3 / 50
*ふたりきりになりまして
しおりを挟む今日から娘の碧は、秀一さんのご実家へお泊りしに行くのだ。
コトは、あの授かり婚から2年目になる、つまり結婚記念日を迎える1ヶ月前。
お義母さんと秀一さんとの間で。
「碧ちゃんも大きくなったんだから外食出来るわよね。2人の結婚記念日も近いものね。ご飯ぐらい食べに行くんでしょう?」
「いや、そんな予定は無い。」
大きくなったと言っても碧はまだ2歳にもなっておらず、そんな子どもを連れて歩くのは私が好まないので、申し訳ないがいくつか提案してくれた秀一さんに丁重にお断りしたのだ。
その経緯から俄然やる気になったお義母さんは。
まだ若い2人が子育てと仕事だけになるなんていけないことよ!
結婚記念日には、私達で預かるわ!
だからデートでもお泊まり旅行でもしてきなさい!!
とのことで、お義父さんも。
可愛い孫娘ならいくらでも預かるよ、とほくほく顔で言われてしまえば断ることもできずに、今日という日を迎えた。
「碧、おじいちゃんとおばあちゃんの言うことはよく聞くのよ。」
まだよくわからないであろう子どもに言っても仕方ないのだか、母親という生き物は言わずにはいられないのだ。
そうして碧だけでなく、お義母さんとお義父さんも楽しそうに去って行ってしまった。
碧のことは心配だが、久しぶりに自分の為にゆっくりできるのはやっぱり嬉しいもので。
子育て中である母親に、自分だけの時間はなかなか作りづらく、ここぞとばかりに読んでみたかったミステリー小説や推理小説を読み漁り。
癒されると話題のペット動画を見漁った。
そうです、私は完全なインドア派です!!
今日は秀一さんとちょっと…いや、かなりお高めなディナーに行くというありがちな結婚記念日のお祝い?をすることになったので、ドレスアップするという夕方までかなり自由だ。
私が自由に過ごす間、秀一さんは何やら書類を見ながらパソコンをいじっていたので、仕事をしていたのではないかと推測する。
「とっても綺麗ですよ。」
「わぁ~。すごいです!!」
連れてきてもらったお店は、やっぱり高級なブティックで、自分では絶対に入らない、選ばない高いドレスと高度なメイク技術であっという間に綺麗に仕上げて頂いた。
肌をあまり出したくないという私の要望に応えて頂き、鮮やかな青色のレースに花柄の刺繍が施されたマキシ丈ワンピース。
ふんわり揺れるドレスワンピースが可愛い。
綺麗に見えるのはお店の方のお陰ですよ!
多分、いや、もの凄い金額なのだろうが。
秀一さんから男の顔を立たせてほしいと言われてしまえば、素直に従うしかないのだ。
金額がかなり気になるが、考えないようにするのだ!
秀一さんからも、似合ってる、とお褒めの言葉を頂き、これから美味しいディナーが待っていると思うと気分は上昇する一方だ。
お酒はそんなに強くないが、伊勢海老の鉄板焼きと甘めで軽やか白ワインがよく合い進む。
久しぶりの自分の為だけの時間や着飾った今の姿、美味しいお酒とご飯で私は幸せいっぱいで。
自分で立ち上がるのも大変なくらい呑んだ私を見兼ねて。
「部屋を用意してもらったから泊まろうか。」
秀一さんの優しい気遣いに素直に頷き、とても広いふかふかのベッドへそのまま倒れ込んだ。
喉が渇いたと言えば、彼は水を持って来てくれて。
「んんっ。」
「歩…。」
何故か口移しで、秀一さんの瞳は熱を含んでいて。
あれ?
いつの間にか背中のファスナーも開けられていて、秀一さんの手は私の胸に触れていて。
「え?あの…?」
「久しぶりに本当の2人だけなんだ。俺たちが仲良しだと碧は喜ぶだろう。」
そうだとは思うけれど'仲良し'のニュアンスが違うような…。
違わないだろ、と言って秀一さんは私の身体を触る手を止めないどころか、私を厭らしい気持ちにさせてしまう。
結局えっちなコトをしてしまい、秀一さんは何故かご機嫌で、私はかなり恥ずかしい思いをしたのだ。
0
あなたにおすすめの小説
愛されないと吹っ切れたら騎士の旦那様が豹変しました
蜂蜜あやね
恋愛
隣国オデッセアから嫁いできたマリーは次期公爵レオンの妻となる。初夜は真っ暗闇の中で。
そしてその初夜以降レオンはマリーを1年半もの長い間抱くこともしなかった。
どんなに求めても無視され続ける日々についにマリーの糸はプツリと切れる。
離縁するならレオンの方から、私の方からは離縁は絶対にしない。負けたくない!
夫を諦めて吹っ切れた妻と妻のもう一つの姿に惹かれていく夫の遠回り恋愛(結婚)ストーリー
※本作には、性的行為やそれに準ずる描写、ならびに一部に性加害的・非合意的と受け取れる表現が含まれます。苦手な方はご注意ください。
※ムーンライトノベルズでも投稿している同一作品です。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。
true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。
それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。
これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。
日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。
彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。
※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。
※内部進行完結済みです。毎日連載です。
大丈夫のその先は…
水姫
恋愛
実来はシングルマザーの母が再婚すると聞いた。母が嬉しそうにしているのを見るとこれまで苦労かけた分幸せになって欲しいと思う。
新しくできた父はよりにもよって医者だった。新しくできた兄たちも同様で…。
バレないように、バレないように。
「大丈夫だよ」
すいません。ゆっくりお待ち下さい。m(_ _)m
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる