【誰も知らない拳で、世界をひっくり返す――最底辺高校生、無双ランクアップ物語】

第4章「闇の試練」

第5話「裏の顔」

蓮は、闇の闘技場での戦いに一度勝利し、
その戦いの余韻に浸る暇もなく、
次の試練が待っていることを感じていた。

リングを降りた後、
観客席の後ろには、スポンサーたちの姿が見える。
黒岩亮と花岡卓也は、
その戦いをどこか冷静に見守っていた。

「次はどうする？」

黒岩が蓮に声をかける。
その言葉に、蓮は少しだけ視線を落とし、
深く息を吐いた。

「まだ、試練が終わったわけじゃないってことは分かってる」

蓮はその言葉を口にし、
次に向けての覚悟を固めた。
だが、何かが引っかかっている。
勝利しても、心の中に何かしらの空虚さが残る。

「これから先、何が待っているんだ？」

蓮が思い詰めた表情を浮かべると、
黒岩は冷静に答えた。

「お前が戦うのは、
　ただの勝負じゃない。
　これからは、もっと大きな何かが動き出す。
　その一歩を踏み出すことが、
　お前にとっての本当の試練だ」

その言葉に、蓮はさらに不安を感じながらも、
その先にある試練を受け入れる決意を固めた。

⸻

「お前、何かおかしいぞ」

花岡卓也がその場に現れ、
蓮に問いかける。

「おかしい？」

「お前は、戦いに勝つことが全てだと思ってるだろうが、
　実際は、試合が終わった後に待っているものがある」

その言葉に、蓮は思わず顔を上げた。
この男が何を言おうとしているのか、
少し不安になった。

「次の試合も、
　ただ勝てばいいというわけではない」

花岡は冷静に言うと、
自分の背後にいる人物をちらりと見た。

その視線を感じた蓮は、
その言葉を深く受け止める。

「これからの試合は、
　お前がどう動くかだけでなく、
　その背後にある金や力、
　そういったものも関わってくる」

⸻

「金か」

その言葉に、蓮は少し心を乱された。

「つまり、戦いの先にあるのは、
　ただの勝利ではなく、
　お前がどれだけその力を使いこなすか、
　そして、その力を誰が支配するか、
　その先にあるものが決まるんだ」

⸻

蓮はその言葉に深い意味を感じ取る。

「でも、俺はそんなものを求めて戦っているわけじゃない」

蓮はその言葉に強い意志を込めて答えた。

「俺が戦うのは、自分の力を証明するためだ」

その言葉に、
花岡は微笑んだ。

「お前がどう動くかは、これから見物だな。
　だが、その力を試す時が来た時、
　お前の覚悟が試されることになるだろう」

⸻

その後、蓮は新たな試練が待っている場所へと向かう。

その試練は、ただの勝負ではなく、
背後に潜む影や金、
そしてそれらが絡み合う複雑な戦いであることを
蓮はまだ完全には理解していなかった。

⸻

闇の闘技場の次の試合は、
今まで以上に激しいものになるだろう。
それを覚悟した蓮は、
さらに自分を鍛えるための時間を惜しまなかった。

⸻

「次の戦いが、どうなろうとも、
　俺はやり遂げる」

その決意を胸に、
蓮は次なる闘いに向けて、
新たな強さを身に付けるために突き進む。