私の日常

林原なぎさ

文字の大きさ
27 / 50
過去のお話 -日常編-

1年6ヶ月

しおりを挟む




「じゃあ、西園寺先輩とはまだ会ってるんだよね?てかそうだよね。旅行にも行ってたし。」


「…うん。」


「忘れてたけど、誕生日も祝ってもらったんでしょう?」


「…うん。」


「あの西園寺先輩が…。」


質問攻めが止まらない愛歌。

どうしたのだ、と思うが愛歌は真剣な表情でぶつぶつ独りごちている。


「あのさ、やっぱり思うんだけど!」


どうやら言いたい事が頭の中で纏まったようで顔を上げ、私の真正面に向かい合い。


「付き合ってるって。'セフレ'って歩の勘違いだね。」


いきなり、何を?と思うが、愛歌と一緒になって湊音まで会話に加わり。



「愛歌の話を聞く限り、その西園寺さんは、興味の無い相手にプレゼントを贈ったり、ましてや旅行にも行かないと思う。」


「そうだよ!しかも西園寺先輩プールで歩にべったりだったじゃん。あんな姿初めて見たし。」


セフレは勘違い!

綺麗なまでにふたりの声が重なった。








遡る事、1時間前。




季節はクリスマス。

今年は彼氏もいないし、集まってワイワイはしゃごうよ!

お決まりの愛歌からの提案に湊音は。

サークルの集まりがあるからムリね。

間髪入れず断り、仕事が終わった後なら予定は無いので私は大丈夫だと話たら。

じゃあ歩とふたりで女子会しよう!と言って私に抱きついてきた。


が、しかし。

私のスマホにメッセージが入った。


'クリスマスの予定は空けておけよ。レストランを予約した。'


スマホ画面に出た、その表示はもちろん愛歌と湊音の視界にもばっちり入り。


そういえば、西園寺先輩との関係は?…と愛歌に聞かれ答えていると、こんな状況になってしまったという訳だ。



「クリスマスとか意識しちゃってるんだよ?あの西園寺先輩が!」


信じられないっ!


声は後半になるにつれ、大きくなる。


「愛歌から聞くあの人の話と、歩から聞く彼の話は同一人物だとは思えないもの。それに…。」


彼の歩に対する態度は間違いなく、歩を想うひとりの男のそれだった。




ふたりの中では私の'勘違い説'がほぼ確定なようだ。


そうだろうか、と思うが今ここでそんな事を言えば愛歌は更にヒートアップするのが目に見えている。



「セフレにクリスマスのお誘いは無いわ!」


「今回を機に聞いてみたら?歩の勘違いにショック受けるんじゃないかしら。」



なおも興奮状態の愛歌と呆れ顔の湊音に私はただ黙って頷くしかなったのだ。








「歩…どうかしたか?」


食事も終わり、帰りが遅くなった事から秀一さんのお家にお泊りするようにと勧められ、そのままベッドへ。

やはり、というべきか、服を脱がされながら身体中秀一さんの舌で侵される。

えっちな声を上げてしまう私の口を塞ぎ、深い口付けをする。



唇を重ねている最中についこの間のやり取りを思い出し、私の意識がキスに集中していないと秀一さんはわかるようで…若干不満そうだ。



「友人との会話を思い出して…。」


「今は、俺に集中しろ。」


少しムスッとした表情で言い放つその顔がちょっと可愛らしいと思ってしまった。



再び唇が重なり、これから始まる更なる甘い時間に身を委ねよう…。


セフレでも恋人でもどちらでも構わない。

今はまだ、この人の側にいてもいいのならどんな関係でも私にとってはそれ程重要なものでは無い。



今思えば、既に秀一さんは私にとって特別な人になっていたのだと思う。





しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

妻の遺品を整理していたら

家紋武範
恋愛
妻の遺品整理。 片づけていくとそこには彼女の名前が記入済みの離婚届があった。

俺様上司に今宵も激しく求められる。

美凪ましろ
恋愛
 鉄面皮。無表情。一ミリも笑わない男。  蒔田一臣、あたしのひとつうえの上司。  ことあるごとに厳しくあたしを指導する、目の上のたんこぶみたいな男――だったはずが。 「おまえの顔、えっろい」  神様仏様どうしてあたしはこの男に今宵も激しく愛しこまれているのでしょう。  ――2000年代初頭、IT系企業で懸命に働く新卒女子×厳しめの俺様男子との恋物語。

人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている

井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。 それはもう深く愛していた。 変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。 これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。 全3章、1日1章更新、完結済 ※特に物語と言う物語はありません ※オチもありません ※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。 ※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

熟女愛好家ユウスケの青春(熟女漁り)

MisakiNonagase
恋愛
高校まで勉強一筋で大学デビューをしたユウスケは家庭教師の教え子の母親と不倫交際するが、彼にとって彼女とが初の男女交際。そこでユウスケは自分が熟女好きだと自覚する。それからユウスケは戦略と実戦を重ねて、清潔感と聞き上手を武器にたくさんの熟女と付き合うことになるストーリーです。

【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される

奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。 けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。 そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。 2人の出会いを描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630 2人の誓約の儀を描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」 https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041

処理中です...