嵐は突然やってくる

白うさぎ

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第三章 二人の距離

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「廉ちゃん今日のこと、いい思い出にはならないよね~」
「まぁさっきのは百々ちゃん悪くないよ。」
「そういうことじゃなくてさぁ、、、廉ちゃん今日は黒がいいかなぁ・・・」
「なんで?」
「明るい色着たくないでしょ。」
「そう?」
「うん、黒のネズミのキャラクターでいいかな。あ、ついでに耳付きにしよ。」
「その方が嫌じゃない?」
と翔が笑う。
「大丈夫だよ。廉ちゃんフードまで見ないから。」
「そうかな・・・?」
「あとはお土産かぁ。まずはグッズでほしいもの見る!」
「どうぞ。」
翔は彼女をもつ世の男に同情したいくらい、百々の買い物に付き合わされた。


「廉ちゃん、お腹まだ痛い?」
「廉くん、どこら辺にぶつかっちゃった?」
「・・・」
なんだか楽しい旅行でまで迷惑をかけてしまっている自分が恥ずかしくて顔をあげられない・・・。
「廉くん、もしかしてみぞおち付近に子供の頭突き行っちゃったのかな?」
「あー・・・それなら痛いかもね。まぁ座ってられたし、大した怪我ではなさそうで安心。」
「廉くん、どうする?もう帰ろうか?」
それには首を小さく振る。
「廉ちゃん、気にしないでいいのよ?また来たらいいんだし。」
「・・・ぃゃ・・・」
「頑固さんだね」
そう言って直人さんに頭を撫でられた。
「わかった、じゃぁ百々ちゃんが帰るって言ったら帰ろうね。」
「百々ちゃんはたぶんまだ帰らないわよ?」
「それならそれでいいよ。」
「まぁ主治医の先生が言うなら。」
そう言って母親も納得した。
俺は百々たちが帰ってくるまで、仮眠を取ることにした。

「廉ちゃん、起きてぇ~!着替えて!」
ゆっくりと体を起こすと百々に服を引っ張られて、翔さんが俺に服を着せた。
「もういける?」
そう百々に聞かれて頷いた。
車いすに乗ったところで、百々にフードを被せられた。
「どう?これで少しは視界狭くなったでしょ?」
「・・・・」
最初に買った帽子より頭が軽くなった。
「あら、廉ちゃんかわいいの選んでもらったわね!」
かわいい?どういう事?
黒いパーカーの何がかわいいのかよくわからないまま俯いてまた外に出た。
「廉くん、ドリンク持っててね!好きな時に飲むんだよ?」
直人さんがスポーツ飲料の入ったドリンクを渡してくる。
ドリンクまでキャラクターパッケージだな・・・って思いながら黙って受け取った。
それからはみんなで百々に振り回されて、百々は結局翔さんと4つアトラクションに乗って満足したらしい。
夕飯をテイクアウトで買い病室に戻った。
俺の食事は母親が準備したものだけど・・・。
「楽しかったぁ~!!!」
百々は大満足で夕飯を食べている。
俺は只々疲れたんだけどね・・・。
百々がネズミの国で買ったお土産の量がまたえげつなくて、母親も飽きれていたが直人さんに百々ちゃんの気晴らしになったならいいじゃない?と説得されていた。
今回の旅行で翔さんは俺と隣や真後ろについても大丈夫な距離にはなったことが二人の中では大きなものとなった。
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