なシーモスの言葉に、泰樹はきょとんと彼を見上げた。
「だから、もう二度と……私が許可した時以外は、誰かのものにならないで下さいませ」
「それは、アルダーにも、ってことか?」
「ええ。もちろんです」
「……アルダーに、俺に頼れって言ったのアンタだろ?」
泰樹は思わず苦笑する。シーモスは、大げさにため息をついた。
「あれは失敗でした。アルダー様が貴方に夢中になってしまわれるなんて、思いも寄らなかった」
珍しく嫉妬をにじませるシーモスが、泰樹にはひどく可愛らしく思えた。だから、そっとシーモスの頬をなでる。
「……うん。いいよ。俺、アンタの物になる。……でも、俺にはもう、ホントに何にも無いぜ? この、身体くらいしか? ……それでも良いのか?」
「……ええ! 貴方が、欲しいのです。他には何もいりません」
「そっか……じゃあ、あげる」
泰樹は、ゆっくりとシーモスの腰の上にまたがっていった。
「あ……はぁ……んっ……」
シーモスの陽物を自分の中に埋めて、泰樹は大きく息を吐いた。そのまま、シーモスに抱きつくようにして、ゆるやかに動き始める。
「あぁ……タイキ様……っ」
「んっ……あ、あぁ……っシーモス……すき、アンタのこと……っ」
ぎゅうとしがみついてくる泰樹を抱きしめ返して、シーモスは泰樹の耳元でささやいた。
「ああ。タイキ様……私の愛しいかた……どうか、ずっと一緒にいて下さいませ……」
「うん……うんっ……あっあっ……あっ!」
シーモスの律動に合わせて声を上げ続ける泰樹の顔に、しあわせそうな微笑みが浮かぶ。
「あぁ……シーモ、ス……はぁっ……もっとぉ……んうっ」
「はぁ……タイキさま……っ」
泰樹の中で、シーモスのモノがさらに大きさを増す。泰樹はその感触を楽しむように、よりいっそう激しく腰を揺らした。
「あ、あ、あ、あぁ……っ!」
「あぁ……タイキ様……!」
泰樹の最奥で、熱いものが弾ける。泰樹はシーモスにしがみついていた腕をほどき、そのまま後ろに倒れこんだ。シーモスは、そんな泰樹の上に覆い被さる。
「タイキ様……」
優しく口づけられて、泰樹は嬉しそうに目を細めた。
「……なあ。あれ、ちょーだい。ほら、『奴隷の証』……俺、もうアンタの物、だから」
「よろしいのですか? ……ふふふ。はい。後ほど、ご用意いたしますね。それまでは、これで我慢なさってください」
シーモスはそう言って、泰樹の首筋に唇を這わせて紅い跡をつけた。
「んっ……あぁ……んっ」
泰樹は、シーモスの背中に手を回した。褐色の滑らかな膚。ああ、俺、コイツの物になるんだ。そう、思った途端にほっと安堵感が湧いてくる。
「……なあ、シーモス……」
「はい? なんでございしょう?」
「……俺、いま、すごくしあわせだ。……迎えに来てくれて、ありがと……」
「……」
シーモスは無言のまま、泰樹を強く強く抱きしめた。
「あぁ……私もですよ……私も……とてもしあわせです……!」
「そっか……」
泰樹はふわりと笑みを浮かべて、シーモスを抱きしめ返す。
「……みんなにも会いたい。元気だった?」
「はい。はい。イリス様もアルダー様も……立場は随分変わってしまわれましたが、みなお元気ですよ。タイキ様がお帰りになったと知ったらとても喜ばれるでしょう」
「そっか。でも、今はアンタだけでいい。アンタだけが、いい」
「タイキ様……」
2人は静かに見つめ合い、どちらとも無く口付けを交わす。
「ん……んぅ……」
舌を絡め合う濃厚なキス。やがて、名残惜しげに離された2人の口から、銀の糸が伸びて切れる。
「ん……」
「ああ、まだ、これ、言ってなかった。……ただいま、シーモス!」
にっ、と泰樹は会心の笑みを浮かべた。
「……はい。お帰りなさいませ。タイキ様!」
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