異世界でゆるゆる生活を満喫す

葉月ゆな

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【リーンハルト:10歳】

第371話 アパル村(後編)

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村長の案内で、一番大きい、魔獣にもらった実が成長したといわれているププラの木に近づき、根もとからププラの木を見上げる。


「うーん、この木のことだと思うのだけれど何があるのかなぁー」

「匂いも、実が食べられるわけではないのでしょ。一体何なのかしらね?」

ププラの実はキウイフルールぐらいの大きさで、割ってみると白い果肉と黒い種だった。

色は違うし、種はたくさんではないが、なんとなくキウイフルーツに似ている。


「これ、食べられないのだよね」

「はい、薬とか何かに使えないか調べてもらったのですが・・・・」

結果は芳しくなかったということね。


ガザゴソと音がする方を見るとスライムが落ち葉を食べていた。

私がスライムを見ているのに気付いた村長が

「このスライムは偏食でしてね。このププラの葉しか食べないのです」

「スライムが吐き出すものは液体?腐葉土?」

「液体なのですがドロッとした薄緑の液体なのです」


肥料として使えないことはないが、効能は普通のスライムが出す肥料より格段に落ちるので使っていないそうだ。

ただ、葉っぱが大量に落ちるので片付けをしてくれるスライムは重宝しているそうだ。


「その液体、見せてもらってもいい」

「たくさんありますのでどうぞ」

あとププラの実を10個ほどもらって引き上げる。



村の集会所の会議室に、ププラの実とププラの葉だけを食べるスライムの吐き出した液体をテーブルに置いた状態でクリス兄様とフローリアの3人でいる。

フローリアがスプーンを使い、液体を瓶から取り出そうとしたら、粘りがある液体みたいで伸びている。


「この液体って固まらないのかしら」

「どうして?」

「固まったら油系の料理の袋にできないかなって」

ププラだからプラスチックっぽくない?


「プラスチック?」

クリス兄様に前世である原料で作られるもので、前世ではいろいろなものに利用されていたと話す。

そういえばププラの実のこと本に書いてあったはず。


私は「食べられない植物の実一覧」の本をマジックバックから取り出しページをめくる。

あった。



【ププラの実】

果物に似ているが食べられない。

匂いはない。

口にすると独特の味でとにかくまずい。

しばらく口の中がおかしくなる。

成分を調べるが、どれにも該当しないため薬にも使えないものである。

ページにはププラの木と葉、果実の絵があった。

このページを見たフローリアが「石油に似ていないかしら?」



石板を取り出しププラの実にかざすが、該当なしになった。

ココツの実は検索ヒットしたのに図書館の本にはないようだ。

実験はマリアにお願いしよう。

村長に試したいことがあるからとスライムの液体を10瓶とププラの実を追加で50個ほど分けてもらい村を後にした。


途中新街により一泊する。

新街も建物ができ始めていた。

展覧会の入賞者やその家族で新街移住希望者は、新街で生活をすでに始めている。

しばらくは建設に携わっている人や我が家の従業員向けの食事を作ってもらうことで生計を立ててもらっている。


生活費として十分とはいかないかもしれないが全然ないよりはましだろう。

新街の屋敷にいた料理人は全員領都の屋敷に戻った。

クリス兄様についていく料理人もいるから人数が減るし、私がお菓子を大量にお願いしたり、お土産を大量に用意したりと忙しい。


だから新街に展覧会で入賞した料理人が来るなら新街のお披露目をするまで、我が家の従業員の食事をお願いすることになったのだ。

あとフルール生花店の家族も移住をした。

しばらくは家でお土産用のフラワーキャンドルを作るのと、生花畑を砦近くで作って過ごすそうだ。



屋敷に戻ってマリアにププラの実とププラの葉だけを食べるスライムの液体を渡した。

マリアは新しい素材にうれしそうだ。

「これで何が作れそうなのですか?」

ピーネ紙に塗ったら油をはじかないか、料理に塗った液体が移らないか調べてほしいと話した。


「もし、これが油料理に有効なら新街の料理やお土産の悩みが解決しますね」

量はあまりできないだろうことも話した。

「たっぷり使用するというよりは少量でということですね。いろいろ試してみます」
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