残影の艦隊~蝦夷共和国の理想と銀の道

谷鋭二

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【第五章】駐露全権公使・榎本武揚

千島・樺太交換条約

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 この時代のロシアの首都はモスクワではなく、サンクトペテルブルクである。サンクトペテルブルクは、千七百年にピュートル一世がスウェーデンとの戦争に勝利し土地を奪い、その三年後に広大なロシア帝国の都となった。
 サンクトペテルブルクもまた水の都である。この都市には四十二の島、大小四十の川、延べ百六十キロに及ぶ二十の運河、そして三百四十二本の橋があったという。
 この地で明治七年(一八七四)六月十八日、榎本武揚はロシア皇帝アレクサンドル二世と最初の謁見をおこなった。小雨まじりの中、榎本は皇帝の住むという冬宮に赴く。門の前にはコサック兵が銃を手にして直立不動を姿勢をとり、ロシア国旗が風になびいていた。いずれこの国とも戦になる日が来るのであろうか? 榎本は思わず息をのんだ。


(プチャーチン来航図) 

 謁見は無事終わった。榎本はロシア政府の世話により、しばしの間ある日本のことをよく知るという、老人の家に逗留することとなった。
「はじめまして榎本殿、ここには何もありませんが、どうぞゆっくりしていってください」
 最初会った時、老人は突如として日本語で語りかけたので、思わず榎本は驚きの色をうかべた。
「貴公は何者? なぜ我が国の言葉を?」
 老人は自らをエフィム・プチャーチンと名乗ったので、榎本は再度驚いた。
「それでは貴公でござるか? 貴国との国交樹立のため我が国を訪れたというのは?」
 幕末、鎖国状態だった日本を開国させるため、遠路訪れた外国人はアメリカのペリーだけではなかった。ほぼ時を同じくして、ロシアもまた使節を日本に派遣していた。プチャーチンが四隻の艦隊を率いて長崎に入港したのは、嘉永六年(一八五三)の七月十八日、ペリーの浦賀来航からおよそ一カ月遅れてのことだった。
 しかし日本側との交渉は、プチャーチンにとって実に骨の折れる仕事だった。半年も待たされたあげく、ようやく交渉開始。翌、安政元年八月には箱館に移動。そこで初めてプチャーチンは、日米和親条約の締結を知ることとなる。
 アメリカに先をこされ焦るプチャーチン。しかし交渉は幕府役人の引き延ばし工作により、まるで埒があかない。この間、露土戦争が勃発しイギリスとフランスがトルコに加担。日本近海でさえも、ロシア人のプチャーチンにとって決して安全圏とはいえない状況となってきた。
 業を煮やしたプーチンは太平洋を南下し、紀淡海峡から艦隊を一気に大坂湾に乗り入れる。上方は大騒ぎとなった。この後、艦隊は十月には下田に移動し、この年の暮れついに日露和親条約の締結となる。
 プチャーチンは、日本の役人には嫌というほど失望させられたが、日本人そのものには好意的だった。プチャーチンの艦隊は、下田で地震と津波に遭遇する。ロシア人乗組員の多くが死を覚悟するほどの惨状となる。しかし下田の日本人はロシア人の救助と、負傷者の手当等に最善をつくした。そのため日本という国そのものには、決して悪い印象を持ってはおらず、この時の下田の人間との交流を終生忘れなかったという。
 榎本の脳裏は、しばしプチャーチン、そしてペリー来航時の世情騒然とした時代へとさかのぼった。あの頃は自分も若かった。そして榎本はもちろんのこと、日本人の誰もが、天下泰平の世が永遠に続くものとばかり思っていた。よもやこれほどの激動と時代となり、これほど多くの人間が死ぬことになろうとは……。榎本にとって親しい者だけでも、いかほどの人間が死んだことか。
 ちなみにプチャーチン来航図なるものが現存し、複製も数枚製造された。そのうちの一枚は、日本の安倍晋三元首相から日露首脳会談の際、ウラジミール・プーチン氏に贈呈されたという。
 しかし肝心の北方領土をめぐる交渉は、結局のところ何も進展しなかった。超絶外交音痴の日本人が、海千山千の大国ロシアと交渉するということは、それほど難しいことなのである。
 この後、榎本はプチャーチンの世話で、サンクトペテルブルクの名所そして旧跡を見てまわることとなる。それだけではない。はじめて天球儀、すなわちプラネタリウムというものを見せられて、天文マニアの榎本は狂喜する。
 サンクトペテルブルクで榎本が驚いたものはまだある。この都市ではちょうど六月から七月の間は白夜の期間となっており、例え夜の十時ほどになっても、なおこの都市は昼のように明るかった。榎本は、深夜だというのに薄明かりに照らされた運河を目の当たりにした。そして日本の隅田川やオランダ・アムステルダムの運河を行き交う船舶の有様を思いだしていた……。


(サンクトペテルブルクと白夜)
 
 ロシア側との本格的な交渉は十一月にはじまった。榎本と交渉にあたったロシア側の代表は、ゴルチャコフという七十五歳の老練な外交官だった。ゴルチャコフはまずロシアの国内事情から延々と語りはじめ、そのおかれている状況を説明する。
「一度、国を交換したいものですなあ」
 ゴルチャコフは小さくため息をついた。
「貴国は少なくとも三百年泰平の世を謳歌した。聞いておりますぞ貴国の国政の中心である江戸城には、数千人の美女がおり、平時には男は数えるほどしかいない。徳川も各地の諸侯も、他国が攻めてきた際の備えとしての海軍すら持たなかった」
 榎本はゴルチャコフが何をいいたいのか、しばしいぶかしんだ。
「貴国が泰平の世を謳歌している間にも、我が国は英国と争い、トルコと争い、ナポレオンとも戦った。このサンクトペテルブルグも、もとは敵国スウェーデンの土地だった。しかしこの土地は広大なロシアの首都としては、西にありすぎる。いずこかの土地に、副首都のようなものをつくったほうが、国防上も都合がよいというもの」
「ほう、してそれはいずこの土地に?」
「例えば貴国の北海道などいかがかな?」
 榎本の目が光った。
「いやいや、冗談がすぎましたな。我が国ほどの巨大な国が、ちっぽけな貴国の領土など欲しても詮無きこと、我らが何を欲しているかおわかりかな?」
「清国のことでござるか?」
「左様、あの国はあまりに豊かで、そして魅力にあふれている。英国でなくても欲しくなるのはどの国でも同じ事。我らとしては樺太を足がかりとして、ゆくゆくは中国の東北部あたりを手中にと、考えておる次第なのです」
「よろしいでしょう。樺太は貴国の領土として我が国も認めましょう。なれどその代わりとして、千島列島は我が国のものとしたい」
 するとゴルチャコフは、机の上にトランプのカードを三枚並べた。
「私と賭けをしませんか? この中に一枚ジョーカーが混ざっています。もし貴公が先に引いたら、カムチャッカに至るまでの千島の島々は我が国のもの、私が先に引いたら貴国のもの」
 榎本がためらっていると、通訳の鈴本が耳元で何事かをささやいた。
「榎本殿、これはあくまで余興でござる。よもやゴルチャコフ殿も、このようなことで国家の大事を本気で決める気ではありますまい」
「何を躊躇しておられる? それではまず私から」
 ゴルチャコフが引いたカードは、スペードのキングだった。榎本は考えた。もしやしたら残り二枚のいずれもが、ジョーカーなのではあるまいか? 榎本はおもむろに残り二枚のうち一枚のカードを取ると、突如として、近くの燭台の灯の中へそれを投じた。
「何をなされる!」
「さあ貴殿の番でござる。残り一枚を引くがよろしい」
 果たして、ゴルチャコフが引いたカードはジョーカーだった。ゴルチャコフは思わず苦笑した。
「よろしい、千島十八島は貴国のものといたしましょう」
 その後、数回の交渉でウルップ島以北、千島十八島は日本のものとして交渉は進められた。条約は成立したかに思えたが、ここに落とし穴が待っていた。


 榎本は九月、国王アレクサンドル二世に再度謁見し、その席で両国の条約が正式に決定される手筈のはずだった。
 おごそかな儀式の後、国王アレクサンドル二世が姿を現した。国王は六十三歳であるが、勲章にいろどられた軍服に身を包み、さすが大ロシア帝国の皇帝としての威厳を感じさせる。
「遠路はるばるご苦労である。貴国と我が国の今後の友情と信頼のため、余は汝を歓迎する」
 皇帝の側近が皇帝の言葉を伝えた。この時通訳の鈴本は、極めて重要な儀礼であるということでこの席への列席を許されなかった。代わって日本語を理解するという一人のロシア人が、この席での通訳を役割を担った。しかし通訳が日本語に訳したのは最初の言葉だけで、その後は榎本には、何をいっているのかさっぱりわからなかった。所詮儀礼的なことであるからと、榎本はさして深く考えなかった。
「続けて条約の件である」
 と通訳が日本語でいった。ようやく本題に入ったのかと思えば、またしてもロシア語のみで通訳は一つも役割を果たしていない。榎本は心配になりはじめた。
「中部千島までを日本国の領土とし、それより北は我が国の領土とする」
 榎本はここに至るまで、多少はロシア語を学んできた。そのためはっきりと言葉の意味がわかった。
「馬鹿なそれでは約束がまるで違う!」
 榎本は思わず立ち上がり、たどたどしいロシア語で叫んだ。
「無礼者! 皇帝陛下の御前であるぞ!」
「愚かな! このような偽りの外交で我が国を欺くとは、これがロシアのやり方か!」
 これは榎本は、はっきりロシア語でいった。そのためアレクサンドル二世の表情が変わった。
「この無礼者を連れ出せ!」
 ついに皇帝側近の誰かが叫んだ。
「貴国は、いったいいかほどの国と国境を接していると思うか! このような姑息な手段を弄する国だと他国に知られれば、それらいずれの国からも信を失うは必定! それで国を保つことができると、本気で考えておるのでござるか!」
 たどたどしい榎本のロシア語での訴えも、皇帝には届かなかった。
 その場は皇帝の度量により、榎本の非礼は不問とされたものの、その後の交渉も一行にうまくゆかなかった。榎本の交際法の知識には、ゴルチャコフもときおり驚きの色をうかべることもあった。しかし、いかな法もルールも、ロシアの力の外交の前には歯が立たないのである。榎本は改めて小国日本の限界を感じずにはいられなかった。
 ロシアにしてみれば、千島列島すべてを日本に譲るという条件では、太平洋への出口を閉ざしてしまうこととなる。もはや妥協するしかないのか……。苦悩する中榎本は夢を見た……。
 
 一人の初老と思える男が、川のほとりで釣り糸を垂れていた。
「おう釜さんじゃねえか。はるばるロシアまで交渉に行ったと聞いて心配していたぞ。まあ座れ」
 それはなんと勝海舟だった。海舟は、まるで二人の間に何のわだかまりもなかったかのように、かすかに笑みをうかべていった。
「釜さん、見てみなこの川のせせらぎを、ずいぶん人が死んだし、いろいろあったがこの隅田川だけは昔のままだ……それでどうだったロシアは?」
「まず広いので驚きました。白夜といって、夜になっても太陽が沈まない日までありました」
「夜が来ないのかい? それは大変だな。やっぱ夜は、暗闇の中で女とたわむれるのが一番だぜ」
 海舟は冗談をいったが、やがてすぐに真顔になった。
「どうして自害しなかった? あれほど生き恥をさらすなといっただろ」
 榎本はしばし返答に窮した。
「私もかなうことなら、新しい世の中を一度でいいから見てみたくなったのです」
「なるほど、けど新しい世の中っていったって、そんな素晴らしいものになるとは限らないぜ。また戦がはじまるかもしれねえし、薩長の連中次第では国がつぶれるかもしれねえ。まあいずれにせよ、今まで以上に世の中が動いていくに違いねえ」
 そこで海舟はごろりと横になった。
「ああ、できることならこうして釣り糸をたらしながら、天下泰平の世を死ぬまで謳歌したかったよな」
「まあ今となってはやむをえませんな」
 榎本もまたため息をついた。
「何ロシアのことなら心配いらねえよ。連中が日本を滅ぼすことはできねえ。この先百年後も二百年後もな」
「なぜそう断言できるんです勝さん」
「なぜだが教えてやろうか、この日本列島には日本人しか住んでねえからさ。俺が西郷の奴と会って、江戸を戦火から救いえたのは、西郷が同じ日本人だったからさ。そういやおめえさんは、蝦夷地の少数民族のことも詳しいんだったな。けど、それでもロシア人が、数多いる少数部族まで束ねていく苦労に比べたらたいしたことじゃねえ。これだけは断言できる。この先数百年後までも、この日本列島は俺たちだけのものさ、他の誰のものでもねえ……」
 夢からさめた榎本は、ふといつか海舟がいった言葉を思いだしていた。
「ロシアという国は、広大な国土の西と東で同時にもめごとがおこることを、極度に嫌がるんだ」
  
 やがて状況は一変する。ロシアに新たな外交問題が浮上したのである。宿敵トルコとの関係が再び悪化。ロシアにしてみれば、日本ばかりに関わっている余裕はなくなった。ロシアの足元を見透かすかのように、榎本もまたロシア相手に強気にでる。
 十一月になっても交渉は続いた。ゴルチャコフは、二言目には偉大な大ロシアを連呼した。
「それでは貴殿にとって、国家とはいかなるものでござるかな?」
 半ばうんざりしたような榎本の質問に、ゴルチャコフは杯を置いた。
「いうまでもなきこと、国家とは皇帝アレクサンドル二世のことでござる」
「なれど貴国はかほどに巨大な国家でありながら、果たして皇帝一人で統治できますかな? まあ部外者である私ごときが、口をだすようなことではありませぬかもしれぬが……」
「皇帝陛下の背後にはロシア正教あります。そしてロマノフ家が、長い年月ロシアの民にほどこしてきた功徳、それゆえにこそ皇帝は広大なロシアの地に君臨できるのです」
「まあロシアほどの大国を統治することは、並大抵のことではござりますまいな……。我らにとっての日本国とは至って単純なものでござる。日本国を取り囲む海があって、日本列島の島々があり、山があり川があり、そしてそこに人が住んでいるそれだけでござる」
「貴殿にとっての国とは、大君慶喜公ではなかったのですか?」
 ゴルチャコフは興味深く聞き返した。
「いや、それがしも若年の頃は、徳川家とはこの国そのものであると信じていました。将軍は神のようなもので、我ら侍の最後の心のよりどころであると、そのことに一つも疑いをもちませんでした。なれどあの鳥羽伏見の戦で、将軍が見せたあの醜態。開陽丸が拙者を置いて去っていった時の無念さ、口惜しさは、函館で戦に負けた時以上でござった。後で沢殿から、あのおりの将軍側近の様子を聞かされた時は、それがし憤激のあまり倒れそうになりました。
 あの時からそれがしは、徳川という幻影をふりはらい、新たな国というものを模索しはじめたのでござる。それがしは函館に新たな国家をつくろうとしました。だがそれがし程度の力では、しょせんそれは夢でしかありませんでした」
「まあ、そう自国の政府を悪くいうものではありませぬ。徳川が日本国に三百年の太平の世をもたらしたことも事実。私がみたところ貴国は実に平和でござるな。他民族が攻めてきたなどということも、モンゴル人の侵攻以来絶えてないはず。
 我が国はモンゴルに屈した。だがそれは我らに強力な愛国心を育てた。かってナポレオンが我が国にせめてきたおりも、たとえ都を焦土にしてでも戦いぬくという強い覚悟に、ついには撤退を余儀なくされたのです。真に我が国の恐るべきは愛国心でござるな」
「ゴルチャコフ殿、それがしはここに来るまでに、ついこの間開通したばかりのスエズ運河をこの目で見ました。たいしたものでござった。あれほどのものを建造するのに、いかほどの労力と金と資源が必要であったことか……。なれど我が国の周囲はそのようなことをせずとも、遠く西洋まで続く巨大な水路でござる。
 かってモンゴルもまた、我が国の周囲を囲む、巨大な水堀りには歯がたちませんでした。私は世界の海を回りました。太平洋、大西洋、インド洋、なれど世界の海を踏破した我が開陽丸をもってしても、我が国近海の波の激しさにはかなわず、海の藻屑と消えたのです。
 ましてモンゴルは海を知らぬ民、あのような結果になったはいわば必然でござろう。もっとも、例え我が国にモンゴルが上陸したとて、我が国の地形は山あり谷ありの複雑な地形。いずこにでも伏兵を配置することができ、兵士でなくとも恐らく我が国の民ことごとくが、伏兵となってモンゴル人を、一人として生かして帰さなかったに相違ござらぬ」
 ゴルチャコフの額に脂汗が光った。榎本の例え何があろうと国土を守り抜き、戦ってみせるという強い信念と覚悟が伝わってきたからである。
 交渉はなお続いたが、ここでロシアにとり国防上さらに由々しき事態が勃発する。トルコの動きにイギリスが同調しはじめたというのである。ロシア側はついに折れた。樺太全土がロシア領となるのと引き換えに、ウルップ島以北カムチャッカにいたるまでの千島十八島は、日本のものとなったのである。
 この千島・樺太交換条約は榎本の国際法の知識と、粘り強い交渉によってもたらされた、外交上の一つの奇跡だった。
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