【誰も知らない拳で、世界をひっくり返す――最底辺高校生、無双ランクアップ物語】

あめかわしげる

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第4章「闇の試練」

第6話「新たな戦士」

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闇の闘技場。
その名の通り、闇に包まれた試練の場であり、
勝者と敗者がその名にふさわしい結末を迎える場所。

「次の試合の準備はできたか？」

黒岩亮の声が、蓮の耳に響く。
その言葉には、冷徹な響きがあり、蓮の心を引き締めさせた。

「できてる」

蓮は答えた。
これまでの試合で培った力を、無駄にするつもりはなかった。
新しい戦いが、確実に近づいてきていることを感じていた。

だが、その戦いは、これまでとは全く異なるものだ。

「相手は、かなりの実力者だ。
　今回の試合は、ただの体力勝負じゃない」

黒岩の言葉に蓮は少し疑問を感じた。

「どういう意味だ？」

蓮はその目を黒岩に向け、真剣な表情で尋ねる。

「お前が戦う相手は、
　ただ強いだけの男じゃない。
　頭も使って戦うタイプだ」

その言葉を聞いた蓮は、
胸の中で何かが鳴り響くのを感じた。
「頭を使う」とはどういうことか。
それは単なる拳だけではない、
戦術や計算が必要になるということだ。

「試合の最中に、冷静さを失うな。
　お前の強さだけでは通用しない相手だ」

黒岩の言葉は、蓮にとって重く響いた。
蓮はその目を細め、しっかりと黒岩の言葉を受け止めた。

「俺は、絶対に負けない」

その言葉を呟くと、
蓮はリングに向かって歩き出す。
その背中には、確かな覚悟が宿っていた。

⸻

闇の闘技場のリングに足を踏み入れた瞬間、
蓮は今まで感じたことのない緊張感を覚えた。
その空気は冷たく、
圧迫感が全身に襲いかかってくる。

リング上で待っているのは、
『西村翔（にしむらしょう）』。
その名を聞いた瞬間、
蓮は不安のような、恐怖のような感情を抱いた。

西村翔は、
その名の通り、
一度でも戦った者を恐れさせるような男だった。
強さだけでなく、その戦い方、戦略が非常に巧妙だった。

「神崎蓮か」

西村が冷たく言ったその声には、
余裕と挑戦の響きが含まれていた。
その視線には、蓮を見下すような冷たいものが宿っている。

「どんな戦いを繰り広げるか、楽しみにしてるよ」

その言葉に、蓮は冷静さを保ちながらも、
内心で決意を固めた。
これが、次の試練だと。

⸻

「試合開始！」

その掛け声とともに、
リング上の静寂が破られた。

西村はまず、
蓮に向かって素早く足を動かす。
そのスピードは並大抵ではなく、
蓮もその攻撃の速さに一瞬で対応しきれなかった。

「くっ！」

蓮は素早く動き、
西村の初手をかわしながら反撃の機会を伺う。
だが、西村の動きはそれだけでは終わらない。
次々に繰り出される蹴り、膝蹴り、肩での突進が蓮を狙い、
そのすべてが巧妙に連携している。

⸻

「――くそ！」

蓮はその速さに対抗しようとするが、
西村の攻撃が思った以上に強力で、
何度もその勢いを受けてしまう。
一瞬の隙を見せると、西村はその隙をついて攻撃を放つ。

「お前、
　思ってた以上に強いな」

その言葉に蓮は、
西村の実力を改めて感じ取った。
彼はただの力任せではなく、
その戦い方に計算され尽くした動きがある。

⸻

その瞬間、
蓮は何かに気づいた。

（この戦い方、
　まるで、全ての動きが計算されている…）

蓮はその気づきを胸に、
冷静さを保ちながら西村に立ち向かう決意を固めた。
次に来る攻撃を予測し、
そのタイミングで反撃を放つ。

⸻

「――っ！」

蓮はその反撃を素早く繰り出し、
西村の顔に拳を叩き込む。
その一撃が西村に当たり、
少しだけその表情に変化が見えた。

「――お前、
　なかなかやるな」

西村は苦しみながらも、
その姿勢を崩すことなく、
蓮に向かって再度突進してきた。

⸻

その攻撃を蓮は、
完全に見切ることができなかった。
だが、
次の瞬間、
蓮はその攻撃をしっかりと回避し、
再び反撃のチャンスを掴む。

⸻

「――っ！」

蓮の拳が、西村の胸を突き刺す。

その一撃で、
西村はとうとう膝をついて倒れ込む。
蓮はその勝利を手にし、
リングに立つその瞬間、
ようやく心から安堵の息を吐き出した。

⸻

「勝ったか」

その瞬間、
蓮の背後から黒岩と花岡が現れ、
その戦いを見守っていた。

「良い戦いだったな」

黒岩が言うと、
花岡も静かに頷いた。

「だが、これが終わりではない」

その言葉に、蓮はその先に待ち受ける試練を感じ取った。

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