異世界でゆるゆる生活を満喫す

葉月ゆな

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【リーンハルト:10歳】

第361話 出店はありません

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「ハルトー」声がした方を向くとカナルと黄金の翼とエドガーだった。

いったいどういう組み合わせだ。


「なぜカナルと黄金の翼が?」

エドガーが言うには、ツヴァイ町経由のサヴァイ村への護衛で口の堅い冒険者を貸してほしいとお願いしたら、商会の重要案件と思われたらしく、姉であるリンカさんがいる黄金の翼に声がかかったそうだ。

黄金の翼はカナルとダンジョンに行く予定だったらしく、変更するかわりにカナルも同行を許可してもらったそうだ。

カナルは私と友達だし、魔法の練習で騎士団によく来ているからな。


「ギリギリだね。それだとアンケート集計はまだかな?」

「はい、ですから手伝う人が欲しくて・・・・。」

あと協力してくれたお店の方たちが協力料金はいらないからサヴァイ村の祭りに参加させて欲しいと押し切られて同行しているとのこと。

もう来ているのだから追い返すわけにもいかないし、それもあって到着が遅くなったのか。


「ハルト、俺たちも祭りに参加していい?」

「俺たち?」

「はい!私たちも参加したいです」

アリーさんが片手を軽く上げる。

黄金の翼の他のメンバーを見ると笑いながら楽しそうなのでと言う。


「出店はないよ。いいの?」

「出店がない?そんなー」アリーさんの悲壮な声だ。

「祭りだよな?」

「ちょっと趣向を変えて運動会をする予定」

「「「運動会??」」」 「何それ」


祭りに参加したいなら村長のところへ行くようにと言って別れる。

アンケートは政務官3人とエドガーと私とフローリアで急いで集計した。


翌日、村の広場に全員集まり、青色・ピンク色・オレンジ色・緑色のハチマキを各チームに渡し、髪に結ぶようにお願いする。

ダミアン、ロゼッタ、ローザが演台の上で見本をみせると、みんな真似をして髪にハチマキを結ぶ。


なぜかクリス兄様が青色、ジェラ兄様がオレンジ色、アイザック兄様とブリジットがピンク色、ユベール兄様とディアンヌが緑色のハチマキをしてチームリーダーで動きやすい服装になっていた。

ブリジットとディアンヌも乗馬服だ。

アイザック兄様とユベール兄様は予選会を見ていないのでブリジットとディアンヌが補助するのだろう。

参加してもいいよとは言ったが最初からですか。


よく見るとカナル、黄金の翼、我が家の従業員たちもハチマキをしてそれぞれのグループに交ざっている。

料理人と侍女さんたちは料理と販売しないといけないよね。


私の驚いた顔をみたフローリアが

「早朝から大判焼きを販売して全部販売終了したの。料理人も昨日この村に着いてからずっとお祭り用の大判焼きを作ったから、お祭りに参加ですって」

「あの大量を?1人12個までにしたのに、もう完売?」

12個入り700個と6個入り300個だぞ。


「1人につきにしたけれど、商人には護衛や付き人もいるでしょう。だからあっという間に終わったわ」

「商人以外はいなかった?」

「多少はいたようだけれど、大判焼きが買えたから大きな苦情はなかったみたい」

「販売人5人ですぐに終わる?」

「他の侍女さんや侍従も手伝って終わらせたのよ」

いったいどういうチームワークだ。


侍女さんたちも動きやすい服装に着替えている。

最初は戸惑っていた村民も「運動会は対抗戦だ。皆で知恵を絞って勝つぞ」

ジェラ兄様が自分のオレンジチームに檄を飛ばすと、オレンジチームの村民も「おー」と答えてからは、各チームで気合を入れ、その場の雰囲気で盛り上がっているようだ。


ラファエルは参加しないの?と聞いたら、私を手伝ってくれるとのこと。

ありがとう、君は真の友だよ。


村にある豊穣神、大地神、植物神の像がいつの間にか演台の横に置いている台座に移動されていた。

誰がしたのか村長に聞くと「プチ麦の収穫祭ですから」と言う。

しかも村民でプチ麦料理と大判焼きを台座の前にあるテーブルにお供えしたようで、撤去するようには言えなかった。

念のため神々に心の中で、この料理はお供えしていますが村民とあとで食べるので持っていかないでください。

改めて屋敷の教会にお供えしますのでとお願いをしておいた。


村長が「では祭りを始める前に、神々様にプチ麦が大豊作になったことの感謝と今後も作物が豊作になるように祈りを捧げましょう」

村民はじめ皆で祈りからお祭り(運動会)が始まった。

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