嵐は突然やってくる

白うさぎ

文字の大きさ
10 / 530
第1章 はじめまして。家族になった日

しおりを挟む
「百々ちゃん、さすがね」
ムスッとしたままではあるが席についた俺を見て、母親が笑いながら言った。
「廉ちゃん?まだご機嫌までは治らないか」
黙々と周りを無視してご飯を食べる。
「廉ちゃん、慌てて食べたら咽せちゃうよ?」
百々に言われてゆっくり食べる。
「あ、本題なんだけど僕たち籍をいれて結婚しようと思うんだ。」
もぐもぐ食べ続ける俺と百々。
翔さんはこちらをじっと見てくるし、母親は苦笑いしている。
「それで、、、3日後からみんなで我が家に引っ越して暮らそうよって言う話で百合さんと...」
「ごほっ!」
「廉ちゃん!?大丈夫?」
今なんて?
「廉ちゃん、大丈夫~?おーい」
百々の声は聞こえるけど、反応する余裕がない。
「廉ちゃん!!」
百々に頬を両手で挟まれた。
「百々...イタイ」
「あ、ごめん手加減できなかった」


「今の家で百々と2人で暮らす」
少しの沈黙後勇気を出して言ってみた。
「それは無理よ。あの家は貸家にするの。もう出してるわ。」
まただ。
また振り回されてる、母親と新しく家族になる2人に。
じわじわ涙が溜まってきた。
とりあえずご飯は勿体無くて、それ以上何も言わずにフルコース無言で食べ続けた。

嫌な空気のまま、御開きになった。
「廉ちゃん、一緒にコンビニ寄って帰ろ?」
「俺満腹だよ?」
「廉ちゃん、かわいい百々が悪いやつにナンパされてもいいの!?(多分廉ちゃんいても護衛には絶対ならないけど)」
「ダメ!」
「百々、野菜スティックとハーゲンダッツ食べたい!」
「百々、さっき食べたよね?ご飯。」
「食べたっけ?」
「うん、フルコース。」
「んー、覚えてないからカロリーゼロ~」
「意味わかんない」
百々がいてくれて、本当にいつも感謝だ。
俺の気持ちをわかってくれる唯一の家族。
母親が嫌いなわけではない。
でも、うちの母親は嵐を呼びすぎなのだ。

コンビニにつきルンルンの百々。
俺が持つカゴに目的の商品を入れていく。
「廉ちゃんはバニラだよね?」
「うん」
いつもなら高いし買わないよって言うけど、今日はストレス溜まりすぎていて良しにした。
「急いで帰って2人で乾杯だ」
「麦茶でね」
「廉ちゃんはポカリ。」
「はーい...」
夜にポカリ飲む気にはあんまりならないが、今日は色々疲れたのもあるのか体のだるさがまた出てきた気がした。
「今日は映画見ながら夜更かしだな」
悪い顔した百々は俺より3歩先を歩きながら振り返り笑った。
俺の唯一の妹は可愛くこの上なく愛おしいと思った。
もちろん家族として。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

月弥総合病院

御月様(旧名 僕君☽☽‪︎)
キャラ文芸
月弥総合病院。極度の病院嫌いや完治が難しい疾患、診察、検査などの医療行為を拒否したり中々治療が進められない子を治療していく。 また、ここは凄腕の医師達が集まる病院。特にその中の計5人が圧倒的に遥か上回る実力を持ち、「白鳥」と呼ばれている。 (小児科のストーリー)医療に全然詳しく無いのでそれっぽく書いてます...!!

転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました

桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。 言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。 しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。 ──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。 その一行が、彼の目に留まった。 「この文字を書いたのは、あなたですか?」 美しく、完璧で、どこか現実離れした男。 日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。 最初はただの好奇心だと思っていた。 けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。 彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。 毎日19時に更新予定です。

診察室の午後<菜の花の丘編>その1

スピカナ
恋愛
神的イケメン医師・北原春樹と、病弱で天才的なアーティストである妻・莉子。 そして二人を愛してしまったイケメン御曹司・浅田夏輝。 「菜の花クリニック」と「サテライトセンター」を舞台に、三人の愛と日常が描かれます。 時に泣けて、時に笑える――溺愛とBL要素を含む、ほのぼの愛の物語。 多くのスタッフの人生がここで楽しく花開いていきます。 この小説は「医師の兄が溺愛する病弱な義妹を毎日診察する甘~い愛の物語」の1000話以降の続編です。 ※医学描写はすべて架空です。

国民的アイドルの元ライバルが、俺の底辺配信をなぜか認知している

逢 舞夏
BL
「高校に行っても、お前には負けないからな!」 「……もう、俺を追いかけるな」  中三の卒業式。幼馴染であり、唯一無二のライバルだった蓮田深月(はすだ みつき)にそう突き放されたあの日から、俺の時間は止まったままだ。  あれから15年。深月は国民的アイドルグループのセンターとして芸能界の頂点に立ち、俺、梅本陸(うめもと りく)は、アパートでコンビニのサラミを齧る、しがない30歳の社畜になった。  誰にも祝われない30歳の誕生日。孤独と酒に酔った勢いで、俺は『おでん』という名の猫耳アバターを被り、VTuberとして配信を始めた。  どうせ誰も来ない。チラ裏の愚痴配信だ。  そう思っていた俺の画面を、見たことのない金額の赤スパ(投げ銭)が埋め尽くした。 『K:¥50,000 誕生日おめでとう。いい声だ、もっと話して』  『K』と名乗る謎の太客。  【執着強めの国民的アイドル】×【酒飲みツンデレおじさんV】

大丈夫のその先は…

水姫
恋愛
実来はシングルマザーの母が再婚すると聞いた。母が嬉しそうにしているのを見るとこれまで苦労かけた分幸せになって欲しいと思う。 新しくできた父はよりにもよって医者だった。新しくできた兄たちも同様で…。 バレないように、バレないように。 「大丈夫だよ」 すいません。ゆっくりお待ち下さい。m(_ _)m

お兄ちゃんはお兄ちゃんだけど、お兄ちゃんなのにお兄ちゃんじゃない!?

すずなり。
恋愛
幼いころ、母に施設に預けられた鈴(すず)。 お母さん「病気を治して迎えにくるから待ってて?」 その母は・・迎えにくることは無かった。 代わりに迎えに来た『父』と『兄』。 私の引き取り先は『本当の家』だった。 お父さん「鈴の家だよ?」 鈴「私・・一緒に暮らしていいんでしょうか・・。」 新しい家で始まる生活。 でも私は・・・お母さんの病気の遺伝子を受け継いでる・・・。 鈴「うぁ・・・・。」 兄「鈴!?」 倒れることが多くなっていく日々・・・。 そんな中でも『恋』は私の都合なんて考えてくれない。 『もう・・妹にみれない・・・。』 『お兄ちゃん・・・。』 「お前のこと、施設にいたころから好きだった・・・!」 「ーーーーっ!」 ※本編には病名や治療法、薬などいろいろ出てきますが、全て想像の世界のお話です。現実世界とは一切関係ありません。 ※コメントや感想などは受け付けることはできません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 ※孤児、脱字などチェックはしてますが漏れもあります。ご容赦ください。 ※表現不足なども重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけたら幸いです。(それはもう『へぇー・・』ぐらいに。)

『続・聖パラダイス病院』

菊池昭仁
現代文学
『聖パラダイス病院』の続編です。こんな病院なら入院生活も悪くはありません。

僕の主治医さん

鏡野ゆう
ライト文芸
研修医の北川雛子先生が担当することになったのは、救急車で運び込まれた南山裕章さんという若き外務官僚さんでした。研修医さんと救急車で運ばれてきた患者さんとの恋の小話とちょっと不思議なあひるちゃんのお話。 【本編】+【アヒル事件簿】【事件です!】 ※小説家になろう、カクヨムでも公開中※

処理中です...