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第57話 相談
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翌日、ヘレンとダスティンさんが私に会いに来たが、2人が話したくてウズウズしている感じがするから、何かいい話があるのだろう。
早速ヘレンが口を開く。
「ダニエル様、ダスティンさんがこの子爵領内で、素敵な発見をしてくれたのですよ」
ヘレンから、我が領内で作られた絹糸の中に、暖かくなる絹糸が見つかったらしい。
ヘレンが取り出しテーブルに置いた2つの生地を、私は手で一つずつ触るけれど違いがわからなかった。
ダスティンさんが席を立ち私に近づく。
そして「失礼します」と言い、私の左右の肩にそれぞれの生地をかけてくれた。
なんだか右肩にかけられた生地のほうが、暖かい気がする。
私のコメントを聞いて2人がにっこりする。
どうやら正解のようだった。
ダスティンさんの話だと、人の体温に反応してより暖かくなっているのではないかとのことだった。
「なぜ今まで気づかれなかったのかな?」
私は肩にかかった生地を外しながら、ダスティンさんに尋ねた。
「養蚕を始めたばかりの村の生地で、私の店に卸せないか売り込みに来たのです」
ダスティンさんは売り込みに来た村の話を聞いて、蚕を分けてくれた別の村にも行き、絹糸を確認したらしい。
だけど売り込みに来た村の絹糸とは成分が違ったそうだ。
そこでその村の蚕が食べる葉を数枚分けてもらった後、今度は売り込みにきた村に行って確認したが、葉っぱの色の濃さくらいしか、違いが分からなかったそう。
「申し訳ありません。ヘレンさんのところにいる鑑定スキル保有者に確認してもらいましたが、糸の成分関係や葉の成分などは不明らしく行き詰ったのです」
ダスティンさんは残念そうだった。
「ダニエル様、1、2度の暖かさの違いかもしれませんが、暖かいのは事実です。暖かくなる原因さえ分かれば生産拡大して、この領の特産品になるかと思います」
ヘレンも真剣だった。
植物の鑑定が出来る人か・・・・いるではないか!ケイティさんが!!
「植物鑑定スキルを持った人が今島に滞在している。私からお願いしてみよう」
2人から是非お願いしてくださいと前のめりで言われた。
私も島の開拓に力を入れているが、この領内が良くなる話だからすぐに調べてもらいたい。
でも最初の島の探検メンバーに入っていたはず?
ケイティさんが戻ったらお願いしよう。
ヘレンに輸出できる商品が、我が領内で他にないか尋ねる。
「輸出ですか?」
「そう、船を活用したいんだ。できればカーセル侯爵家や、商人が関わっていない品物がいい」
これから貿易に力を入れるなら、カーセル侯爵とは被らない商品で始めたい。
暖かくなる生地なら、我が国より北にあるナビア王国との取引が出来る可能性がある。
「わかりました。周辺の他領も含めて探してみます」
ヘレンに頼むことは終わったため、今度はダスティンさんに仕事は順調かどうかと尋ねた。
服一式のオーダーメイドの注文は滅多にないそうだが、シャツだけ、ズボンだけとか単品の注文は増えているそうだ。
結婚した奥さんが仕切っている婦人服も同様らしい。
またヘレンに連れられて服を買いに来たジョージさんから、オーダーメイドではなく、既製服?
サイズを4、5種類に分類したものだけを作り、安く売ることをしてみたらと提案があり、試してみる方向で話がすすんでいるそうだ。
あと結婚式でおしゃれしたい人向けに、服の貸し出しをするのもどうかと提案してくれたとか。
確かにこの領でドレスを作るっても、1回しか着ないとかならわざわざ作る人は多くいないはず。
でも安く借りられるなら、結婚式などでドレスやワンピースのいい物を着たいという人はいそうだ。
ジョージさんからの提案は、既製服で何十種類の中から選んでもらう。
レンタル料は高くしない代わりに保証料・・・きれいに返却されなかった場合とか、または衣服が戻ってこないなどを防ぐために前受けで取り、返却後返金するシステムにすればいいと言われたそうだ
ダスティンさんがさらにメリットを話してくれる。
「私たち夫婦も新作の発表として使えます」
新作を考えても買う人がいなければ、デザインは日の目を見ない。
でもレンタル費用なら出して着たいという人が選ぶ服で、人気がわかり今後のデザインの参考にできるし、売り上げにもなる。
あとジョージさんからは、手縫いではなく、魔道具で服が縫えるものを製作してくれるそうだ。
そうなれば服の完成時間が短縮され、販売できる数が増えるため、さらに安く販売できるのではと提案されたのだとか。
ダスティンさんの話に、ヘレンはうなずき、数枚の紙を取りだし、私に見せてくれる。
「そうなんです。ジョージから部品の設計図を渡されて、ガルシアさんにお願いしてほしいと頼まれました」
部品の設計図は私が預かり、ガルシアさんに渡すことになる。
「しかしジョージさんは不思議な人だね。色々開発しているから、私たちとは考え方、発想が違うのはわかる。もしこの魔道具が完成すれば、領内、いや国内で服飾産業が拡大する話になりそうだ。ジョージさんの提案した内容は、上手くいく可能性が高いと私でも思うよ」
私は2人から話を聞いて感心した。
「ジョージが話す魔道具が本当に完成すればですが・・・・。ダスティンさんの商売が軌道に乗る可能性が高い話ですし、成功させたいです」
ヘレンはダスティンさんをこの子爵領に勧誘したから、より成功してほしいのだと思うのだろうな。
早速ヘレンが口を開く。
「ダニエル様、ダスティンさんがこの子爵領内で、素敵な発見をしてくれたのですよ」
ヘレンから、我が領内で作られた絹糸の中に、暖かくなる絹糸が見つかったらしい。
ヘレンが取り出しテーブルに置いた2つの生地を、私は手で一つずつ触るけれど違いがわからなかった。
ダスティンさんが席を立ち私に近づく。
そして「失礼します」と言い、私の左右の肩にそれぞれの生地をかけてくれた。
なんだか右肩にかけられた生地のほうが、暖かい気がする。
私のコメントを聞いて2人がにっこりする。
どうやら正解のようだった。
ダスティンさんの話だと、人の体温に反応してより暖かくなっているのではないかとのことだった。
「なぜ今まで気づかれなかったのかな?」
私は肩にかかった生地を外しながら、ダスティンさんに尋ねた。
「養蚕を始めたばかりの村の生地で、私の店に卸せないか売り込みに来たのです」
ダスティンさんは売り込みに来た村の話を聞いて、蚕を分けてくれた別の村にも行き、絹糸を確認したらしい。
だけど売り込みに来た村の絹糸とは成分が違ったそうだ。
そこでその村の蚕が食べる葉を数枚分けてもらった後、今度は売り込みにきた村に行って確認したが、葉っぱの色の濃さくらいしか、違いが分からなかったそう。
「申し訳ありません。ヘレンさんのところにいる鑑定スキル保有者に確認してもらいましたが、糸の成分関係や葉の成分などは不明らしく行き詰ったのです」
ダスティンさんは残念そうだった。
「ダニエル様、1、2度の暖かさの違いかもしれませんが、暖かいのは事実です。暖かくなる原因さえ分かれば生産拡大して、この領の特産品になるかと思います」
ヘレンも真剣だった。
植物の鑑定が出来る人か・・・・いるではないか!ケイティさんが!!
「植物鑑定スキルを持った人が今島に滞在している。私からお願いしてみよう」
2人から是非お願いしてくださいと前のめりで言われた。
私も島の開拓に力を入れているが、この領内が良くなる話だからすぐに調べてもらいたい。
でも最初の島の探検メンバーに入っていたはず?
ケイティさんが戻ったらお願いしよう。
ヘレンに輸出できる商品が、我が領内で他にないか尋ねる。
「輸出ですか?」
「そう、船を活用したいんだ。できればカーセル侯爵家や、商人が関わっていない品物がいい」
これから貿易に力を入れるなら、カーセル侯爵とは被らない商品で始めたい。
暖かくなる生地なら、我が国より北にあるナビア王国との取引が出来る可能性がある。
「わかりました。周辺の他領も含めて探してみます」
ヘレンに頼むことは終わったため、今度はダスティンさんに仕事は順調かどうかと尋ねた。
服一式のオーダーメイドの注文は滅多にないそうだが、シャツだけ、ズボンだけとか単品の注文は増えているそうだ。
結婚した奥さんが仕切っている婦人服も同様らしい。
またヘレンに連れられて服を買いに来たジョージさんから、オーダーメイドではなく、既製服?
サイズを4、5種類に分類したものだけを作り、安く売ることをしてみたらと提案があり、試してみる方向で話がすすんでいるそうだ。
あと結婚式でおしゃれしたい人向けに、服の貸し出しをするのもどうかと提案してくれたとか。
確かにこの領でドレスを作るっても、1回しか着ないとかならわざわざ作る人は多くいないはず。
でも安く借りられるなら、結婚式などでドレスやワンピースのいい物を着たいという人はいそうだ。
ジョージさんからの提案は、既製服で何十種類の中から選んでもらう。
レンタル料は高くしない代わりに保証料・・・きれいに返却されなかった場合とか、または衣服が戻ってこないなどを防ぐために前受けで取り、返却後返金するシステムにすればいいと言われたそうだ
ダスティンさんがさらにメリットを話してくれる。
「私たち夫婦も新作の発表として使えます」
新作を考えても買う人がいなければ、デザインは日の目を見ない。
でもレンタル費用なら出して着たいという人が選ぶ服で、人気がわかり今後のデザインの参考にできるし、売り上げにもなる。
あとジョージさんからは、手縫いではなく、魔道具で服が縫えるものを製作してくれるそうだ。
そうなれば服の完成時間が短縮され、販売できる数が増えるため、さらに安く販売できるのではと提案されたのだとか。
ダスティンさんの話に、ヘレンはうなずき、数枚の紙を取りだし、私に見せてくれる。
「そうなんです。ジョージから部品の設計図を渡されて、ガルシアさんにお願いしてほしいと頼まれました」
部品の設計図は私が預かり、ガルシアさんに渡すことになる。
「しかしジョージさんは不思議な人だね。色々開発しているから、私たちとは考え方、発想が違うのはわかる。もしこの魔道具が完成すれば、領内、いや国内で服飾産業が拡大する話になりそうだ。ジョージさんの提案した内容は、上手くいく可能性が高いと私でも思うよ」
私は2人から話を聞いて感心した。
「ジョージが話す魔道具が本当に完成すればですが・・・・。ダスティンさんの商売が軌道に乗る可能性が高い話ですし、成功させたいです」
ヘレンはダスティンさんをこの子爵領に勧誘したから、より成功してほしいのだと思うのだろうな。
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