嵐は突然やってくる

白うさぎ

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第8章 彼女と空

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「廉くん、机のとこまで来れる?カーディガンほら。」
そう言って直人さんが真っ白のカーディガン、おそらく新しく買ってくれたものなのだろうかかけてくれた。
「少し冷めたと思うけど、ちょうどいいくらいの温かさだと思うよ。ボスはガムね。」
ボスには歯磨き用のガムを与えた。
尻尾を振ってガムをかじっているボス。
俺は小さなカップを開ける。
「あんまり食べれないかなと思って大根とたまごとこんにゃくにしておいたよ。」
確かにこれなら食べれそう。
「いただきます・・・」
「夜中に起こしてごめんね。でもあの量のご飯じゃ廉くんまた痩せちゃうからね。」
深夜飯はむくむんだけど・・・。と悪態をつきつつ大根をかじる。
しばらく黙ってそれぞれ食べていた。
「廉くん、一人になる気がしちゃってるかな?翔や百々ちゃんに恋人がいると。」
箸が止まった。
・・・そうだよ。一人になる気がする。今の関係が壊れる気がする。
落ち着いてきた今の生活が他者によって壊されるのが怖い。
「百々ちゃんも翔も、第一は廉くんだと思うよ?」
「そんなのわかんない・・・。」
だって直人さんは百々でも翔さんでもないもん。
本人じゃないとわかんないじゃん。
俺の事めんどくさい奴って百々や翔さんの恋人から思われるかもしれない。
いや、百々たちにだってどう思われてるかわからない。
何かを感じ取ったのかボスがすぐにガムをくわえて真横に座った。
耳が話を聞いてるかのようにぴくぴくと動く。
「廉くん、不安になっちゃったね。」
「・・・ん。」
「大丈夫だよ。翔の彼女とも二人が席を外した後にちゃんと話したから。」
「なんて・・・?」
「ん?翔の一番は廉くんで二番は空と百々ちゃん、君はたぶん三番目に大切な人になるけどいいの?って」
「・・・・。」
「そしたら、全然大丈夫ですって。自分も今からってるペットが第一ですからって言ってたよ。どうやらウサギさんを飼ってるみたいだよ。」
「・・・・。ウサギと同じ・・・?」
「笑っちゃうでしょ?ベッタベタな恋愛かと思ったら、あっさりというか本当にそれで君たち好き同士なの!?っていうような感じだったよ。」
「・・・意外。」
「でしょ?翔、廉くんたちに甘いから彼女にも甘いかと思ったら。でも両方がドライ目だからいいのかもしれないね。」
「・・・・。」
「どう?少しは安心できたかな?」
「うん・・・。でも百々はわからないじゃん・・・。」
「百々ちゃんかぁ~。ま、百々ちゃんはさっきもしょんぼりしてたし、たぶん翔とは違うかもしれないけど、廉くんが一番なんだと思うよ。だからのろけた事なかったんじゃない?お家で。」

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