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第46話 実感
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外ではセドが仕切って、ナディーヤと4組の冒険者パーティで、今後の方針を話し合っているところへ様子を見に行く。
畑作業者の警護やその周辺の安全確認、小川から水を引く土木作業員周辺の警護とその周辺の安全確認、建築現場奥の安全確認、島の内部への探索のローテーションをどうするかとかだ。
「セド、話し合いは順調?」
私の声に打ち合わせを中断して、、私の方に顔をむけてセドが尋ねてくる。
「大まかな所は決まったよ。ダル、島への移民希望組の話し合いは終わったのか?」
「まだだよ。ただこれからしようとする仕事の経験者の意見や、話し合いも活発だったからハワードに任せてきた」
セドからは今回加わった冒険者パーティ、「グリント」と「アステール」の紹介があった。
グリントのリーダーはエリックさん。
30代半ばから後半の男性5人組で、Cランクパーティ。
エスペランサとも顔見知りだそうだ。
グリントは主にダンジョンで活動していたが、30代半ばを過ぎたということもあり、そろそろ落ち着く場所を決めてもいいかもと話し合っていた最中だったとか。
海賊を引き渡すために王都に来ていたエスペランサと再会して、この島の話を聞き興味をもったそうだ。
もし雇用を断られた時は、最悪エスペランサと交代してもらうつもりだったらしい。
アステールは20代前半の男性3人と20代半ばの女性2人の5人組。
リーダーはシュリさんという女性で、もう一人の女性ルイーザさんと男性3人の一人であるルイスさんが姉弟らしく、その縁で結成されたDランクパーティだそうだ。
「私たちはエスペランサとグリントが食事していた場所の隣にいたんです。そこでエスペランサが話していた、海賊討伐や島の開発を聞いて、興味を持ったんです」
ちょっと気まずそうに、シュリさんが話してくれた。
エスペランサとグリントは今知ったらしく、額に手を当てたり、空を見上げたり、私から顔をそらしたりしていた。
「正直に話してくれてありがとう。大丈夫だ。ここに興味を持ってきてくれたことに感謝するよ」
私の言葉にエスペランサ、グリント、アステールのメンバーは、ほっとした顔になった。
ここもセドたちに任せれば大丈夫そうなので、ブレナン、ジェイ、リアムと土木作業員が話し合っているところへ行く。
「ブレナン、話し合いは進んでいるかな?」
「ダニエル様、まずは川に行ってから、ここまで引く作業工程を決めることになりました」
そういえばブレナンたちも川には行ったことなかったな。
セドかナディーヤのどちらかには同行してほしいと依頼しよう。
そして土木作業員の代表者は、40代半ばの犬の獣人で、子爵領の土木事業を請け負っている商会長だった。
「えぇっ?!商会長がここに来てもよかったのですか?店は大丈夫ですか?」
私は商店のトップが来ているとは思わなかったし、店や子爵領の現場で何かあった時にすぐに行くなんてできないぞと思ったから確認したかった。
商会長さんから、丁寧な言葉遣いが出来ないから、許してほしいと前置きがあってから話し出す。
「俺は現場が好きで、経営は嫁と娘に任せている。それに最初から任せてもらえるなんてそうそうあるもんじゃないからな」
商会長の名前はギルさんで、今回、若手への技の継承も兼ねているらしい。
子爵領だと、壊れた箇所の修復工事や、新居の配管工事などで、最初から全部設計を任され、工事できることがないそうだ。
だから副商会長…ギルさんの奥さんに頼み込んで、この島に来る許可をもらったそうだ。
ここも専門家に任せれば安心だ。
やっと本格的な開拓がはじまると実感したよ。
翌日、ハワードから見せられた提案書の束を見て私は驚いた。
「すごいね、こんなにみんなから意見が出るなんて」
「はい、みんなここでやっていくためには、自分たちが知っていることで役に立てないかと考えました」
ハワードは、みんな真剣に考えたとアピールしてきた。
やっぱりハワードはみんなを纏めることや、聞きだし上手だ。
ハワードの書類には、農業、漁業、酪農、養鶏のさまざまな案が書かれていた。
「将来的にはこの島で自給自足できる状態にするということだね」
「はい、天候によっては、本土から供給できない場合もあるかと思いますから」
ハワードの言葉に私はうなずいた。
「正直、開拓を始めたが、将来どういう風にしたいと計画はまだなんだ。すべてを同時にはできないが、どれもしたいものばかりだ。だけどまずは漁業、生簀、養殖とオーブの栽培からだろう」
「そうですね。缶詰工業の利益をあげるのならば、生け簀は工場の稼働日を増やすために、早急にされた方がよろしいですし、オーブを栽培できればコストが下げられますので利益が出やすいかと思われます」
「ただ、どれも任せられる人材がいないからなぁー」
ハワードから、ミルク貝の養殖に手を挙げている人がいると教えてくれた。
だから生け簀を任すと同時に、ミルク貝の養殖もどうかと提案された。
提案者は祖父がミルク貝の養殖をしていたらしく手伝ったことがあるとのことだ。
詳細を本人から聞く前に、必要な道具一式と計画書を書くこと、また私が準備したこの島にある畑に必要な道具の確認と足りないものを教えてほしいと指示をだした。
畑作業者の警護やその周辺の安全確認、小川から水を引く土木作業員周辺の警護とその周辺の安全確認、建築現場奥の安全確認、島の内部への探索のローテーションをどうするかとかだ。
「セド、話し合いは順調?」
私の声に打ち合わせを中断して、、私の方に顔をむけてセドが尋ねてくる。
「大まかな所は決まったよ。ダル、島への移民希望組の話し合いは終わったのか?」
「まだだよ。ただこれからしようとする仕事の経験者の意見や、話し合いも活発だったからハワードに任せてきた」
セドからは今回加わった冒険者パーティ、「グリント」と「アステール」の紹介があった。
グリントのリーダーはエリックさん。
30代半ばから後半の男性5人組で、Cランクパーティ。
エスペランサとも顔見知りだそうだ。
グリントは主にダンジョンで活動していたが、30代半ばを過ぎたということもあり、そろそろ落ち着く場所を決めてもいいかもと話し合っていた最中だったとか。
海賊を引き渡すために王都に来ていたエスペランサと再会して、この島の話を聞き興味をもったそうだ。
もし雇用を断られた時は、最悪エスペランサと交代してもらうつもりだったらしい。
アステールは20代前半の男性3人と20代半ばの女性2人の5人組。
リーダーはシュリさんという女性で、もう一人の女性ルイーザさんと男性3人の一人であるルイスさんが姉弟らしく、その縁で結成されたDランクパーティだそうだ。
「私たちはエスペランサとグリントが食事していた場所の隣にいたんです。そこでエスペランサが話していた、海賊討伐や島の開発を聞いて、興味を持ったんです」
ちょっと気まずそうに、シュリさんが話してくれた。
エスペランサとグリントは今知ったらしく、額に手を当てたり、空を見上げたり、私から顔をそらしたりしていた。
「正直に話してくれてありがとう。大丈夫だ。ここに興味を持ってきてくれたことに感謝するよ」
私の言葉にエスペランサ、グリント、アステールのメンバーは、ほっとした顔になった。
ここもセドたちに任せれば大丈夫そうなので、ブレナン、ジェイ、リアムと土木作業員が話し合っているところへ行く。
「ブレナン、話し合いは進んでいるかな?」
「ダニエル様、まずは川に行ってから、ここまで引く作業工程を決めることになりました」
そういえばブレナンたちも川には行ったことなかったな。
セドかナディーヤのどちらかには同行してほしいと依頼しよう。
そして土木作業員の代表者は、40代半ばの犬の獣人で、子爵領の土木事業を請け負っている商会長だった。
「えぇっ?!商会長がここに来てもよかったのですか?店は大丈夫ですか?」
私は商店のトップが来ているとは思わなかったし、店や子爵領の現場で何かあった時にすぐに行くなんてできないぞと思ったから確認したかった。
商会長さんから、丁寧な言葉遣いが出来ないから、許してほしいと前置きがあってから話し出す。
「俺は現場が好きで、経営は嫁と娘に任せている。それに最初から任せてもらえるなんてそうそうあるもんじゃないからな」
商会長の名前はギルさんで、今回、若手への技の継承も兼ねているらしい。
子爵領だと、壊れた箇所の修復工事や、新居の配管工事などで、最初から全部設計を任され、工事できることがないそうだ。
だから副商会長…ギルさんの奥さんに頼み込んで、この島に来る許可をもらったそうだ。
ここも専門家に任せれば安心だ。
やっと本格的な開拓がはじまると実感したよ。
翌日、ハワードから見せられた提案書の束を見て私は驚いた。
「すごいね、こんなにみんなから意見が出るなんて」
「はい、みんなここでやっていくためには、自分たちが知っていることで役に立てないかと考えました」
ハワードは、みんな真剣に考えたとアピールしてきた。
やっぱりハワードはみんなを纏めることや、聞きだし上手だ。
ハワードの書類には、農業、漁業、酪農、養鶏のさまざまな案が書かれていた。
「将来的にはこの島で自給自足できる状態にするということだね」
「はい、天候によっては、本土から供給できない場合もあるかと思いますから」
ハワードの言葉に私はうなずいた。
「正直、開拓を始めたが、将来どういう風にしたいと計画はまだなんだ。すべてを同時にはできないが、どれもしたいものばかりだ。だけどまずは漁業、生簀、養殖とオーブの栽培からだろう」
「そうですね。缶詰工業の利益をあげるのならば、生け簀は工場の稼働日を増やすために、早急にされた方がよろしいですし、オーブを栽培できればコストが下げられますので利益が出やすいかと思われます」
「ただ、どれも任せられる人材がいないからなぁー」
ハワードから、ミルク貝の養殖に手を挙げている人がいると教えてくれた。
だから生け簀を任すと同時に、ミルク貝の養殖もどうかと提案された。
提案者は祖父がミルク貝の養殖をしていたらしく手伝ったことがあるとのことだ。
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