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第1章
だから人違いですってば2
しおりを挟む「そんなに愛していたのに…なんで別れちゃったんですか…?(しまった。これってきっと地雷ワードだよね…。)」
私はすぐに謝罪の言葉を話そうと口を開いた。
「ごめん」
それは私が言おうとした謝罪をもっとラフにした感じ…つまり私が言う前に彼が少し俯きながら放った言葉だった。
「いや、謝るのはこっちですから!!!すみません無粋な質問を…!!」
「“春が来たなら…”」
「え…?」
「知らないですか?」
「………」
突然の質問に困惑しつつ、脳内で検索をかけてみる。
「…知らないですね」
「ですよね!!すみません!!」
「(不思議系男子なのか…)」
「なんか、変ですよね…私…」
「(あ、やばい顔に出てたかな)いやいやいや!!そんなことないですよ!!人間そういう時ありますよ!?人生で1回2回ぐらい…(あっ…!!)」
励まそうとして余計なことまで言ってしまった….。
「…1回2回…だけなんですか…?」
彼はそう呟いた後、ブッと吹き出した。
「じゃあもうあと1回しか変な事は言えないですね」
「まぁ…そういうことになってしまいますよね…すみません…」
手を膝に置いて姿勢よく深々と頭を下げると彼も慌てて頭を下げる。
「いえ、こちらも金曜日からすみませんでした。」
「いえいえ全然っ!!!!!お気になさらず!!!!!むしろお酒を奢っていただいちゃって…」
「それはいいんですよ、私がそうしたかったからしたことなんで。せっかく興味を持って来ていただいたことですし、呑みましょうか!」
「はい…!」
「いや~~すっごく美味しいお酒ばっかりで!!!ご馳走様でした!!!」
久しぶりにほんの少し酔ってハイテンションになってしまってる私。
それぐらい今日は呑んでしまった。
「いえいえ!喜んでもらえて良かったです!」
駅へと向かう人が少ない道路を2人で歩きながら話す。
「池矢木さんもかなり呑める口なのですねーー!!」
「まぁ、人並み以上は飲めますね!でも鳴瀬さんのペースには負けますよ」
「またまたぁ~!同じぐらいでしたよ!」
「いやいや、そんなことは無いですよ!」
と、すっかり打ち解けて話せてしまってるのだからお酒の力はすごい…。
「じゃあ今度勝負しましょう!どっちが沢山呑めるか!」
「ははは、いいですよ」
目がきゅと細くなり、口角がぐんと上がる笑顔は誰が見たって可愛いと思ってしまうと思う。なので思わずじっと目を細めて見ているとその様子に気がついた彼が「???」というような表情になった。
「あなた…会社内でめっっちゃモテてますよ」
「え?」
「社長が来るってなった時、話は池矢木さんの話で持ち切りでしたもん!!でも納得しました!!あなた笑顔がめっちゃ可愛い!これはモテる!」
「な、なんですかいきなり」
困惑したような様子の彼をよそに話を続ける。
「いや、思わず納得しちゃったんです!まぁ私達の出会いも出会いだったので…最初はちょっと…あれだったけど」
「ちょっとあれ??…」
「でも今日話してみたら面白いですし、何より笑顔!笑顔が本当に素敵でしたよ!」
完全に勢いで話している自分。
気がつけばもうすぐ駅。
「あ!もうすぐ駅です!すみません、違う路線なのにここまで着いてきてくださって」
「いえいえ、そこはお気になさらずに。楽しめてくれたようで良かったです」
一方的にこちらが話して閉まっている状況で彼は依然として笑顔でそう返した。
「ここでもう大丈夫なので!ほんとにありがとうございました!」
「こちらそこありがとうございました!お気をつけて!」
「はい!」
そう言って彼を背に駅へと歩き出した。
その時ふとある事を思い出し、2~3m歩いたところで再び彼の方へ向き直した。
彼は「?」といった表情を見せる。
「あのー!お店で言ってたあの言葉!私だったら続きはこうします!!」
「え?」
「“春が来たら、笑い合おう”!!!」
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