嵐は突然やってくる

白うさぎ

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第1章 はじめまして。家族になった日

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「百々ちゃん、こんなにお土産買ったの?」
俺のアパートに戻ってきた母親がびっくりしている。
「うん!!廉ちゃんも買っていいって。」
「にしても...」
「まあまあ百合さん。百々ちゃんお菓子賞味期限あるけど。」
直人さんも困惑しているが、当たり前だ。
段ボール軽く一個分買った。
「うん。でも、クラスの子とバイト先に配るし!あと廉ちゃんと夜に映画見る時に食べる!あ、もちろん直人さんとママも食べていいよ!」
「全部違うお菓子だから。」
「廉ちゃん、いつもなら止めるのになんかあった?」
俺が百々のお土産爆買いを止めなかったことに驚いてる母親。
「別に。百々の給料だからお金は消えることを学ぶ機会にしただけ。合計6万つ買ったから、百々。」
「百々ちゃん?」
「廉ちゃんのバカ!!ママにバラすなんて!!」
「こんだけ買えば大体予想つくでしょ、俺言わなくても。服も買ってるしね。」
「バカ!!」
「バカって言わないの、百々ちゃん!」
「だって!」
「まあ翔さんからもらった10万使わなかったのは褒めたげて」
ニヤリと笑う俺を睨みつける百々。
「そんな目するなら俺帰るのやめようかな。」
「廉くん、帰って来てくれるのかい?」
黙って俺と百々のじゃれあいをニコニコ見守っていた直人さんがこちらをみて言った。
「...まぁ。」
「廉ちゃんは帰るわよ、何言ってるの直人さん。お迎えに来たんだから。」
「母さん観光してたじゃん。」
「廉ちゃんがどんな街に1ヶ月住み着いたかの偵察よ!」
「俺は野良猫かよ。」
「廉くんはたしかに猫みたいだね!たまに小型犬にも見えるけど。」
「直人さんまで...」
「ママ、お腹すいた。」
「はいはい。もう20時ね。水炊き屋さん予約してるから行きましょうか」
「そうだね。いい時間かも。」
「やったー!」

水炊き屋さんにつきたらふく美味しくいただいた。
「プリン神!!」
「美味し買ったわね!」
「取り寄せできるみたいだから、いつでも食べれるよ。百合さんも食べたくなったらいつでも言って。取り寄せるから。」
「ここで食べるからいいのよ。甘やかさないで、太っちゃう。」
「たしかにママ太るから甘やかしちゃダメだね」
「百々、母さん怒らせない方がいいぞ。」
「百合さん、そんなジト目で百々ちゃんをみないで」
そんな何気ない会話を聞きながら俺はもうすぐ家に帰るんだなと周りを見回した。



帰宅してあることに気づいた。
「これ、新品買ったんだけどな...」
「廉くんがよければ、うちの病院に売ってくれないかな?病院の休憩室で使ってる冷蔵庫や洗濯機古くなってきてたから。」
「いいですよ、無料で。使ってくれるなら俺はありがたいです。」
「ダメダメ、1ヶ月しか使ってないなんて、新品同様だよ。ちゃんとお金は払うよ。」
「じゃあ、直人さんが金額決めてください。」
「わかった。帰ってから金額決めるね。」
「はい。」
話し合いの結果、俺は一週間後戻ることになった。
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